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古岩屋山遍路道回遊

古岩屋山(久万高原町)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れときどき曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 久万高原町上黒岩の国道33号御三戸交差点から県道212号、県道12号を通り、国民宿舎古岩屋荘北西の駐車場まで行き、駐車。

この登山記録の行程

駐車場11:45・・・八丁坂上り口12:12・・・八丁坂茶屋跡12:35・・・痩せ尾根で12:54から20数分以上休止・・・迫割岩14:03・・・岩屋寺境内見学14:22~15:07・・・滝池神社15:26・・・16:11駐車場
※コース図はゴールの駐車場から対岸に渡って柱岩西方で西之川を渡り直し、再度駐車場に戻って来るまで記載している。
※各コースポイントのタイムはカメラ画像データを元に記載しているため、正確ではない。

コース

総距離
約6.8km
累積標高差
上り約438m
下り約437m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

[風食礫岩塔群から岩屋寺を回遊]
古岩屋と言えば愛媛屈指の奇勝兼紅葉名所。第三紀の久万層群二名層礫岩が数千万年かけて風食された高さ60~100mの岩塔群で、その屹立する様は見る者を圧倒する。それらの岩峰群を総称して古岩屋山という。
古岩屋には、四国霊場大宝寺と岩屋寺を結ぶ遍路道が二種類通っているが、それを回遊する。四国のみちにも指定されており、道標等は整っている。

[コース]
古岩屋バス停西のトイレで用を済ませると、トイレの西、道路より一段高い所から四国のみちは始まる。道標には最初の見所、紅葉谷が記されていたと思う。
遊歩道は西之川支流の法院谷手前で向きを西に変え、谷の右岸(南岸)を進む。この辺りの下流域が紅葉谷で、紅葉シーズンには行楽客やカメラマンたちで賑わうが、この山行の'13年時は、あまり紅葉の色付きが良くなかったような記憶がある。
紅葉の落ち葉で埋め尽くされた遊歩道を進んでいくと、対岸に礫岩峰、高さ65mの大師岳が迫力ある雄姿を見せている。その下には大師堂がある。

大師堂を見送ると今度は高さ80mの不動岳が現れる。この下方岩盤には縦長の岩窟があり、中に巨大な不動明王像が祭られている。遊歩道沿いにある不動堂はその遥拝所を兼ねているのだろう。
ほどなくして林道に出て、西進後、途中から左の歩道に入ったかも知れない(記憶が定かではないが、道標があるから道を間違うことはない)。

法院谷の支流の沢沿いを遡るようになると、八丁坂入口休憩所が現れる。地形図を見ると急登のように思えるが、記憶では勾配は地形図で見るほどではなかったように思う。この延長2.8kmの道々には丁石や石仏が残されている。
どちらかと言えば陰気な道だが、峠でもある頂上の八丁坂茶屋跡(標高730m)に出れば、明るくなる。ここには延享5年(1748)に建立された石碑や道しるべ、丁石地蔵等の石造物群があり、在りし日を語りかけてくれる。

ここからは尾根道になるが、途中、木の間越しに南方の景色が望める植林帯では超痩せ尾根になっている。展望地が少ないだけにここでは休止した。
このコースの最高所は785.3m三角点北の標高760mのコル。
大分下方まで下って来ると、遍路の姿も見受けられ、礫岩峰群も再び現れる。

真っ赤に彩色された不動明王の先にあるのが有名な迫割禅定(行場)のある迫割岩。巨岩の礫岩が真っ二つに割れているような形状から、このような名称が付けられているが、実はこれは割れたのではなく、雨風による浸食作用でできたもの。
ここには弘法大師と仙人の逸話がある。弘仁6年(815)、大師がこの地を訪れた時、高知市蓮池出身の法華仙人と呼ばれる女人が現れ、「我はこの山の地主、文珠の再誕なり」と言い放った。すると大師は「しからば、神変あるべし」と言って、仙人が持っていた法華経文を取り上げ、白山権現峰(礫岩峰群の一つ)の頂上へ向かって投げた。
大師は仙人に向かって「暫時、取り帰らせ給え」と言うと、仙人は岩を押し破り、岩峰に登り、経文を持ちかえったという。その仙人の押し破った岩こそ、この迫割岩だというのである。
その後仙人は大師に帰依し、この地を献上したという。

そこからほどなくして岩屋寺に至る。寺も礫岩峰に囲まれているが、北の峰を金剛界峰と言い、南の峰を胎蔵界峰と言う。本堂横には金剛界峰が迫っているが、本堂前から峰の岩盤の岩屋に梯子がかけられている。その岩屋は仙人堂跡で、法華仙人の修行場跡。かけられた梯子の階段の数は、仙人が入山した時の年齢を表しているという。

仙人堂跡東下には、大師が掘ったという全長20mほどの横穴、穴禅定がある。納経所で正式な入洞手続きをすると内部の燈籠が点灯すると思うが、当方はそれが面倒なため、ヘッドランプより広範囲を照らすことができるビデオライトをカメラシューに取付け、入洞した。
最奥部には石仏群があるが、そこが大師が独鈷で掘ったという泉「独鈷の霊水」だったと思う。
穴禅定から出ると、庫裡の東の裏手から、金剛界峰に登れないか探ってみたが、藪と傾斜により、諦め、参道を下って行った。

一休館手前で近道である左の急勾配の小径に折れ、車道に合流した先の岩屋寺橋袂で西に折れる。この歩道は滝池神社の参道だが、四国のみちは社殿の南の山際をすり抜けている。以後、直瀬川沿いを進む。
県道の茶屋橋下で、道標は県道に上がるよう指示しているが、それは以前の台風でこの先、遊歩道に岩盤が崩れかかっているため。しかし通行には問題ないので、そのまま遊歩道を進む。
その東方では一旦、歩道(遍路道)は尾根を乗り越す。

工場跡地のような広い平地に出ると、すぐ県道に出る。西之川対岸には千丈ケ岳、子持岳、釣鐘岳と礫岩塔が続くが、川沿いには紅葉が沢山あり、礫岩峰と一体となった光景が印象的。
駐車場からは対岸に渡る歩道もあるため、川床の岩や紅葉を鑑賞後、柱岩南から西に飛び石で西之川を渡り、県道に上がって駐車場へと戻った。

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