行程・コース
天候
1日目:曇り時々雨(雨は午前中)、2日目:晴れ時々曇り
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
中部横断自動車道(2021年9月に山梨-静岡間が全通予定)が出来て、非常にアクセスがよく、東京から約2時間半で行かれます。首都高、中央道、中部横断自動車道を通り、中富ICを降りて、国道52号を経由し、雨畑の老平駐車場(住所:山梨県南巨摩郡早川町雨畑913)へ。国道52号沿いにコンビニあり(ローソン中富飯富店、セブンイレブン身延甲南運動場前店)。中部横断自動車道は新しい為、カーナビに対応していない可能性があり、事前にルート確認をお薦めします。
この登山記録の行程
老平(03:55)・・・吊橋(05:07)[休憩 2分]・・・広河原(06:18)[休憩 32分]・・・檜横手山(11:08)[休憩 12分]・・・布引山(14:12)[休憩 9分]・・・笊ヶ岳(16:02)[休憩 33分]・・・小笊ヶ岳(16:54)[休憩 11分]・・・笊ヶ岳(17:29)[一泊]・・・笊ヶ岳(6:17)[出発]・・・布引山(07:50)[休憩 11分]・・・檜横手山(09:58)[休憩 14分]・・・広河原(13:50)[休憩 32分]・・・吊橋(15:20)[休憩 2分]・・・老平(16:46)
※ヤマタイムでは、宿泊地でない場所の宿泊が入力出来ません。そこで、笊ヶ岳の休憩時間の最大値12時間59分を入力して標準タイム比較グラフを作成しています。
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
笊ヶ岳への登山道は基本的にマーキング(赤(銀)テープ)があります。しかし、雨、ガス(霧)、残雪、日没、うっかり等で登山道のマーキングを見逃すと遭難のリスクが急に高くなるので、注意する必要があります。また山梨県 山のグレーティングを見ると、日本三大急登の甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根(グレーティング:6D)より、笊ヶ岳(グレーティング:7D)の方が上ですので、充分注意する必要があると思います。
◎私が思う道迷いしそうな場所(全て下りです)
①小笊ヶ岳へのルート
私が小笊ヶ岳へ登った時、ガスで視界が5m位となり、小笊ヶ岳から笊ヶ岳へ戻る時、道迷いしました。小笊ヶ岳へのルートはマーキングが無く、登山道が草に覆われています。小笊ヶ岳から下る際、雨水が流れた跡を辿ったらしく、小笊ヶ岳南側を下ってしまいました。笊ヶ岳との鞍部が無い事に気づき、笊ヶ岳との鞍部へ戻り、事無きを得ました。小笊ヶ岳までの極短い距離でも道迷いするので、ランカン尾根を下るのは相当危険です。実際多くの方がランカン尾根を下り、遭難しています。一見ランカン尾根を下った方が距離的に短い様な気がしますが、力量の無い一般登山者がランカン尾根を下るのは死を意味し、絶対に止めた方がよいです。
②山と高原地図(昭文社)にある「急坂中間の踊り場」(布引山と桧横手山の中間)付近
マーキングがあるものの、倒木が登山道を塞いで、うっかりすると雨水が流れた跡を辿り、南側の2264mのピーク側へ行きそうになります。何年か前の残雪期(雪が多い年の5月)に、ここで2264mのピーク側へ間違えた方がいて、間違えた本人は気づいたものの、後から2264mのピークへのトレースを辿った方が遭難しています。
③桧横手山の平らな部分から急に下り始める場所付近
急に下り始める登山道の両側の小さい木に赤テープがあります。赤テープのある両側の小さな木が登山道を塞ぐ様に枝を伸ばしており、うっかりすると南側の雨水が流れた跡を辿りそうになります。約一ヶ月前(今年のGW)の遭難は、この付近から間違えた様です。
(参考)https://yamap.com/activities/11167108/article#image-146231103
◎私が思うテント場(サッと見た感じで、あくまで参考です)
・笊ヶ岳山頂の小笊ヶ岳分岐付近:1張(登山道を跨げば2張)
・笊ヶ岳山頂を下って直ぐ:1~2張
・笊ヶ岳を下って倉沢コル(布引山との鞍部)手前:2~3張
・布引山:4~5張(探せば他に1~2張あるかも?)
・桧横手山3~4張(探せば1~2張の場所が数ヵ所あるかも?)
笊ヶ岳へのルートは、もうほとんど雪が無く、軽アイゼンも必要ないです。
(今回念の為に12本爪アイゼンを持っていきましたが、全く必要ありませんでした)
笊ヶ岳山頂、布引山ではauの電波は入りませんでした。
連日の雨で広河原は増水(股上位)し、靴を脱いで渡りました。増水で水の流れも激しいものの、トレッキングポールのお陰で体を安定する事が出来ました。笊ヶ岳登山の行程が長い為、トレッキングポールはあった方が良いと思います。
笊ヶ岳は人気の山で天気が安定しない中、土曜日は1名、日曜日は5組の登山者と会いました。
林道歩きが往復1時間以上かかるので、マウンテンバイクを使えば、時間短縮出来るのでは?と思いました。ただし、林道の凹凸が激しい為、普通の自転車は不可だと思います。
今年の3月末に七面山(喜望峰)に登り、笊ヶ岳山頂にあまり雪が無いのを見て、(https://www.yamakei-online.com/cl_record/image_display.php?id=1700683)、急に笊ヶ岳への登高意欲がわき、20年以上前のテントを探し出し、20年以上振りにソロテントで笊ヶ岳に登りました。当初4月に登るつもりでしたが、ネットで笊ヶ岳の登山記録(遭難事例も多数あり)を調べると、4月は確実に雪がある事、GWは人が多そうということで、5月の晴れそうな週末にターゲットを絞りました。ところが早くも梅雨前線が発生し、南九州が梅雨入り。東京でも雨が続き焦っていたものの、土曜日朝から天気が回復するヤッフーの天気予報を見て、登山を決行しました。しかし、この時期の天候は安定せず、土曜日午前中は時々雨で、夕方に笊ヶ岳山頂に到着してもガスで何も見えませんでした。ただ日曜日朝には天気が回復し、南アルプスの絶景を堪能できました。
今回雪山を想定し、防寒対策を充分過ぎる位行ったものの、笊ヶ岳山頂に雪は全くありませんでした。今回超久しぶりに約25kgの荷物を担いで修行の様な登山でしたが、絶景を堪能出来、満足出来ました。
登山を計画してから一ヶ月近く笊ヶ岳や雨畑(老平)周辺をネットで調べていたら、笊ヶ岳の登山道は、実は老平金山(奥沢金山、大正時代まで操業)への道である事を知りました。笊ヶ岳の広河原までの道が、黒部渓谷の水平歩道の様な道である事に納得出来たので、念の為に記します。(参考)https://blog.goo.ne.jp/tekutekutozan/e/35e5d56a9085d9b171003113b5b82d4a
フォトギャラリー:67枚
林道ゲート。登山届提出。
タケ沢吊り橋。
壊れかけた橋。雨で濡れているものの、平面のパンチングメタル部分は、滑り難い優れものです。ただ、右側の手すりが壊れ、左側の手すり下の鉄の棒の上に乗ったら、滑り落ちそうになったので、注意して下さい。
広河原。連日の雨で増水。股上位の水量。靴を脱がずに渡れる場所を探しましたが、見当たらず、結局靴を脱いで渡りました。増水で水の流れも激しく、25kg程の荷物を担いでいたものの、トレッキングポールのお陰で体を安定して渡る事が出来ました。
広河原から山の神まで、つづら折りの急登。
ギンリョウソウ。山の神周辺の至る所で咲いていました。
山の神。
山の神から、尾根上の急な登り。新緑が美しい。
ウィンチ(巻き揚げ機)残骸。
ワイヤ散乱。
ヤマイワカガミ。この周辺に所々咲いていました。
繁殖力が強い雑草のクローバー(シロツメクサ)が桧横手山付近の至る所に咲いていました。
→(訂正)クローバーではなく、カタバミでした。
桧横手山。テントが3~4張張れそう。桧横手山はなだらかで、探せばテントが1~2張張れる場所が数ヵ所ありそうです。
樹林の中の急な登り。
ガレ場。ガレ場の右端を進む。湿った土がぬかるんで、危険。
ガレ場から、青薙山(手前左端)と稲又山(手前中央より左側)を望む。
布引山への樹林の中の登山道。
アカケダニ。人には害は無さそう。繁殖時期なのか?桧横手山、布引山、笊ヶ岳の至る所にいました。大きいのと小さいのがセットで見かける事が多く、恐らく大きいのがメスで、小さいのがオスだと思われます。
布引山山頂。
布引山山頂直ぐのテント場(4~5張)探せば他に1~2張張れる場所があるかもしれません。
登山道に雪が現れるものの、歩行に問題なし。
登山道から笊ヶ岳(左)と小笊ヶ岳(右)が見える。
倉沢コル(笊ヶ岳と布引山の最低鞍部)。
倉沢コル(笊ヶ岳と布引山の最低鞍部)から直ぐのテント場。2~3張張れるかも?
笊ヶ岳山頂手前のテント場。1~2張張れるかも?
笊ヶ岳山頂。
笊ヶ岳山頂手前の小笊ヶ岳への分岐のスペースにテントを張りました。このテントの左側を進むと小笊ヶ岳へのルートあります。
鞍部から小笊ヶ岳を望む。
小笊ヶ岳の案内。
笊ヶ岳の二等三角点。
日の入直前の赤石岳。雲で山が隠れていたものの、わずかに日がさしてきた。
日の出前の富士山(奥)と小笊ヶ岳(手前)拡大。
日の出直後の富士山(奥)と小笊ヶ岳(手前)拡大。
日の出直後の上河内岳拡大。
日の出直後の聖岳(左)と兎岳(右)拡大。
日の出直後の赤石岳拡大。
日の出直後の荒川三山拡大。(左から前岳、中岳、悪沢岳)
大無限山拡大。
北岳(尖がったピーク)拡大。
池口岳拡大。
塩見岳(左)と蝙蝠岳(右)拡大。
長野県の山頂案内(左)と、山梨県の山頂案内(右)。中央奥の山は、上河内岳。
布引山への登り。美しい樹林の中の道。
布引山への登りを振り返ると、笊ヶ岳(左)と小笊ヶ岳(右)が見える。
布引山への道の途中の樹林の間から、富士山(左奥)と七面山(中央手前)への尾根が見える。下界からガスが上がってきている。
布引山山頂。三角点と案内板。
ガレ場から、南アルプス(上河内岳(中央やや左)、聖岳(右))を望む。
ガレ場から、富士山、七面山方面を望む。下界からガスが上がってきてきている。
山と高原地図(昭文社)の「急坂中間の踊り場」付近。所々倒木が登山道を塞ぐ。
桧横手山山頂。この周辺はなだらかで、いくつかテント場がありそうです。
樹林の中の急な下り。ガスが出てきたものの、赤テープを確認しながら進む。
ウィンチ残骸の下くらいの樹林の間から見えた富士山(左)と七面山方面(中央から右)。下界からガスが上がってきて隠れて始める。
ウィンチ残骸の下くらいから新緑で美しい尾根上の登山道を見たところ。
山の神の裏手から。見たところ。
ギンリョウソウ。山の神周辺の至る所で咲いていました。
広河原。天候が回復し、水量が減ったかと思いましたが、前日と水量変わらず、股上位の水量。靴を脱いで渡りました。雨水が加わっておらず、雪解け水の割合が高くなった為か?前日より水が冷たかったです。
崩壊地。多くの人が行き来している為、踏み跡がしっかりしており、全く問題なし。
崩壊地から直ぐの黒部渓谷の水平歩道の様な道。谷底まで相当ありそう。
シャワー。連日の雨で水量多し。この下が急な谷で、谷底まで100m位ありそう。
タケ沢吊り橋手前の橋。奥がタケ沢吊り橋。
廃屋。
林道終点。25kg程の荷物を担ぎながら、つくづくここまで車を入れさせてくれたらと思いました。マウンテンバイクを使えば、時間短縮出来るのでは?と思いました。ただし、林道の凹凸が激しい為、普通の自転車は不可だと思います。
トンネル。
林道ゲート。
老平駐車場。5,6台位。今回も満車で、手前の車道の広い所に停めている車がありました。駐車場の住所:山梨県南巨摩郡早川町雨畑913。この住所をナビに入力すると表示されます。
老平駐車場にある登山案内板。
ヴィラ雨畑のすず里の温入口。入浴料大人\550で、いい温泉でした。
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | タオル |
帽子 | グローブ | 着替え | 地図 | コンパス | ノート・筆記用具 |
腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 健康保険証 | ホイッスル |
虫除け | 熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ |
トレッキングポール | 燃料 | ライター | |||
【その他】 水等2L×2、ポカリ1.5L 、12本爪アイゼン、モバイルバッテリー、フリース |