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朳差岳(足ノ松尾根登山口)2018/大石山手前で撤退

朳差岳( 東北)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

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行程・コース

天候

快晴(気温35度)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 奥胎内ヒュッテまで舗装道路。駐車場には50台以上駐車できる。奥胎内ヒュッテに車を置き、そこからは乗合タクシー(10人乗り)で足ノ松尾根登山口へ。

この登山記録の行程

足ノ松尾根登山口(5:47)・・姫子ノ峰(6:38)〈休憩7分〉・・滝見場(7:30)〈休憩5分〉・・水場分岐(8:18)・・イチジ峰(8:57)・・標高1400m大石山への最後の急登手前(9:05)・・〈休憩1時間5分〉撤退し下山・・滝見場(11:33)〈休憩20分〉・・姫子ノ峰(12:24)〈休憩20分〉・・足ノ松尾根登山口(13:28)・・水場で水を補給・・奥胎内ヒュッテ(14:15)

コース

総距離
約10.5km
累積標高差
上り約1,141m
下り約1,249m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 梅雨も明け,本格的な夏山シーズンが到来した。今年の夏山歩きの第一弾には朳差岳を選んだ。「えぶりさし」と読むそうだが,れっきとした飯豊連峰の一員である。標高は1636mとたいしたことはない。ただし,飯豊連峰はどのコースも稜線に出るまで厳しい登りが延々と続く。朳差岳ははたしてどうだろうか。

 午前1時に起床して家を出る。登山口である奥胎内ヒュッテまでは,3時間半を要する。関川村から先は初めての道なので,前日にカーナビをセットしておいた。胎内第二ダム,胎内第一ダムを過ぎて,4時半過ぎに奥胎内ヒュッテに着く。白壁と木を基調とした,しゃれた建物である。
 足ノ松登山口へは乗合タクシーで行くが,始発は5時半だという。待ち合い場所にはすでに十人を超える人が並んでいる。ヒュッテを覗くと中は暗く,不思議に思っていたら,電気工事のため二週間ほど臨時休業という貼り紙がしてあった。

 乗合タクシーは5時15分過ぎに到着し,第一陣が乗車して出発する。運良く第一陣に滑り込むことができた。足ノ松尾根登山口まで,最初は舗装道路を進む。右手にダムの湖水が見え,しばらく行くと土の林道に入る。でこぼこで頭を打ちそうになるが,短時間で登山道入口に着いた。

 第一陣の多くが登り始めた後,5時47分に出発する。ブナ林の平坦な道を百メートルほど進むと,目の前に急な登山道が見えてくる。木の根の露出した急登がしばらく続き,高温多湿で大量の汗をかく。
 周囲はブナからヒメコマツに変わり,やがて尾根に出るが,「下って登る」を数度繰り返し,これがけっこうこたえる。途中,岩場が二カ所あるが,それほど危険ではない。
 朝日が稜線上に顔を出し,日差しが強くなる中,6時38分に姫子ノ峰に到着した。ここから対岸に胆内尾根が見える。ここで7分程休憩したが,体力の消耗が激しい。

 ここからは足ノ松尾根で傾斜がやや緩む。しばらく行ってブナの林となり,再び登りに入る。身体が熱を帯びている。薄い長袖を脱ぎたくなるような暑さである。速乾性のメッシュの下着も役に立たない。
 滝見場には7時30分に着く。標準よりもいいペースで来ている。後から来た第二陣の若い登山者数名に追い抜かれたが,一ヶ月ぶりの山歩きとしては上出来である。

 5分程休み,歩き出すとすぐに英三ノ峰に着く。ここからは大石山が見える。ここからやや下って,またダラダラとした登りになり,登山道が湿ってくると水場の分岐点は近い。
 展望のないヒドノ峰を過ぎた辺りで,ペースが大分落ちてくる。休みを入れながら歩き続け,開けた稜線に出ると,大石山が正面に見えてくる。思ったよりも遠く,1時間ほどかかりそうな距離である。

 暑い日差しの中,右足の太腿に違和感を感じた。攣りそうな気配である。ゆっくりとしたペースで歩き,イチジ峰を過ぎて,標高1400mほどの小突起に着く直前,両足が攣った。小突起に登り,ザックを下ろして休むが回復しない。足を伸ばしたまま,回復を待つものの,状態は良くない。
 正面には大石山への最後の登りが間近に見える。正面左には鉾立峰が鋭角的に聳え,そこから深い山襞が谷に向かって抉れている。時計を見ると9時1分で,足が普通の状態ならば,30分ほどで稜線に乗り上げることができそうだ。そこから朳差岳までは1時間半ほどの稜線歩きである。
 ところが足の具合は一向に良くならない。登りになると痛みが出て,また攣りそうになる。1時間ほど回復を待ったが,状態は変わらないため,ここで撤退することにした。

 幸いなことに,下りでは痛みが出ない。10時6分に踵を返し,正面に二王子岳のどっしりした山容と,新潟の平野,そして日本海を見ながら下る。振り返ると飯豊連峰の雄大な稜線が,ぐるりと見回せる。名残惜しさを感じながら,11時33分に滝見場に着く。滝見場からの展望は,朝方よりもはるかに明瞭になり,滝もくっきりと見える。ここで20分ほど展望を楽しむ。
 12時24分に姫子ノ峰に到着し,ここで昼食を摂る。45分過ぎに姫子ノ峰を発ち,急な下りを耐えて,13時38分に登山口に戻った。

 乗合タクシーの姿は見えず,やむなく歩いて奥胆内ヒュッテに戻ることにした。林道には木陰が余りなく,日差しが強い。途中,水場があり,ここで冷たい水を飲んで生き返った。
 奥胆内ヒュッテには14時15分に着いた。当初の予定では,朳差岳まで往復し,乗合タクシーで戻って15時30分の見込みだったが,今日の感触では到着は17時頃になるだろう。

 今回の山行は反省点の多いものとなった。一週間仕事をして深夜の出発,片道3時間半の運転,35度を越える高温と湿度,水分補給の遅れ,時間的に無理な計画など,マイナス要因が重なった。後で考えると、両足が攣ったのは、明らかに熱中症の症状であった。途中撤退の判断は適切だったが、無理を押した計画は控えなければならない。60も半ば近くなるのだから,もう少しゆったりと山を楽しむことにしよう。

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