行程・コース
天候
登山口へのアクセス
この登山記録の行程
三合目(09:35)・・・九合目坪場・・・苗場山神社・・・苗場山(12:00)[休憩 30分]・・・苗場山神社・・・九合目坪場・・・三合目(14:15)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
日本百名山の一つ、苗場山へ。
東京からは祓川コースが一般的だが、折角なので登山後に秋山郷の小赤沢温泉に入ろうと考え、今回は小赤沢コースを選択。
前日に新潟県の六日町に前泊したが、そこからでも登山口まで2時間かかるというアクセスの悪さ。
国道が整備される前は、冬は外界と途絶され、飢饉で集落が全滅することもあったとか。
その国道といっても車1台ぐらいの幅しかない区間が多く、秘境感溢れる山の中を進んで、ようやく登山口駐車場に到着。
アクセスの悪さからか、行楽日和にもかかわらず駐車場にはだいぶ余裕があった。
しかし、駐車場にはトイレが設置されていて、出発場所としては不足ない。
準備を整えて、いざ出発。
駐車場からすぐに3合目の標識があり、標準タイムで登り3時間半、下り3時間とのこと。
気軽な日帰り登山が可能である。
最初は緩やかな樹林帯の中を進んでいく。
今週末は秋の爽やかな空気に包まれて、とにかく歩いていて気持ちがよい。
この調子なら楽に山頂に行けるかと思いきや、徐々に岩が多くなり、傾斜もきつくなってくる。
所どころ鎖場も見られるようになり、息が上がり、風もなくなったので汗が噴き出してくる。
(鎖場といっても、鎖に頼らずとも上り下りできるぐらいの傾斜なので、気を付ければ危険な箇所ではない)
基本的にこのルートは頂上に近づけば近づくほど傾斜が辛くなってくるので、ペース配分には気を付けられたい。
樹木がなくなって視界が開けてくると、いよいよ頂上の湿原帯かと期待が高まる。
最後の階段を抜けると、目の前には期待通りの光景が広がっていた。
心地よい風が草を静かにゆらし、湿原の向こうには山々が佇んでいる。
聞こえるのは風になびく草の音と、小鳥のさえずりのみ。
まさに天上の楽園という光景である。
早速ここで休憩したい気分になったが、地図上では頂上付近はさらに広い湿原が広がっているようなので足を進めることにする。
再び樹林帯に入り、少し歩くとまた視界が開け、湿原の光景に戻る。
数字にすると700ヘクタールということだが、とにかく広い。
しかも尾瀬のように山に囲まれている湿原ではなく、湿原が山頂にあるので、他の湿原よりも開放感が全然違う。
一般的な知名度は(少なくとも関東では)まったくない山だが、こんな素晴らしい光景が見られる山を知ることができて、登山をやっていて良かったとしみじみ感じた。
山荘の奥に頂上があり、頂上は眺望がなかったが、湿原全体の眺望が良いのであまり問題ではない。
湿原のエリアは木道が整備されていて、ゆったりと散歩気分で散策できる。
折角なので、反対側の祓川コースに入るところまで行ってみたが、こちらもよい景色であった。
一通り歩いてから、景色を独り占めできる場所を選んで、昼食をとる。
とにかく気持ちのよい気候で、このまま翌日の会社をさぼって泊まりたいぐらいである。
しばらく頭を空っぽにして風景を眺めていたが、東側から雲が徐々に迫って曇り気味になってきた。
体の疲れも癒え、よい頃合いだったので下山することにした。
下山は同じ道なのであまり書くことはないが、濡れている岩は結構滑りやすかったので、下山時は特に注意が必要だと感じた。
3合目駐車場に到着した時刻はちょうど暑い時間帯で結構汗をかいてしまったので、自然と温泉に気持ちが向く。
電波が届かずナビを利用できなかったが、標識があるのでそれをもとに進み、30分程度で小赤沢温泉の楽養館に到着。
建物は古風な木造で味がある。
浴室に入ると、写真通りの赤い湯で、源泉掛け流しの本格的な温泉である。
顔を湯で洗ったところ、唇に付いた湯が舌に触れただけで、鉄粉をなめたのかと思うぐらい鉄分が強い。
温度は比較的ぬるめで長風呂ができ、ゆっくりと登山の疲れを癒すことができた。
苗場山は一般的には知名度は高くはないが、山頂の湿原は素晴らしいに一言につき、百名山に相応しい山だと感じた。
余裕があれば、日本の秘境100選である秋山郷の観光も兼ねて訪れるとさらに楽しめると思う。
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