スマートフォンでも撮れる! 美しい植物写真を残すための3つのコツ

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登山中に美しい花に出会い、撮影してみたものの、どうもうまく撮れない。そんな人のために、今回はスマートフォンのカメラで花を美しく撮るためのコツを伝授する。

 

 

スマートフォンで撮影した植物写真。一眼レフに優るとも劣らない! (左/チングルマ、右/イロハモモジ)


植物写真を撮るために、大きな一眼レフカメラ(ミラーレス)・マクロレンズを使って撮影しようとすると、デジタル化されて多少楽になったと言え、重く、大きく、撮影は難しい。しかし、そのぶん美しく撮ることはできる。

では、スマートフォン(以下、スマホ)のカメラで植物撮影ができないかというと、そんなことはない。スマホでも、とてもきれいに撮ることはできる。ただし、ある程度のコツは必要だ。そして、そのコツは一眼レフカメラとはちょっと違う。

ここではスマホで、美しい植物写真を撮るコツをいくつか書き出してみるので参考にしていただきたい。ただし、筆者はiPhoneを使っているので、使い方はiPhoneを中心になる。

スマホで撮影する最初のコツは、以下の3つだ。

  1. できるだけ被写体の花にスマホのレンズを寄せる。

  2. 花をよく見て撮影し、隅から隅まで画面を確認。

  3. 設定はいじらない。

それぞれについて、詳しく説明しておこう。

 

その1 できるだけ被写体の花に、スマホのレンズを寄せる

小さいとはいえ、スマホも基本的にカメラである。レンズが光を受け、受像素子がそれを画像に変換する。

スマホ(iPhone)のレンズは、一眼レフでいうところの広角レンズになる。広角レンズの特徴は、画面に広い範囲が写りこむこと。その分、少しでもレンズから離れると、小さくしか写せない。画面に花を大きく写しこもうとすると、なるべくレンズを被写体になる花に近づける必要がある。

また、ごちゃごちゃしたものが写りこまないように注意し、写りこんでいるようなら、スマホのレンズを花に近づけ、花以外はなるべく写さないようにする。花をできるだけ大きく写すと、花の美しさが際立つのだ。

花をできるだけ大きく写せば、花の美しさが際立つ(写真/サキシマフヨウ)

 

その2 隅から隅まで画面を確認

撮影する前に、まず汚れた花や、枯れた雄しべが無いか、花をよく見る。そしてそこにある花から、一番きれいな花を選択すること。一番いい花を見つけても、すぐに撮影するのではなく、その花をどこから撮るとよいのか、よく観察する。

人の顔もそうだが、花も正面から撮るよりも少し斜めから撮ったほうがきれいに見えることが多い。スマホで撮影するときは、撮影時から大きい画面で見ることができるので、細かく確認しながら撮影することができる。

画面の4辺もよく見よう。花や葉っぱが、画面の4辺で無残に切れていないかも確認する必要がある。

花をよく観察してから撮影しよう(写真/ハマベノギク)

 

その3 設定はいじらない

スマホでは、撮影時にいろいろ設定できる。しかし、スマホに慣れない間は、むしろ設定をいじらない方が、いい結果になることが多い。

それでもスマホで植物写真は撮れるが、不得意なシーンもある。花が遠かったり、風が強かったり、暗かったり、花が小さすぎるときだ。

こんな時は、無理しないで、あくまでスマホでの撮影は記録だけにとどめておくことにしよう。ただ、花に近寄り、花だけを入れることに注意を向け、撮影する。まずはここからだ。

花に近寄り、花だけを入れることに注意を向けて撮影しよう(写真/オオシマノジギク)

プロフィール

髙橋 修

自然・植物写真家。子どものころに『アーサーランサム全集(ツバメ号とアマゾン号など)』(岩波書店)を読んで自然観察に興味を持つ。中学入学のお祝いにニコンの双眼鏡を買ってもらい、野鳥観察にのめりこむ。大学卒業後は山岳専門旅行会社、海専門旅行会社を経て、フリーカメラマンとして活動。山岳写真から、植物写真に目覚め、植物写真家の木原浩氏に師事。植物だけでなく、世界史・文化・お土産・おいしいものまで幅広い知識を持つ。

⇒髙橋修さんのブログ『サラノキの森』

髙橋 修の「山に生きる花・植物たち」

山には美しい花が咲き、珍しい植物がたくさん生息しています。植物写真家の髙橋修さんが、気になった山の植物たちを、楽しいエピソードと共に紹介していきます。

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