岩礁歩きを楽しんで、海の幸をいただく。 三浦海岸駅の居酒屋「あやとり」で真っ白、月見しらす丼

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下山後に味わいたい粋なごはんを紹介するライター西野淑子さんの「下山メシのよろこび」。今回は、日差しが強くなりすぎないうちに登っておきたい三浦半島南部で海岸歩きを楽しみつつ、海の幸をいただく。


晩秋から春の初めによく訪れるのが三浦半島。

のんびりと歩ける低山があちこちにあり、常緑樹の樹林と真っ青な海の景色が両方楽しめるのが魅力だ。空気が澄んでいる時期だから岩礁歩きも楽しい。海岸から海を眺めれば、伊豆半島や房総半島、雪を冠った富士山が眺められて幸せな気持ちにひたれる。

三浦・岩礁の道

岩礁の道から城ヶ島まで歩くと約14kmほど。ルートは登山記録を参考にしてほしい
すくらっぷ・ブックの登山記録より)
岩礁の道から城ヶ島まで歩くと約14kmほど。
ルートは登山記録を参考にしてほしい
すくらっぷ・ブックの登山記録より)

 

三浦半島の岩礁歩きの起点となるのが、京浜急行久里浜線の三崎口駅と三浦海岸駅。どちらも海岸方面へ向かうバスの発着所となっているし、駅から歩いて向かうこともできる。

2月の終わり、岩礁歩きと河津桜のお花見を楽しんで、三浦海岸駅に戻ってきた。少し遅めのお昼ご飯、さて何を食べて帰ろうか。駅前には長屋状に店が並んでいる。そのうちのいくつかは居酒屋だがランチ営業をしている。海に近い町の居酒屋のランチ、おいしい魚料理が味わえそうだ。

店の前に看板、そして料理の写真がいい感じに並んでいる店に入った。店内はカウンターとテーブル席。カウンタ−の前ではご主人が手際良く料理を作り、お客さんに声をかけている。駅前のお店だからか、私と同じように写真に惹かれてか、次々にお客さんが入ってくる。

居酒屋あやとり

美味しそうな料理の写真が並ぶ看板。ご当地のまぐろを使ったメニューも並ぶ
美味しそうな料理の写真が並ぶ看板。
ご当地のまぐろを使ったメニューも並ぶ

まぐろのお刺身がメインの定食、まぐろ丼…、三浦だけにやっぱりまぐろ推し。まあそれはそうだろう。三浦半島、三崎のまぐろが美味しいのはよく知っている。でも今日、メニューを見て気になってしまったのは「釜あげしらす丼定食」。しらすとまぐろのハーフ丼もあったけど、ここはしらすでいってみよう。


最初にサラダと香の物が出てきた。旬の大根、しゃきしゃきとしてほんのり甘みがある。ドレッシングは控えめ。

居酒屋あやとりのお通し


ほどなくしらす丼が登場。真っ白いしらすの上に、きらきら輝くたまごの黄身が乗っている。シンプルに、素材の味で直球勝負な感じが潔い。まずはしらすとご飯をひとくち。ほんのり塩味、魚のうまみが広がる。混ぜてある海苔の風味もいい。醤油を少しかけたけど、しらすだけでよかったかもしれない。美味しくてニヤニヤ。

居酒屋あやとりの釜あげしらす丼

ランチメニューの釜あげしらす丼定食。香の物とみそ汁も付いて1080円(2021年3月現在)
ランチメニューの釜あげしらす丼定食。
香の物とみそ汁も付いて1080円(2021年3月現在)

半分くらい食べ進めたところでたまごの黄身を崩し、しらすと和えて食べる。黄身の濃厚な味わいとしらすの風味、うまみが合う。しらすが美味しいからたまごはなくていいんじゃないかと思ったけど、これもありだなあ。

夢中で食べ進めて、あっという間にごちそうさま。お店の名前は「居酒屋あやとり」。下調べもしないでふらっと入ってしまったけど、いいお店だったな。

帰りに改めて店頭の写真を見てみる。しらす丼も美味しかったけど、他の定食も美味しそうだ。今度はランチではない時間に、お酒目当てに来てもいいかもしれないな。美味しい魚料理をちょっとだけつまんで帰るのもよさそうだ。

居酒屋あやとり

京浜急行久里浜線三浦海岸駅の目の前。新鮮な素材を使ったメニューが揃う居酒屋。ランチはまぐろをはじめとする海鮮の定食が人気。

住所:神奈川県三浦市南下浦町上宮田3259 Google Map
電話:046-888-7772

※新型コロナウイルス感染予防対策の関係で、休業あるいは営業時間・形態等に変更がある場合があります。ホームページより最新情報をご確認のうえ、お出かけください。

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きから沢登り、雪山登山まで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

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