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秀麗な雪化粧のマイナー峰「松葉川富士」

枝折山、国ノ木前山[四万十町]( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れ時々あられ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 高知自動車道四万十町東ICを降り、国道56号、県道323号を経由して県道19号を北上。
壱斗俵地区に入って最初に四万十川を渡る橋、四万十源流大橋に左折し、突き当たりの道路が直角に左に曲がる、その角の路肩に駐車。トイレは手前の源流大橋西袂にあり。
最寄りのバス停は「米奥小前」。

この登山記録の行程

登山口12:51・・・国ノ木前山14:07・・・枝折山14:47~15:11・・・林道16:21・・・登山口16:50

コース

総距離
約7.7km
累積標高差
上り約643m
下り約643m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

四万十町の旧窪川町域の東部、東又地区から遠望すると富士山型に見えるという松葉川地区(旧地区名)の国有林内の山、枝折山(シオリザン・806m)は、別称[松葉川富士]と呼ばれている。正式山名の由来は、一昔前まで山上に旅人の安全を見守る「枝折様」という祠があったため。

旅の安全を見守る必要があるほど、この山は交通の要衝にあった。現在の地形図にも山の西と東のそれぞれのピークに複数の破線が上がってきているが、昔はこの倍ほどの道があり、多くの人々が行き交っていた。
それだけに現在でも、展望の悪いマイナー峰でありながら、国ノ木前山(658.4m)経由の直通コースはヤブ一つなく、森林管理署(と思われる)がピンクのマーキングテープを山頂まで付けており、国ノ木前山の起点さえ間違わなければ、容易く登頂できる。

過去、一度も市販の登山ガイドブックに紹介されたことのないマイナー山に森林管理署がコースサインテープを付け、間違いやすい分岐に通せんぼテープまで付けているのがやや疑問だが、これは2010年初夏、枝折山西方の国有林内の一等三角点峰「城戸木森(908.4m)」で起きた遭難事故が影響しているのかも知れない。

城戸木森も枝折山と同様、展望が悪いマイナー峰で、市販本では拙著でしか紹介していないのだが、自然林が多いため、道標は完備されていた。しかし拙著の読者の一人が帰路、分岐で道を間違え、遭難したのである。関東や関西の都会の山とは違い、田舎の山の道標は往路に於いてのものしかないケースが多いため、帰路、道標を見落とすケースが少なくない。だから枝折山では道標がない代わりにテープを山頂まで付けているのかも知れない。

枝折山の植生は前述で触れたように植林が多いものの、真っ直ぐきれいに立ち並ぶ箇所やシダが下草となっている箇所、切通しのような箇所、雑木と混じっている箇所等あるため、さほど殺風景ではない。更に今の時期は国ノ木前山から先は積雪になっているため、雪景色も楽しめる。
展望は復路に待っている。復路も地形図に記載されているものの、国有林と民有林との境界から下は未整備で道も踏み跡程度。しかし二ヶ所、180度近い展望が広がる場所があり、一服の清涼剤となる。

登山時の注意点としては、僅か標高800m超の山でありながら、今の時期は登山口と山頂周辺との気温差が極端に大きい、ということ。登山口ではいい陽気だからと薄手のアウターやグローブで登ると山頂では凍えてしまう。当方は翌日になっても悪寒が治らなかった。

[コース]
地形図上での登山口は尾根の突端になっているため、墓地への階段を上って尾根に出て、そのまま尾根上を歩いて行ったが、数分以内に本来の登山道に出た。どうやら本来の登山口は尾根南側の民家沿いにある模様。しかし駐車場所からは遠回りになる。

地形図を見る限りではコースは急登が予想されたが、傾斜的には地形図で見るより緩く、勾配がきつくなる箇所は急カーブを描いて上がっており、かつての往還だけあり、登り易くなっている。
地形図の破線は国ノ木前山を通っていないが、国ノ木前山から東に伸びる尾根が登山道に最も接近する辺りで、前山の尾根に乗る。分岐にテープがあったかどうかは覚えていないが、右手上の樹林帯を見るとテープが見え隠れしている。前山の尾根は雑木が多いが、流石に勾配はきつくなる。

前山の山頂には猪のヌタ場があり、その横に三角点がある。
復路コースとの合流点から山頂までは地形図で見るよりも長く感じられる。地形図上の合流点は780mピークの北西部だが、現在のコースはそのピークが合流地になっていたような記憶がある(記憶違いかも)。

ほどなく作業車道をかすめた後、車道を横断して行く。この車道は幅員が狭いため、一般車両の通行は禁止されていることだろう。
雪もちらほら降っている。

枝折山山頂は北側に隙間程度の展望があるが、これは木材の切り出しの架線跡だろう。そこから吹き込む風に身体は凍える。
復路は方角を確認しないと別ルートを下る恐れがある。780mピークから少し南東に下った所に「境一九二」という国有林と民有林との「境界目出し標」が建っていたと思うが、ここで身体の向きのまま進むと南へ下ってしまう。そこでは左手の樹林の中を確認し、東方向へと下る道に建つ境界目出し標を探す。このコースが地形図の破線道である。コースは最初、去年12月に投稿した土佐清水市の九輪森の復路に近いほどの超急勾配で、転倒すると何十メートルも滑落しそう。

標高600m前後で境界道は破線コースから分かれる。境界道の方がしっかりしているように見えるかも知れないが、辿らない方が良い。それはそのルートは一旦桑の木谷に下りた後、再び対岸の尾根を上がり、往路へと出るからである。

境界道と分かれた破線コースは未整備の踏み跡となり、所々不明瞭になる。赤テープがたまに現れるが、尾根幅が広がる箇所はルートファインディングを慎重に。読図が苦手な方はこの復路を往路に利用し、ここで説明した往路を復路に利用すると良い。

最初の展望地は北側に開け、往路の国ノ木前山周辺から北東方向に展望が広がっている。
次の展望地は南側に開け、真正面の椎尾山から下る尾根が視界一杯に広がる。
麓が近づくと林道上の崖に出て、路盤崩落箇所上の木橋を渡る。
やがて林道に下り、川奥集落に到ると十字路を北に折れる。
県道に出るとまた北に折れ、米の川集落でバイパス道路に入るとまもなく駐車場所。

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装備・携行品

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