大山 | 大山プロガイド協会

今年は梅雨らしい天気が続いています。花の開花状況は例年並です。高山植物盗掘の現実をぜひ知って下さい。

わずかな晴れ間の山頂(2014.06.29 大山レークホテル )
わずかな晴れ間の山頂(2014.06.29 大山レークホテル )
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天気・気温

06/24(火) 09:00大山寺の天候 くもり 気温20℃ 無風
12:00山頂の天候 晴れ時々ガス 気温15℃ 無風
鳥取市の天気予報
明日
雨時々曇
19℃
15℃
明後日
曇時々晴
17℃
11℃
日本気象協会提供 2024年4月29日 6:00発表
松江市の天気予報
明日
雨のち曇
19℃
15℃
明後日
曇のち晴
17℃
12℃
日本気象協会提供 2024年4月29日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

今年の大山の梅雨で例年とやや違うところは、雨が多いということでしょう。だいたい梅雨に入ると雨が少なく、梅雨明けの頃にまとめて大雨が降るといった傾向がありましたが、今年は違うようです。

今の時期のお花の開花状況ですが、ほぼ例年通りのようです。
まず大山寺付近で咲き始めたお花は、 ヤマブキ ヤマブキ ショウマ、ウリノキ、ミヤマヨメナ、ユキノシタなどです。
1合目から2合目辺りでは ギンリョウソウ ギンリョウソウ が満開です。ツルアリドオシも花芽が付いていますので、まもなく開花。
5合目付近では、ニシキウツギ、タニギキョウ、ニガナなどが咲き始め、
6合目から7合目にかけては、ヤマヤナギの綿毛が種子と共に飛んでいます。ウツギ、 カラマツソウ カラマツソウ などがあと少し。シモツケの花芽が色が付き始めました。このシモツケが咲いて終わりかけると シモツケソウ シモツケソウ が咲き始めます。あと2週間ぐらいでしょうか。
8合目から山頂にかけては ヤマオダマキ ヤマオダマキ 、ネバリノギラン、マイヅルソウなど。

●高山植物の「盗掘」の現実
残念なことがあります。
登山道のそばに高山植物が咲いており、毎年のことながら、「取られなきゃいいけどな。」と思いつつ、登っていました。
ところがその場所にたどり着く前に、常連のお客さんの何人かから「あそこ掘られてるよ。」と聞かされ、行ってみると画像のように見事に盗掘の被害に遭っていました。
1本だけは掘る際に折れたんでしょう、折れたまま投げてあり、直径30㎝ぐらいとその横に20㎝ぐらいの掘られた跡があります(画像をぜひご覧下さい。画像の下に折られた一本が写っています)。ただ、今までの盗掘者の手口と比べると、非常に稚拙なやり方なので、あまり高山植物を知らない方が、珍しいからと掘り起こしたようです。

夏山登山道のおよそ2合目付近から山頂までは国立公園の中でもいちばん規制がかかっている「特別保護地区」になっており、植物採取はもちろんのこと、おいてある石を動かしてもいけない位の場所です。
今年は5合目の上に毎年生えているヤマウドも、とうとう採られてしまいました。

私がお花の情報を出すときは、貴重なお花は絶対に出さないようにしています。
マニアの方は背景から場所を推測して、ピンポイントで盗掘に来られます。
最近はネット社会となり自分で情報発信をしているケースが非常に増えてきて、それ自体はいいことなんですが、貴重なお花の状況などは悪用されます。
また通行禁止の場所を動画で投稿し、誰でも通れるかのごとくにコメントをつけていますが、これも危険な行為だと思います。
自分で楽しむだけにしていただけたらと切望します。

貴重な花の情報については、何年も前から環境省に相談していますが、明確な回答は得られていません。何も手が打てていないというより、打てないようです。それでは巡回パトロールを増やしているかというと、以前ほど見かけなくなりました。これでは取られ放題で、そのうち大山から貴重な高山植物が無くなってしまいます。ぜひとも環境省にはなんらかの対策をお願いしたいところです。

登山道の状況

現在のだいせん夏山登山道に大きな支障はありません。

登山装備

登山に適した服装、登山靴、飲料水、雨具など、きちんとした登山装備が必要です。
梅雨の間は雨が降らなくてもブトの大群が出てきますので、虫寄けの対策を忘れないように。最近は防虫ネットを被っている方が増えてきたようです。
これからの時期は、天候により肌寒い日と、今日のように暑い日と様々です。飲料水についてはは特にご注意ください。
天候にもよりますが、500ミリリットルのペットボトルが1本ではまず不足だと思います。最低でも2本。予備含めて3本は持ちたいところです。

注意点

トイレは登山口から山頂まではありませんのでご注意ください。
山頂避難小屋内にトイレがありますが、登山者が多いと混雑します。
なお6合目にあるのは緊急避難小屋であって、トイレではありません。

お知らせ

登山について、また他のコースなどで詳しいことを聞きたい方、あるいは登山ガイドの依頼など、「大山レークホテル」(電話0859-52-3333)久保までお気軽にお問合せください。
何人かのグループでの登山教室などでご利用ください。登りながら、楽な登山の方法や、長続きのできる登山の歩き方なども教えます。

●「楽しい登山教室」
登山は本来は苦しいものでも、また危険なものでもなく、楽しいスポーツであるということを学んでもらうために今年も登山教室を開催いたします。
仲間についていくだけの登山でなく、「自立した登山者」を目指して、基本から教えます。
これから登山を始めたい方、楽しむために何をすればいいのかがわからない方は、安全で楽しい登山の知識と技術をこの機会にしっかり学んでみてはどうでしょう?
・実施日 7月6日(日)
・場所 大山夏山登山道を山頂を目指します。
・時間 午前8時半より午後4時の予定
・装備 登山に適した服装、登山靴、飲料水、雨具など 昼食は各自でご用意ください。
・定員 両日共に20名まで(先着順)
・会費 お一人様4000円
・その他 装備等で不明点は遠慮なくお問い合わせください。
・申込先 チロル&白樺内  大山ガイドクラブ事務局 
直接お電話またはメールにてお申し込みください。
電話0859-52-2818 アドレス tirol@sanmedia.or.jp

昨年の今頃の様子は?

今年は登山道の雪は早く融けてしまい、もう歩くのに支障はありません。2週間ほど早めに推移しています2023.05.02

だんだん蒸し暑さを感じる季節になってきました。そろそろ虫除けスプレーが必要な季節です2023.05.15

米子市内でも30℃を越える夏日となりましたが、大山は気持ちの良い風が吹いていました2023.05.23

大山プロガイド協会周辺の過去の様子

  • 山頂緊急避難小屋付近の状況
  • 3合目手前付近から積雪があります
  • 山頂台地の残雪
  • フキノトウがようやく顔を出してきました
  • 6合目避難小屋の様子
  • ポールの片付けを行う
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 少しガスが出ると、大山では、こうなります
  • 山頂碑の様子
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 6合目より見た日本海
  • 7合目の様子

大山プロガイド協会

現地連絡先:
090-7999-2931
電話番号:
0859-75-2300
連絡先住所:
〒689-4424 鳥取県日野郡江府町御机字鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山 内

地図で見る
http://chugoku-guide.wix.com/chugoku-guide

施設の詳細を見る

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 山陰地方のほぼ中央にそびえ立つ大山(だいせん)は、天平五年(733)に完成したといわれる『出雲風土記』に、火神岳(ほのがみのたけ)の名で登場する。我が国で最も由緒のある山の1つである。  中国地方の最高峰。大山隠岐国立公園の中心にあり、歴史、民俗、自然科学の面でも傑出したものが多く、名実ともに中国山地の王者である。四季を通じて探訪者が絶えないが、日本海に面した独立峰であり、気象条件、地質地形条件が厳しく、特に冬季は「寒気の吹き出し」の影響を、日本で最初に受けるので、標高に似合わず遭難事故が多い。中国地方の他の山々とは全く異質の山であることを銘記されたい。  一方、自然保護運動の先覚地でもある。全国のゴミ持ち帰り運動の発祥の地であり、数々の乱開発を追放した実績を持っている。現在は一木一石運動(登山者の手によって山頂に石を返す行動)が根気よく続けられている。  山体を形成する角閃石安山岩は軟らかくもろい。激しい浸食作用により、登山道の転変が多く、頂上と通称される弥山(みせん)への道は夏道ルートと行者谷ルート以外は閉鎖されて久しい。両ルートは6合目避難小屋の下で合流し、特別天然記念物ダイセンキャラボク純林を縫って頂上碑に達する。東側に三等三角点が、西に頂上小屋と、やや下って石室(いしむろ)と心字(しんじ)池などがある。いずれも往復5時間程度だ。  最高点の剣ヶ峰へは大神山(おおがみやま)神社から元谷(もとだに)小屋、ユートピア避難小屋を経る一般ルート(往復5時間)の他に大休(おおやすみ)峠からと、地獄谷振子(ふりこ)沢からのルートがあるが、一般向ではない。  元谷をベースに、大屏風(おおびようぶ)岩、小屏風(こびようぶ)岩、烏帽子(えぼし)岩、別山などの岩場がある。岩はもろく、登攀には高度の技術が要求される。南面の南壁はすべてガレ壁で、登降は勧められない。支峰の甲(かぶと)ガ山(せん)、船上山(せんじようざん)にはよい岩場があり、地元のクライマーに愛されている。  大山の名をより高めているのは、史跡の豊富さと荒らされていない生物相とにある。  『出雲風土記』には、大山を杭(くい)にし、弓ガ浜を綱にして島根半島を引いてきたと記され、大化改新(645)前後には修験者の大道場でもあった。以来、興亡栄枯を繰り返し、その遺構が全域に残されている。現存する大山寺と大神山神社の門前町が大山寺(だいせんじ)の集落。今は宿泊施設や飲食店、温浴施設などが参道沿いに並んでいる。 平成30年には、大山情報館が大山ナショナルパークセンターとしてリニューアルしたほか、観光案内所や県立大山自然歴史館も再整備され、大山周辺の情報提供の他、シャワールーム、ロッカー、Wi-Fiなど多くの新しい機能が利用できるようになり、大山登山が一層、便利になった。 冬は西日本最大の広さを誇るスキー場が賑わい、スキーやスノーボード、スノーシューなど、ウィンタースポーツのメッカとなている。

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