行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビで小津の「白山神社」を検索。白山神社の近くには「小津権現山登山口」の看板がいくつか立っていたので、白山神社の脇にあった駐車場に停めさせてもらった。が、あとで気が付いたが、そこは間違いで本当の登山口駐車場はもっと林道を登ったところにあった。久瀬小津公民館を目印に進むと分かりやすいとのこと。アスファルトで整備された綺麗な駐車場で10台以上は駐車可能。トイレはなし。
この登山記録の行程
白山神社脇駐車場(07:35)・・・小津権現登山口駐車場(07:59)・・・小津権現山(10:00)・・・モレ谷林道分岐・・・・花房山(11:52)・・・昼食(12:10~12:45)・・・モレ谷林道分岐・・・小津権現山(14:09)・・・小津権現登山口駐車場(15:28)・・・白山神社脇駐車場(15:52)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
前回、シャクナゲを求めての山に登って改めて思ったが、今年はやはり花の移り変わりが1,2週間は早い。まだまだ見たい花はいっぱいあるのに困ったものだ。という事で、今回は見たい花の中から優先的に「シロヤシオ」ツアーを決行することにした。
シロヤシオの可憐で白い花が、ブナの瑞々しい新緑に美しく際立つこのシーズン。以前、比良山系でそんな光景を見て以来、忘れられない。
比良山系か、鈴鹿山系かと行先を悩んだが、どうせなら行ったことのない山にしようと、「行きたいリスト」からシロヤシオのキーワードに合致する小津権現山を選定した。
小津権現は小津三山の主峰と呼ばれており、岐阜百山にも選定されている標高1,158mの山。山頂に白山権現社を祀る山であり、それが名前の由来になっているとか。今回は、小津権現山を登ったついでにもう一つの小津三山、花房山まで縦走してピストンで戻ってくる計画にした。少し前までは、花房山は深い藪で覆われていたようだが、草刈が行われ今は厳しい道ながら登山道は整備されているとのこと。
白山神社脇の駐車場に車を停めさせてもらい、歩き出す。田んぼの脇にあった登山口の矢印に沿って山に入る。杉林の中を登っていくが、いきなりの急斜面が出迎えてくれる。暫くすると尾根にぶつかり、今度は尾根に沿って登っていく。
身体も温まりエンジンがかかってきた頃に、木の隙間からガードレールが見えた。「えっ?」。せっかくの登山モードも、スイッチを入れた矢先に車道ではゲンナリするというもの。だが、よく見るとガードレールの先にはよく整備された駐車場があった。その端には「白山権現山」と書かれた門がある。なんと本当の登山口はここだったのか?!そういえばインターネットで調べた時に、この門の写真が載っていた。門の隣には、某アウトドアメーカーのトレードマークのような、大きな木彫りの熊が看板を持って立っていた。
看板には、山頂までの高低差を示したグラフが書かれていた。登山口から山頂にかけてグーっとカーブ線が延びている。どうやら本番も結構な急登のようだ。
門をくぐると、さっそくグラフの通り、急な登りが延々と続いている。ただ、先ほどまでの植生が異なり、ここから先は美しいブナ林が広がっている。木漏れ日が美しく、急登も苦にはならない。更に高度を上げていくとブナ林の中にシャクナゲが広がっていた。花は既に終わっていたが、どこを見渡してもシャクナゲの葉っぱ。シーズンであればさぞ綺麗に咲き誇ることだろう。
山頂手前の、1km程のところ。痩せ尾根に出たところで、真っ白な花が目に飛び込んできた。間違いない、シロヤシオだ。カメラを手に持ち駆け寄るが、あいにくの斜面で、写真を撮るには今一つ場所が悪い。が、一本見つけると次も次もと続いてくる。行く手を見ると何本ものシロヤシオが並んでいた。午前中の優しい光を受けて、透き通るような白い花が息を飲むほど美しい。うーん、これ!これが見たかった。
登山道に沿うように群生するシロヤシオを愛でつつ尾根を進む。一瞬、山頂かと思うようなピークが現れるが、これは一つ手前の前衛峰と呼ばれるピークで、山頂はその後ろに隠れている。その山頂から続いていると思われる綺麗な稜線のラインが右側に延びていて、その先に花房山が見える。綺麗な稜線を見て、早く歩きたいものだとモチベーションも上がる。しかし、その稜線が実は相当な曲者だったとは今は知る由もなし。
小津権現山の頂に到着。振り返って小津方面から花房山の方にかけて眺望が開けている。花房山の左奥にはまだ僅かに頂に積雪のある山が見える。能郷白山だ。また、更に奥には、余裕の白さを誇る白山も見える。写真を撮ってみるが、霞んでいてうまく写らなかった。本当であれば、御岳山や乗鞍岳も見えるらしいが、今日は目を凝らしてもどこにあるのか分からなかった。残念。
少し休憩をして、花房山へ向かう。
登山道に踏み込むが、いきなりロープが垂れ下がった急斜面にびっくり。草で滑り落ちそうになるのを注意しながら降りていく。もともと、濃い藪があったと聞いていたが、その痕跡は今も残っていて、かなり歩きにくい。特別、危険な場所はないが、全体的に登山道が識別しにくい場所が多く、気を抜くと迷いやすい。また、遠目から見ていた時には分からなかったが、思っていた以上にアップダウンが激しい。今日は気温も例年以上に上がるとの予報通り、暑さでバテそうになりながらアップダウンを繰り返す。
先ほど曲者と書いたが、あんなに綺麗に見えていた稜線も実際に立ってみると、笹に囲まれていて展望はほとんどない。ただ、けもの道のような登山道が続く一方で、藪だらけの時代からよくここまで整備されたものだと感心する。危ない箇所にはきちんとロープが設置されていて、これだけ長い距離を強烈な藪や笹と戦いながらの整備は並大抵ではなかったはず。整備された方々にひたすら感謝。
モレ谷林道分岐を超えて目の前にあったピークを目指す。これがゴールか!!!と思いたくなるが、実際の花房山は、緩やかに左へとカーブした稜線の先にとんがった形で待ち構えている。花房山と言う優しい名前に反して、急峻な山だ。でも、その分、山頂からの景色は、きつい思いをするだけの価値がある。能郷白山に手が届くかと思うほど、大きく近く見える。結構あちこち山を登っているが、能郷白山はまだ未踏。いつか積雪時に登ってみたいと思っている。能郷白山の勇姿をしっかり目に焼き付け、来た道を折り返す。
期待通りシロヤシオに癒されながら、小津三山のうち二座を踏破。実に満足の一日だった。
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