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20170903 至仏山登山

至仏山( 関東)

パーティ: 1人 (まさゆき さん )

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行程・コース

天候

利用した登山口

鳩待峠  

登山口へのアクセス

この登山記録の行程

鳩待峠(09:00)・・・山ノ鼻(10:00)[休憩 5分]・・・至仏山(12:15)[休憩 25分]・・・小至仏山(13:20)・・・オヤマ沢田代・・・鳩待峠(15:00)

コース

総距離
約10.4km
累積標高差
上り約908m
下り約908m
コースタイム
標準4時間45
自己5時間30
倍率1.16

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

深田百名山の一つ、至仏山へ。

金曜日までは山梨県の天気予報がよかったので瑞牆山に行こうかと予定していたところ、土曜日に予報が変わってしまったので、急遽晴れ予定となっていた至仏山へ。
前日の夜11時とかに行先を変更できるのは単独行最大のメリットである。

翌日は東京からずっと天気がよく、先週のようにトンネルを抜けても晴れ間が続き、今日は期待できそうだ。
ただ気温はぐっと下がり、太陽が低いうちは、結構着込んでもバイクでは少し肌寒かった。

東京から3時間ほどで戸倉に到着。恐らく気温は15度ぐらいしかなく、暑さに慣れた体では秋・冬用のマウンテンパーカでも寒さを感じる。
数年前から観光シーズンはマイカー規制が引かれており、鳩待峠まではバスでないといけないため、チケットを購入。
片道1000円程度であったが、20分程度の距離でバスで1000円というのはいかがなものだろう。ぼっているとしか思えない。
しかし、これで観光客が減らして尾瀬への負担を減らす意図であれば、それなりに抑止力になるだろうとは思った。

バスに揺られて鳩待峠に到着すると、風が吹いていてさらに寒い。
カッパも着込んでフル装備で出発した。
今日は鳩待峠から山の鼻に行き、山の鼻方面の登山口から至仏山山頂を経て、鳩待峠に戻るコースで所要時間はおよそ5時間ほど。
小学生のころに親に連れられて尾瀬に来た記憶はあるが、光景はほとんど覚えていない。
あの頃はまさか30年近くしてから、趣味で再び訪れるとは夢にも思っていなかった。

山の鼻までは尾瀬ヶ原の初心者向けトレッキングコースの一部で、木道が完備されてとにかく歩きやすい。
気温も秋ぐらいの感覚で、歩き始めると体が温まり、涼しさを感じながら心地よく歩くことができた。平野部での秋の散策を先取りしてる感覚である。

疲れをまったく感じることなく、山の鼻ビジターセンターに到着。
センターでは尾瀬の歴史について展示されており、昭和30年頃は木道がなく、ハイカーが自由に尾瀬を歩きまわって湿原が荒廃してしまったという話に心が痛む。
その後、木道が整備され、現在の状況まで湿原が回復したそうである。
今日、豊かな自然を満喫できるのは、先人の並々ならぬ献身の賜物であることを知って頭が下がる。
関係者の方々に感謝しつつ、自然に迷惑をかけない登山をしようと改めて思った。

センターを出発するとすぐに湿原に出る。
湿原からの500mほど先に登山口が見え、至仏山の山頂を拝むことができた。
最近はずっと天気がいまいちだったせいで、麓から山頂が見えることがなかったため、それだけでも嬉しい気分になる。

登山口に入ると、樹林帯の中を、階段状になった登り専用の道を進む。
前日まで雨だったため水たまりの箇所も多かったが、蓼科山の時と異なり石が主体の登山道であることから、ぬかるみはなくそれほど苦にならない。
鳩待峠を出たころは寒かったが、日が高く登ってきたためか、Tシャツ一枚でちょうどよいぐらいの温度になる。

特に小休止できるような区間もなく、登りがずっと続く道を進むと、「森林限界終了」の看板に出会う。
普通は森林限界を超えたかは一目瞭然なのであえてこういった看板が設置されることはないのであろうが、至仏山は蛇紋岩が多いため、通常よりも森林限界が低いとのことで、地学の勉強になった。

その看板を過ぎると、案内通り樹林帯を抜け、一気に眺望が開ける。後ろを見ると、尾瀬ヶ原を一望でき、思わず声が漏れる。
周りの登山客もチラチラと後ろを振り返っている方が多くて面白い。
尾瀬ヶ原の向こうに見える燧ケ岳も山頂に雲がかかっているぐらいで、見事な山容を眺めることができた。

眺望の良さとは別に、道は岩場が連続するようなり、なかなか体力のいる登りになる。
頂上が見えそうで見えないという状況が1時間程度続いて辛くなってきたが、時折後ろを振り返って徐々に小さくなる尾瀬ヶ原を見て自分を鼓舞して進み続ける。

麓から山頂近くに見えた岩が点在する特徴のある景色に徐々に移り変わり、山頂が近くなってきたのを感じる。
頂上付近は木の階段が続き、アングルによっては天空に向かう階段のように見えて気分が高揚する。
気分は軽くなったが、空気は薄くなったためか勢いは取り戻せず、えっちらおっちらと頂上を目指す。

この辺りでは冷たい風がかなり強く吹き、先ほどしまったマウンテンパーカーを着こんだが、少し進むと風が吹かない場所になって熱くなり、またパーカーを脱ぐというのを繰りかえす。本当にせわしない。
そうこうしているうちに、賑やかな談笑が聞こえはじめた。ようやく本当の山頂に近づいたことを確信する。

さらに歩を進め、山頂に到着。
今日は360度周囲が一望でき、最高の景色である(風も最高に強くてとても寒かったが)。
小至仏山側は山容がまた尾瀬側と違っていて、遠くに見える奥利根湖の雰囲気がまたよい。
山頂には登山客がたくさんたむろし、頂上に到着した喜びを共有していた。
至仏山は全くトイレがないため、「今はとにかく尿意が問題だ」と連呼している人がいたが周りにスルーされていた。平和である。
こちらも昼食を摂り、小至仏山側の道へ。

こちらの道は先ほどと雰囲気が異なり、ひたすら蛇紋岩の岩場を縦走する。
人の足が着くところは表面が磨かれ、紺色の綺麗な見た目になっていたが、濡れていると恐ろしく滑りそうな岩であった。
先週の男体山で後輩が滑落したころから下りは特に慎重に対応し、景色はほどほどに下山に集中する。
岩場を抜けると木道が整備されていて、ここもまた歩きやすい。

淡々と歩を進めるうちに、再び樹林帯に入る。
この辺りになると、空気もまた夏の匂いにもどり、季節を行ったり来たりしている感覚になる。
森の美しさでいうと、尾瀬側の方が雰囲気が良く感じられた。
特に麓付近はクマ対策のためクマザサが山道から1mずつぐらい刈られたばかりだったため、刈られたクマザサが道に散乱し、見た目があまりよろしくなかった。
これは時間がたてば土に戻り、クマにも遭遇しなくなるので、作業された方に感謝しつつ開けた道を歩き続けた。

そうこうしているうちに、鳩待山荘に到着。
出発したころは寒かった山荘前が、今は日に照らされ、気温は完全に夏に戻っている。本当に山の天気は変わりやすい。
山荘でバスのチケットを購入し、再び戸倉に戻って、本日の登山が終了した。

至仏山も百名山に選ばれるだけあって、見どころがたくさんある山であった。
特に一般の観光客は尾瀬ヶ原を歩くだけで、そこを高くから見下ろす景色や優越感は周辺の山に登ることでしか味わえないものであった。
今度は燧ケ岳も登りたいが、こちらの日帰り登山は難しいことから、来年きちんと計画を立てて、また尾瀬の景色を味わいに再来したい。

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登った山

至仏山

至仏山

2,228m

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