大雪山・旭岳 | 旭岳ビジターセンター

ビジターセンター近くの湿原でもリュウキンカやミズバショウがたくさん咲いています。山の上の姿見の池周辺はまだ一面の雪です。

駅裏湿地のミズバショウ・リュウキンカの湿性花園(2016.05.18 旭岳ビジターセンター)
駅裏湿地のミズバショウ・リュウキンカの湿性花園(2016.05.18 旭岳ビジターセンター)
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天気・気温

05/19(木) 姿見駅(ロープウェイの上駅 標高1600m)15:00 晴れ 15℃ 西の風4m 視界良 積雪145cm
旭川市の天気予報
明日
曇一時雨
16℃
7℃
明後日
晴のち曇
15℃
3℃
日本気象協会提供 2024年4月27日 0:00発表
帯広市の天気予報
明日
晴のち雨
22℃
9℃
明後日
晴時々曇
19℃
7℃
日本気象協会提供 2024年4月27日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

姿見駅と旭岳温泉を結ぶ「旭岳スキーコース」は15日曜で終了し、旭岳ロープウェイは5/16(月)から夏山の営業に替りました。そのためスキーやスノーボードがゴンドラに持ち込めなくなりました。
スキーはまだ下の方を除き十分に楽しめる状態です。

●山の上の様子
姿見池と鏡池(夫婦池の一方)は、まだ雪の窪地にすぎませんが、夫婦池のもう一方のすり鉢池のほうは、水が溜まりはじめています。周りの融け具合など、昨年と似たような感じです。

姿見一周のコースは、まだほとんど雪におおわれています。夏場コース脇に張るロープ用の鉄杭が並んでみえてきたところもありますが、初めての方には、夏用マップを見ても全く判らない状態です。
小高い展望台(第一~第五、と姿見展望台)付近だけ雪が無く、ベンチや地面がのぞき、ガンコウランが極めて地味な花を開いています。
また、展望台の近くや、ハイマツや岩のまわりなどは、かなり踏み抜きやすくなっています。
月末には例年通り自然保護監視員の活動が始まり、コースも判りやすくなってくるでしょうが、それまでのこの時期は、天候・視界の急変に特にご注意ください

姿見の石室はこの冬、下の出入り口を封鎖し、2階の窓のひとつからのみ出入りできるようになっています。下のドアが開けられるのは、早くて今月末ぐらいでしょう。

5/15にお客さんと山頂から下って来たガイドさんの話では、「9合目の下の岩場のところに着いた氷は、火山灰に覆われて一見滑らなそうだったが、滑りやすくアイゼンを履いていてよかった。昨年同時期に来た時も、下りで転んで膝を傷めている人がいた。」そうです。
山頂への道は雪融けが進んで、半分くらい地面が出ているようにも見えますが、そういうこともあります。ご注意を。

●山麓ビジターセンター周辺の様子
駅裏湿地の ミズバショウ ミズバショウ リュウキンカ リュウキンカ の湿性花園にむかう木道は、だいぶ融雪が進みましたが、今日もまだ思いがけないところに穴が空いて踏み抜いた人もいるようです。高さがある場所などでは、特に充分ご注意ください。駐車場に近いところの方が危ないです。油断しないように。
こちらの湿地は広くフラットなのが魅力ですが、平たい分、雪が融けて泥から芽が出て花が咲くまでタイムラグがあります。
次々と花が広い範囲で咲き続けるので、雪と ミズバショウ ミズバショウ などが見たい方は、今が良いでしょう。踏み抜きに十分注意して下さい。踏み抜く雪も融けて、もう少し足元が安定してからでもまだまだ十分に楽しめます。

まだほとんど一面、雪で覆われている勇駒別植物園の脇にある小さな沼の場合は、地形が急に落ち込んでいる分、雪の上の足場から花までの距離が近い感じがします。もちろんこちらも雪が急に崩れたりすることも想定の上、慎重に歩く場所を選んでください。(宿「アートビレッジ杜季」の前を通ってすぐ、画像で「杜季沼」としてあるほうの沼です。)
その近くの乾いた場所では、ちいさなツツジの仲間がまさに開いたところ(オオバスノキ?)。

●旭岳温泉の町付近
例年一番早く途切れる、野営場と養魚場跡との分岐手前辺りは、だいぶアスファルトが黒々のぞいてきました。
野営場はまだ15cm以上の雪がありますが、この天気が続くようですから、週末にはだいぶ地表が現れるのではないでしょうか。

●この夏の花の開花予想 (7月の花の話です)
・今年の5月初めは昨年より雪が多いようでしたが、強い風雨や、好天高温で急速に融雪が進んでおり、夏の開花ピークを明言することはできません。
・例年、「姿見周辺周遊コース」の、 チングルマ チングルマ などの開花ピークは7月上中旬、
・登山道を往復5-6時間歩く必要のある「裾合平」はそれより10日-2週間遅れる7月中下旬にピーク、と皆さん計画されます。
初めての方や、迷いのある方はまずはその辺で日程を調整されてはいかがでしょうか...

登山道の状況

●旭岳の標高は北アルプスの山々のような3000mという標高ではありませんが、緯度が高いため、山の条件としては本州の3000m級山岳と同様か、スケールからそれ以上の厳しさがあります。

●旭岳方面
アイゼンピッケルは必携です。
・姿見から六合目までは一面雪
・六合目からは4割ほど雪。少ないように感じますが、岩陰は凍結があり大変危険です。特に下りは注意して下さい。必ずアイゼンピッケルを携行して下さい。

●忠別川右岸の町道通行止め(左岸の道道に迂回可能)
旭川や東川から旭岳温泉や旭岳源水へ行くときに使われる町道は4/28まで工事で通行止めの予定でしたが、法面の状態が危険なため、6月末まで工事を延長することとなりました。
道道(天人峡美瑛線)で2kmほど遠回りにはなりますが、迂回できます。いで湯号バスの路線と同じです。

登山装備

登山には登山装備が必要です。油断しないで下さい。
防寒具は冬用。山頂に行くには、最低でも6本爪アイゼン(できれば10本くらい)やピッケルが必要です。
日が射せば、日焼け止め、サングラスも必要です。風が強いのでゴーグルの方がおすすめです。また頬の凍傷を防ぐため目出し帽(バラクラバ)なども用意しておきましょう。

姿見散策だけの方も、防寒具は冬用、足ごしらえも冬の靴、雨具や防風、防水対策が必要です。日帰りだからといってライトや地図を持たないことは危険です。スニーカーでは対応不能です。

注意点

●入山にあたり飲料水は持参しましょう。
飲料水は旭岳温泉から持参しましょう。ロープウェイ姿見駅(上の駅)には給水施設がありません。ロープウェイ売店での販売となります。ビジターセンターでは飲料水(お湯はありません)をおわけすることができます

●旭岳ロープウェイ
http://wakasaresort.com/asahidakeropeway/
運行中

お知らせ

・旭岳の登山・自然の情報はビジターセンターにおたずねください。
来館した方や、電話・メールなどのお問合せに対し、最新の現地情報と、過去の事例や個々の事情に照らし、最適な答えを返せるよう努めています。
http://www.welcome-higashikawa.jp/info/?c=16

・長靴やスノーシューの貸し出しを行っています。
スノーシューは一日800円(町内宿泊者やモンベルクラブ割引などがあります)
今年はハイキングに適した新しいスノーシューも揃えました。ぜひご利用下さい。

●大雪山や十勝岳は広い地域にまたがっています。旭岳以外の主な山の問合せ先はこちら
http://www.welcome-higashikawa.jp/info/?c=27&s=7393&sc=&lv=&cl=1
・層雲峡ビジターセンター
ビジター山だよりでは日々の状況をお知らせしています。そのほかこエリアに入山予定の方には必要な情報がたくさんあります。
http://sounkyovc.net/

旭岳ビジターセンター周辺の過去の様子

  • 山麓駅付近~ロープウェイの車窓からも綺素晴らしい絶景に出会えます
  • 旭岳スキーコースがオープンしました
  • 10月6日に初冠雪が観測されました
  • 裾合平の紅葉は全体的に少し渋めになってきた印象
  • 裾合平・白鳥の雪渓
  • 裾合平のお花畑はまだ雪に覆われています

旭岳ビジターセンター

電話番号:
0166-97-2153
連絡先住所:
〒071-0372 上川郡東川町旭岳温泉

地図で見る
http://www.welcome-higashikawa.jp/asahidake-vc/

施設の詳細を見る

関連する山

北海道 / 石狩山地

大雪山・旭岳 標高 2,291m

 大雪山の盟主として、また北海道の最高峰として、誰もが一度は登りたい、また登らねばならない山が旭岳である。「ヌタプカムウシュペ」というのはこの山塊全体の呼称で、個々のピークにアイヌは名をつけなかったようだ。旭岳という名称は、忠別川の源頭にあるところからきており、アイヌ語でチュプ・ベツ「日の川」を旭としたもの。旭川市や忠別岳の名も同じ由来である。  古くから登山道は開かれていたようで、明治36年(1903)、上川文武館生徒21名が集団登山した記録があるが、往復に3日を要している。この頃、旭岳は「於武建志計(オプタテシケ)山」と呼ばれていたという。明治の文学者・大町桂月の登山はずっと後で、大正10年(1921)、黒岳沢から無名峰(現在の桂月岳)に達し、北鎮岳を経て旭岳に登り、松山温泉(天人峡)に下っている。冬の登頂は翌大正11年(1922)1月、北海道大学の板倉勝宣、加納一郎らが最初である。  いま夏の登頂は全く容易になった。ふもとの旭岳温泉(旧名 勇駒別温泉)から、2本のロープウェイを乗り継いで一気に1600mの姿見駅へ。お花畑の中の道をたどって、旭岳の姿を映す「姿見ノ池」のほとりから、火山礫の登山道を、白く煙を上げる火口を見下ろしながら登ること2時間ほど。ついに頂上に立てるのだ。道内最高地点だけに展望は広大で、国立公園内の山々はもとより、天塩岳、暑寒別岳(しよかんべつだけ)、芦別岳(あしべつだけ)なども見え、さらに快晴の日には遠く利尻山までも望むことができる。  黒岳からの縦走はもっとすばらしい。黒岳石室を早朝に出発し、第2の高峰北鎮岳(ほくちんだけ)にも登って旭岳に至るコースは、約5時間の行程だ。旭岳の北東面には遅くまで雪渓が残り、夏スキーを楽しむ人々も多い。雪渓の下が指定のキャンプ地になっていて、最盛期には色とりどりのテントが花と咲く。頂上に登らず、途中の中岳から旭岳の山腹を巻き、山中に湧く無人の中岳温泉を経て姿見駅に出ることもできる。駅付近には姿見ノ池のほかにもいくつかの沼が点在し、それらを散策するのもよい。  頂上付近は草も木もないから、どこへでも行ける。なかには道を踏み外してどんどん下ってゆき、帰ってこられなくなった例もある。姿見駅の付近でさえ、ガスがかかると分かりにくくなる。ロープウェイは冬には多くのスキーヤーを運び上げるが、軽装で頂上を目指したまま行方不明となる人が時々出るのも、目標物に乏しい頂上付近の地形に惑わされるからであろう。充分、注意したい。

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大雪山・北鎮岳 標高 2,244m

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トムラウシ山 標高 2,141m

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ユーザーの登山記録から