奥が深いテント泊登山も、ここ(準備編・実践編・片付け編)まで読めば基本的なことは網羅できたはず。あとは小ネタとして知識をもっておけば、より快適かつ充実した行程にしていける。ここにあなたの経験に基づいたアレンジが加わればもう完璧だ!!
稜線のテント場は朝晩とても冷え込みます。夏でも体感温度はマイナスなんていうのも当たり前の世界。薄手のダウンジャケットなどを携行しておくと重宝します。
食材を運ぶときに暑さにご注意を。特に夏期はザックの中がサウナ状態に。肉類は痛みやすく、またバターやチョコは溶けて使い物にならなくなります。乾燥食料かレトルト系か、いちど熱を通した食材がおすすめです。ちなみに長期の山で重宝する野菜はタマネギとニンニクだといわれています。
登山で必須のヘッドランプに加え、ワイワイ集まるテントサイトなら小型ランタンが活躍するでしょう。それには電池式が一般的で、ガス式は熱を持つし多少危険なため登山には向きません。ろうそくの灯もいい雰囲気があってこれもまたおすすめです。
シュラフに入っても冷えて寝られない。特に足先が冷えてしまうトラブルが多いようです。本来は冬山の装備ですが、中綿入りのテントシューズを持って行くのはどうでしょう。ポカポカ暖かく寝られますよ。
テント場や山小屋のほとんどには風呂施設はなく、たっぷり汗をかいた後だと不快かもしれません(けっこう乾燥しているためそうでない場合も多いが)。そんな時に活躍するのが汗拭きシート。荷物の負担にもならないので、携行しておくと重宝します。
山で飲むビールは格別ですよね(ぬるくても山ではうまい!!)。ちょっと重いですが頑張って担ぎ上げましょう。ただし缶同士が当たるのはぜったいに避けるべき。側面は非常に弱く、アルミ同士がこすれるとあっけないほど簡単に穴が空きます。ザックの中がビール池にならないようにご注意を。
鍋のふきこぼしを拭く際に、また結露で濡れた床や壁を拭くのにも。テント内のあらゆる濡れへの対応にてぬぐいは大活躍するでしょう。また鍋つかみや鍋敷きにも使ってみてください。
旅行ならパジャマなどがあるのでしょうが、山は違います。登山の恰好のまま上から保温着を羽織るのがありがちなケース。これが荷物を減らすためのベストな選択です。肌着を換えるかは微妙な問題ですが、1泊くらいなら換える必要もないかも…。
アルファ米に慣れたら次は生米を持って山に行きましょう。技術が試され、その日のディナーの出来を左右する楽しくもスリリングな時間が過ごせます。炊く技術はさまざまですが、弱火の時間が長いほうが良いと一般的には言われます。標高が高いと沸点が低いので上手に炊くのは難しいですが、そこは腕の見せどころ。アルミ鍋を手にレッツトライ!
汗や霧の湿気でウエア類は濡れています。手袋など干せるものはテントの上部に吊るして干すようにしましょう。もしくはシュラフの中に入れて一緒に寝ることも。ウエア類はそれでほぼ乾くはずです。
レインウエアをウインドブレーカーとしても着る、ダウンジャケットで保温力を確保してシュラフを薄いものに。そんなふうに、ちょっとした工夫で荷物は軽くできます。最初からは難しいかもしれませんが、経験を積むとだんだん荷物は減って軽快になるはずです。
「トイレに行きたくなるから水分は控えたほうが」これは完全に間違った見解です。山にいるときはこまめな水分補給が基本。摂って出す、これが高山病を抑えるコツでもあるのです。目覚めに砂糖たっぷりの紅茶(かコーヒー)を飲んで元気に出掛けましょう。でもアルコールはほどほどに。
一酸化炭素中毒。テントの中で火器を使い酸素がなくなるとこうした事故が起こってしまいます。症状が重いと死に至ることも。なので基本的にはテント内で煮炊きはNGです。どうしてもやらざるを得ないときはベンチレーションやドアをしっかり開け、換気をおこないます。
山では普段の生活よりも強い紫外線を浴びることになるので、さまざまな対処をすべきです。キャップ・ハットで顔をカバーするべきですし、首元や腕も気をつけたいところ。汗で流れてしまうことがあるので日焼け止めをこまめに塗りましょう。それとサングラスがあると重宝します(雪渓歩きでは必須!!)。
シュラフに入るときにどんなウエアを着ているか。人によって差はあるでしょうが、暖かなものを着るということはほぼ一致しているようです。となるとシェルは不要。これはシュラフの上にかけ布団のようにしておくと良いでしょう。
多少なりともシュラフを結露から守れますし、保温力のわずかな足しになるかも。