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知られざる野坂山地の魅力を紹介 庄部谷山から野坂隠れコース(勝手に提唱 敦賀トレイル番外編)

庄部谷山、芦谷山、茶屋谷山、野坂山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 国道27号線から県道213号に入り、美浜町の渓流の里(新庄)方面へ。
ひたすら道を真っすぐに行くと「森と暮らすどんぐり倶楽部」という喫茶店?がある。さらにそこから数百M行くと、ガードレールが切れたところに右手側に車が3台ほど駐車できるスペースが見えるので、そこに駐車。未舗装。登山口の看板もトイレもないので、見落とさないように注意。

この登山記録の行程

新庄側登山口(06:39)・・・一つ目の鉄塔(07:02)・・・二つ目の鉄塔・・・庄部谷山(08:24)・・・芦谷山(10:05)・・・茶屋谷山(10:50)・・・野坂山(11:38)・・・沢合流(12:42)・・・看板・林道終点(12:50)・・・野坂憩いの森(14:05)

コース

総距離
約18.1km
累積標高差
上り約1,697m
下り約1,597m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

何度か書いているが、野坂山と言えば敦賀三山の一つとして、休日ともなれば遠方からも多くの人が訪れるとても名の知れた山だ。だが、一般的には正面(どこをもって正面と言うかは微妙だが)の憩いの森コース以外はあまり知られていない。しかし、本当の野坂の魅力は実はその裏側にあると思う。滋賀県の赤坂山まで繋がる野坂山地は、信じられないくらい自然が豊富で、山と山を結ぶ縦走ルートにはとても綺麗なブナ林が広がっていて、とっておきの散策コースとなっている。
赤坂山~野坂山のピストンは以前にも何度か紹介したことがあるので、今日は別な角度から野坂山地の知られざる魅力を紹介したい。ただ、興味を持って頂いた方へ。自然が豊富=山が深く迷いやすい場所につき、藪こぎ等に慣れた方同伴か、地図やGPSの装備は万全にしてTRYください。

まずは今回の出発地点を美浜町は新庄の庄部谷山にセットする。庄部谷山と言ってもピンとくる人は少ないと思う。それ程マイナーな山だが、実はここが超おすすめ。おすすめを連呼しているが、静かに森林浴をしたい時にはこれほど適した場所はないと思うほど、隠れ家的な良い山だ。
以前、庄部谷山を紹介した際の文章を借りれば、そもそも庄部谷山の登山ルートは、鉄塔の点検のためにあるので、登山口の案内看板もなければ、駐車場も分かりにくい。駐車場と言っても、どんぐり倶楽部という喫茶店?を過ぎて数百m先の右側にあるただの空き地。登山口は、その駐車場からさらに50mほど進んだ先の左側にある。
庄部谷山へは、いきなり急登から始まる。少し登ると緩やかになるかと思えば、尾根を登り切るまではずーっと急登なので、それなりに気合を入れて登った方が良い。一つ目、二つ目の鉄塔を過ぎると、少し水平移動になる。この先に迷いやすい場所が一か所ある。ついというか必ずと言うか、今回も同じところで間違えてしまった。本当は尾根に登らなければいけないのに、登りの道(階段)が見えにくく、それに対して真っすぐに延びている道があり、そちらの方がはっきりしているので、つい真っすぐに進んでしまう。もし、沢の音が聞こえたらミスルートなので要注意。
最後の急登を登り切ると小さな沢が流れている広い空間に出る。ここから先は、ブナ林の美しい緩やかな縦走コースとなる。とても広い空間で、自由にブナ林の間を気ままに歩けるのが、ここの魅力。ただし、広すぎて方向感覚を失いやすいので、地図やGPSは必ず持って行った方が良い。イメージ的には左へ左へとピークを繋いで歩いていくとよい。
庄部谷山の山頂には、手書きの看板が木にぶら下がっている。なんとも手作り感がいい。ここで折り返すと7km。ちょっとした散策には程よい距離になっている。しかし、今日はこのまま野坂山までを突っ切ることにする。ただし、ここから先は山が更に深くなり踏み跡も減り難易度が一つ上がるので、道を誤らないよう慎重に進む必要がある。
樹木の間から、進むべき次のピークを目印にして歩いていく。多少、藪もあるが、危険な場所はない。軽いアップダウンを繰り返しながら進んでいくと、再び広いブナ林に出る。そこは野坂山から三国山・赤坂山へと続く縦走路。縦走路と言っても、これまでと同様にはっきりした登山道はないが、野坂山から三国山・赤坂山間は、測量用の三角点が短い間隔で均等に設置されているので、それを目印に歩けば迷うことはない。この縦走路に広がるブナ林もおすすめの場所だ。
芦谷山(標高866m)を過ぎて茶屋谷山(標高727m)に入る。ここから先は、藪や草がお生い茂った箇所が増え、特に草木が育つ真夏は道が見えにくく歩きにくい場所になる。
知らないと本当に抜けられるのかと不安になるが、我慢して草をかき分け歩いていくと、大きな大きな倒木がある場所に着く。いつまで朽ち果てずあるかは分からないが。。。それが目に入れば、もう間もなくして野坂山の裏側を巡る山(荒谷)コースに合流する。山(荒谷)コースは黒河川沿いにある「山」と言う部落につながるコースで、正面の野坂憩いの森から登るメインルートに比べ圧倒的に利用者も少ないが、それでも比較的整備されているので歩きやすい。鉄塔の下をくぐり野坂の尾根の一つを登っていく。いつもは下りに使うことが多いので、登りの風景が結構新鮮に目に映る。
野坂の山頂に到着。2グループほど先客があり、広場で休憩されていた。今日は空気が澄んでいてとても眺望がよく、琵琶湖方面も綺麗に見渡せた。

息を整えて、下山モードに入る。改めて今日のテーマは「知らぜざる野坂山地の魅力を堪能」。症部谷山から野坂山までをつなぐルートも十分珍しいと思うが、せっかくここまで来たならとことん珍しいルートで降りようと思う。野坂山と言えばさっきも書いた通り野坂憩いの森コースが有名で、その他には山(荒谷)コースが知られている。逆に言うと、知られているのはこの2コースという事になるが、実は他にも登山道はある。もちろん、憩いの森コースの冬道というアレンジを除いて。
二ノ岳付近から降る変わり松コースもお勧めだが、それは以前、紹介したことがあるので、今回は三ノ岳付近から野坂山を真横に降る隠れコースを使うことにする。個人的には野坂山の失われた登山道と呼んでいる。
三ノ岳付近まで降り、目に入った尾根に向けて無造作に左に入っていく。登山道の分岐など、もちろんない。ほとんど感覚的に曲がる。最初は緩やかな斜面だが少し進むと急に斜面がきつくなる。時折、けもの道のような登山道がかろうじて見えるが、正直、尾根をしっかり確認して降りる方が無難。変わり松コースが廃れたのには急斜面という理由があると考えているが、そういう意味ではこちらのコースは更に角度がキツイ。ずり落ちないように注意しながら降りていく。しばらく降りると少し平坦な場所になる。安心するのもつかの間、痩せ尾根になり今まで以上に急降下していく。誰が整備したのか、ボロボロになったロープが数か所張られている。そんなロープでもつかまないと尻もちを搗きそうな急斜面だ。
なんとか下まで降りると沢に合流する。暑い真夏でも豊富な水量が保たれている。ブナ林が豊富な証拠だろう。岩にまたがって、顔を洗い、両手で水をすくってごくごくと飲む。
やっと降りてきたが、まだまだ気が抜けない。ここから先、どうやって進むのか?と不安になるくらい道がはっきりしていない。が、実は沢沿いの右側斜面にかすかに踏み跡がある。足がかりがある程度なので、しっかりと踏みしめて歩かないと、あっという間に沢まで滑落してしまうので、藪こぎ等山歩きに慣れていないとかなり危ないと思う。ただし、幸いなことに沢沿いの道はさほど長くはない。看板が見えたらもう安心。割と整った林道にぶつかる。この林道は、野坂憩いの森へ向かう道が喫茶店「野坂茶屋」の手前で分岐したもので、一部舗装された部分もあり全体的にしっかりしているので、4WDの車高のある車であれば看板がある終点まで入ってくることも可能だ。しかし、歩くとなると、これがまた飽きる程長い。山歩きなら何kmでも歩く自信があるが、林道となるととたんにテンションが下がる。それでも、見上げるとここはホントに野坂か?!と思うような見慣れない深い山に囲まれた風景がとても新鮮で、たまにはこんな散策もいいかと思う。
野坂山はとても懐の広い山で、正面のルートの往復だけではあまり気が付かないが、実は貴重で珍しい花も多く、四季を通して目を楽しませてくれる素敵な場所だ。以前、「山」方面から山頂に向けて藪こぎ&直登した時に、棘に阻まれ前にも後ろにも勧めなくなり激しく後悔したこともあったので、危険なことはお勧めしないが、それぞれが自分のスキルの範囲で、散策の範囲を広げて野坂の魅力をもっと知ってもらえたらと思う。

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みんなのコメント

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  • われらの野坂山、まだまだ何かを隠しもっていそうですね。岩籠の方面にも行けるのですか?

  • 黒河川もその恩恵だし、石割大岩地蔵とかモリアオガエルの生息地とかね。
    岩籠へは山コースは直球なので、憩いの森コース〜野坂山〜三国山〜乗鞍〜岩籠〜布掛山で、コの字を書くなんてどう?

  • 三国山から野坂山
    歩いてみたいコースです
    以前のレポートの見事な紅葉を思い出します

  • Kuronekoさん、お久しぶりです。もうそろそろ、藪で隠れていた登山道もはっきり浮き出てくると思います。秋の紅葉も本当にいいので、ぜひ散策してみてください。自分も秋ごろには、比良の方にも顔を出したいと思います。 :)

登った山

野坂岳

野坂岳

913m

よく似たコース

野坂岳 福井県

敦賀富士ともよばれる信仰の山

最適日数
日帰り
コースタイプ
縦走
歩行時間
3時間55分
難易度
コース定数
19
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