バランスクッション(2)足首の強化で捻挫予防|登山者のための肉体改造塾(12)

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もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。今回は、バランスクッションを使った捻挫予防のトレーニングを紹介。

文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ

【登山者のお悩み】

ザレ場やガレ場を歩くときに
足首をひねりそうで不安です。
捻挫を予防する
トレーニングはありますか?

ふくらはぎ周辺の筋力を向上させて、
でこぼこ道に対応できる
安定した足首をめざしましょう。

 

たかが捻挫と侮るなかれ。
捻挫が遭難事故になることも

捻挫は、軽度であっても山行スケジュールを狂わせます。中度~重度の捻挫で無理に自力下山を試みると後遺症が残ったり、転倒・滑落など二次的な事故を起こしたりする危険もあります。遭難事故を防ぐためにも日頃から筋トレを行ない、捻挫を予防しましょう。

捻挫予防の筋トレには
バランスクッションが最適

ザレ場・ガレ場を安全に歩くには、足運びや重心移動が重要です。起伏のある地面に合わせてフラットフッティングを行なえるよう、すねやふくらはぎ周辺の筋肉をバランスクッションで強化しましょう。家にない場合は、ふたつ折りにした座布団で代用できます。

 

【実践1】
足首の内反・外反トレーニング

登山中の捻挫の多くは、足の裏が内側に向く方向に足首をひねり、外側の靭帯を痛める「内反捻挫」です。これを予防するため、ふくらはぎの外側の筋肉(腓骨筋群)を強化するエクササイズを行ない、足首を安定させましょう。

いすやテーブルなどに手を添え、両足でバランスクッションに乗って真っすぐに立ちます。足の内側に重心をのせ、小指側を上げるように足首をひねります。2秒ほどキープしたら元の位置に戻り、10~30回程度繰り返します
足の外側に重心をのせ、足の裏を向き合わせるように、ゆっくりと足首をひねります。2秒キープして元に戻す、を10〜30回繰り返します

 

【実践2】
足首の底屈・背屈トレーニング

下山時には、つま先が下側を向く(底屈する)ため、登りに比べて足首が不安定な状態になります。このエクササイズを行ない、すねとふくらはぎの筋肉を強化して足首を安定させましょう。最初は両足から始め、慣れたら片足ずつ行ないましょう。

両足でバランスクッションに乗って真っすぐに立ちます。ゆっくりとつま先を持ち上げ、2秒キープしたらつま先を下ろします。10〜30回繰り返します

かかとをゆっくりと持ち上げ、2秒キープしたら元の位置へ戻ります。10~30回繰り返します

山と溪谷2023年8月号より転載)

プロフィール

芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)

よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。

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