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‘04年に徳島県最大級の滝になった加州谷の滝

加州谷の滝( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 国道193号を北から西へと進み、三田バス停のY字路を左後方に折り返す。
一軒の民家先の道路標識がある三差路を間違って右折してしまう。二つ目の顕著な谷が中の谷で、橋の袂に駐車する。

この登山記録の行程

中の谷の橋袂15:04・・・中の谷に下りたり上がったりしながら上部の滝を往復・・・横道15:31・・・崩落の谷15:41・・・弘法大師石像16:11・・・道路16:16・・・下加州上の分岐16:37・・・滝天辺上の岩場から滝の見える場所へ、そして休止・・・加州谷上流の砂防ダム17:14・・・道路17:28・・・地域住民から聞き取りを行い、出発17:50過ぎ頃・・・中の谷の橋袂18:13

コース

総距離
約3.8km
累積標高差
上り約279m
下り約276m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

2004年夏に全国各地に猛威を振るった台風は、徳島県中部山渓、旧木沢村周辺の町や村にも大きな爪痕を残した。中でも旧木沢村掛盤加州の加州谷は大崩落を起こし、往還の人道橋や当時の国道の橋を押し流し、坂州木頭川に雪崩れ込んだ。が、加州谷沿いの木々が根こそぎ流されたことにより、加州谷の全貌が明らかになったのである。

そこには標高400数十メートルから国道(現、旧国道)下まで一気に落下する、落差100mを超える「加州谷の滝」(仮称)が姿を現したのである。そう、その台風後に造られた木沢トンネル南方から車で北上する際、前方斜面に何秒か見える滝である。

この滝が露わになったことにより、それまで徳島県一の滝とされてきたつるぎ町の鳴滝(85m)が「徳島県一」の座から陥落することになった。尤も旧木沢村には他にも100mを超える無名の滝があるとされる。

この滝の最下部は、台風で押し流された橋跡に架けられた仮設橋から見られるが、角度が悪く、滝の豪快さが感じられない。そこで滝の上部を探索すべく、廃村「下加州」に向かうことにした。

しかし途中で道を間違え、中の谷に行ってしまった。が、そこの橋から見るとここにも落差100m級の無名の滝が懸かっているように見える。折角なのでこの滝の天辺部に登った後、加州谷の滝の攻略を考えることにした。

[ルート]
中の谷に架かる橋の袂に駐車し、対岸の国土調査杭の所から登り始める。橋から望む限りでは巨大な滝に見えたものの、実際は急勾配の谷を激流が流れており、随所に小さな滝が懸かっていた。

所々で谷に下りてはまた岸を登る、ということを繰り返し、最上部の滝壺までは谷を遡行した。右岸寄りが登り易い。
再び左岸の植林帯の際を登り出すと、前方に砂防ダムが現れ、踏み跡は南西へと逸れていった。そしてすぐ、地形図に記載の横道に出て、ダム前を渡渉した。この横道は南方の道路に繋がっているものと思われるため、下加州に向かうには好都合。

この三田と名古ノ瀬や加州を結ぶ往還はきれいに残っているが、ほどなく、さきほど下流を車で通った谷に到達する。この谷も加州谷同様、’04年の台風で大崩落を起こしていた。当然、往還の痕跡もない。傾斜が急でザレて滑り易い涸れ沢のため、ここから引き返すか否かかなり迷ったものの、渡渉してみることにした。

少し岸を下った後、ザレた谷に飛び降り、滑落に気を付けながら対岸に渡る。渡った先は往還ルートよりも下方になるため、植林帯を適当に登ると国土調査テープが残る往還に出た。が、この辺りは薄い踏み跡程度になっており、国土調査のマーキングテープがないと往還跡は分かり辛い。それでも数十秒歩くと、明瞭な往還が復活する。

主要往還だけあり、途中、右手の岩の両側に弘法大師座像が祭られている。
ほどなく工事用重機が置かれた広場に出る。ここで一旦、往還はヤブ化するが、民家裏の道路下擁壁沿いの小径を歩き、その道路に上がる。

右折して左カーブを過ぎると、次の右カーブ部から南にさきほどの往還の続きが下っている。この往還もいくつか分岐が現れるが、極端な上りや下りの道は避け、極力平坦な道を選ぶ。しかし本来のコースは途中で前方左に下る道の方だったようである。

もうそろそろ廃村・下加州に着くはずと思っていると、左手下後方に廃屋が一軒見えた。下加州集落跡に間違いないだろう。横道から左後方に折り返す道も分岐していたことから、それを下って集落跡に出たが、ここから沢音が聞こえる加州谷に下る明確な道は見つからない。

そこで加州谷に合流する涸れ沢を少し下った後、右手のヤブに分け入り、歩き易そうなルートを選んでヤブ漕ぎしながら加州谷に下り立った。上流にはまた砂防ダムがある。谷は一定量の水流があるが、川床は簡単に下って行ける。

谷が左カーブを描いた先の下方に滝の天辺部が見えている。正面の坂州木頭川の対岸には、自然花木園の風車北方にある山が聳え立っている。
滝の天辺部にはザイルがないと行き難いが、そこから2mほど高い川床の崖には立つことができる。ここの高度計高度は440m。旧国道の仮設橋の高度は310m超。高度計の誤差を考慮しても、加州谷の滝の落差は確実に100mを超えている。

しかし何とか滝を斜めから見たいから、右岸の獣道か踏み跡か分からないようなものを登り、谷のすぐ南の尾根に立つことができた。ここからなら滝のメイン部が見える。
自治体は旧木沢村時代、村内の50以上の滝を調査しているが、なぜかここの滝は未調査。しかしなかなか形のいい滝である。

帰路は足場の悪い元来た道を引き返すのはやめ、国土調査テープのあるこの尾根を少し上がり、途中からそのマーキングテープを追って斜面の踏み跡に移った。
支流の沢の渡渉地手前には野生の猿がおり、木の上へするするっと上がっていった。
沢を横断すると踏み跡が不明瞭になったため、前述の砂防ダムの縁に下りることにした。最後は垂直なコンクリート壁になるので、灌木の枝に掴まりながら飛び降りた。ダムの上流にも小さな滝が懸かっている。

ダムの北縁から先は歩き易くなっており、廃村に一軒残る廃屋前に出て、そこから続く道を辿った。この道は道路に出るやや手前で往路の往還に繋がっていた。
後は2~3年前、福寿草が一斉に消えた西三子山や山中行場が忘れ去られた黒滝山を望みながら、道路を中の谷まで下っていった。

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