行程・コース
天候
曇りのち晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
高知道・南国IC~国道195号~別府峡第一駐車場
この登山記録の行程
【登り別府峡ルート】別府峡第一駐車場(06:45)…別府峡吊り橋(06:50)…百間滝分岐(07:10)…鞍部道標(07:30)…竜頭谷出合(07:35)…稜線1183m(08:27)…稜線1472m(09:20)…西峰(09:50)…捨身嶽(10:00)…石立山山頂(10:50)…【下り日和田ルート】下山開始(11:40)…分岐道標(12:12)…避難小屋(12:20)…日和田登山口(13:44)…195号沿い登山口(13:55)…【デポ自転車で別府峡へ】別府峡第一駐車場(14:36) ※全行程休憩時間も含めて
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
2018年10月20日、石立山に行ってきました。
大雨や台風の影響等々で登山口までの道路や登山道が荒れており、
石立山は長らく入山禁止になっているとの噂が。
そこで、事前に『香美市物部支所』と『高知中部森林管理署』に、
石立山入山の可否について問い合わせ。
結果は可!
石立山の別府峡側登山口、錦帯橋に以前あった
入山禁止の看板は現在は撤去済み。
登山道は荒れているところもあるが、今は入山OK!
だたし、「入山可だが荒れているので無理はせず、十分に注意してください。」とも。
また、「直近で大雨とかあると状況が変わるので、
その場合は再度問い合わせてください。」とも。
車で別府峡駐車場に向かう道路は、
国道195号との分岐点に「この先通行止」の看板は出ているものの、
別府峡第一駐車場までの道は陥没・崩落等は無く、
別府峡第一駐車場(のもう少し先)までは進入可。
と、現時点で問題はない事が確認できたので、四国一厳しい山、
石立山に挑戦することに。
アクセスは、高知道を南国ICで降り国道195号で別府峡へ。
剣山系、439に代表されるような
周囲の400番台の酷道…いや国道とは違います。
工事中で交互交通になっている所は何カ所かありましたが、
さすが100番台国道!ずっと2車線で快適。
今回は、
① 別府峡ルートで登頂
② 日和田ルートで下山
③ 日和田にデポした自転車で別府峡駐車場へ
といった行程で石立山に。
「3つの行程別」+「その他情報」で記録します。
写真の頭に付けてある番号も、行程に従っていますのでご参考に。
【 ① 別府峡ルートで登頂 】
別府峡に向かう前に、まず国道195号線沿いの日和田登山口に自転車をデポ。
別府峡ルートピストンで予定だが、
一応、保険でルートを変えられるよう自転車をデポ。
(結果的には、デポした自転車を使いました。)
別府峡ルートの率直な感想…ずっと”登ってる”感じです。
所々、緩やかな所はありますが、基本、ずっと登り続けます。
別府峡第一駐車場から、竜頭山と石立山の一部が見える…
下から見上げたら…うん、壁でしょ、あれ。
縦じゃが…斜めじゃないし…「登ったらいけんやつ」じゃ… ̄□ ̄;
まぁ、行きましょう。まずは錦帯橋を渡ります。
登山口一歩目から竜頭山の鞍部道標までは、急登をつづら折りで一気。
問い合わせで回答いただいた通り、本当に道はかなり荒れていました。
道幅は狭く、しかも荒れているためにルートは所々ぼんやり。
ザレ場で同じ様な景色が続くと、
ついつい踏み跡っぽい所を頼りに進んでしまいますが、
それで気がついた時にはルートを外していた事が2度。
気がついても急登な上に足場がザレていて不安定…戻るに戻れず、
先に見えるルートへの復帰を目指した方がまだ安全ぽかったので、
足下に注意しながら進み、なんとかルート復帰。
とにかくルートを外すと足場がもろく、ひどく不安定です。
ルートを外すというのはやはり危険…
赤いテープをじっくり探しながらでも、
ルートを外さないように気をつけてください。
竜頭山の鞍部道標まで来れば、もう少しだけ登って、
その後はやや急な下りを降り、竜頭谷へ。
小さな渓流を渡ります。
普段は水量が少ないらしく、
ルートにそって行けば足をぬらすことなく飛び石で徒渉可。
この日も大丈夫でした。
徒渉後はいよいよ石立山稜線部を登っていきます。急登です。
まず稜線部へ出る道。竜頭谷を渡ってすぐですが、
この道がまたはっきりしません。
ザレ場でどこを見ても同じ様な状態。時々立ち止まってルートを探します。
これ、下りでここ来たら本当に道に迷ってしまいそうな気が…
他の方の記録で、『午前中に山頂に着かなかったら、石立山は下山の判断を!』
とありましたが、確かにここを薄暗くなってから下るとなると、
「急」「ルートがわかりにくい」「道が崩れやすい」など、
いろんな怖さを感じます。下山時、特にここは明るい内に通りたい。
やがて谷部を登り切ると、いよいよ稜線に出て岩場が続きます。
ここまで来ると、さっきまでわかりにくかったルートが逆にはっきりします。
…稜線部で、両端は落ち込んでますから、道は、もうそこにしかありません!^^;
他の山なら鎖なりロープなりのありそうな急な所も、
そんなものはありません。(ごくごく一部に、ロープがありました)
三点支持で安全を確保し、確実に登ります。確かに危険ですし、しんどい山です。
でも、自分で足場とルートを決めながら登っていく楽しさもあります。
そうやって岩場を登り切り、少し緩やかな箇所を時々挟みつつ、
ナイフリッジとまでは言わないまでも両方が斜面の狭い稜線部歩き、
岩場、岩場、急登道、岩場、やせ尾根、岩場…と、
飽きることなく!?チャレンジングなルートで頂上を目指せますよ(汗
急登で見えているピークは本当のピークではなく、
「あそこまで登ったら山頂が見えるかな」と思って頑張っても、
次に見えてくるピーク(らしきもの)も、やはり偽ピーク。
キリがない…スマホのGPS機能で地図を見ると、
予想はついていましたが、まだ半分^^;
さすが、四国一厳しい山。挑戦のしがいがあります。
そんなことを何度か繰り返しながら、頑張って西峰につくと、
ようやく石立山山頂部と、表紙画像に選んだ『捨身獄』が。
正確には捨身『嶽』なのでしょうか。
でも道標が『獄』なので、『捨身獄』とここでは記載しておきましょう。
獄の方が石立山感…厳しい感がありますし^^;
せっかくなので、捨身獄に。荷物を置いて、体一つで向かいます。
足場を確認しながら慎重に足を運べば、
単純に道としては難しいことはありませんが、
高度感が半端なく、平衡感覚がおかしくなりそうです…(汗)
崖下までスパッと切り立っていますし、
狭く足場のもろそうな所も所々あります。
捨身獄に向かわれるときはくれぐれも注意!
滑落すればタダでは済まない、まさに”捨身”であることは、
一目見れば分かると思います。
捨身獄からもどり、いよいよ石立山山頂へ。
狭く厳しく急な登山道とは逆に、山頂部は思いのほか広く平らです。
周囲の山より少し高いので、周囲の見晴らしは確かにいいです。
でも山頂部が広すぎ!?て、
山頂らしい景観がもう少し、といった感じです。
やっときた!といった達成感もありますが、
ただ…なんかいまいち!?感動にひたれません。
開けた、先に続く稜線の美しさはここにはありません。
ほこらはあるけど、石鎚山に見られる様な威厳も…うぅ~ん…。
達成感よりも鹿の食害や立ち枯れ白化など厳しい現実を見て、
心はちょっと冷めた感じです。
自然保護とか植生の回復とか、いろいろ考えてしまいます。
本当に、鹿の食害・立木の白化など、荒れが目立ちます。
当日は、北東側は雲がかかっていて残念な事に剣山方向がよく見えませんでした。
しばらくすると部分的には雲がはれてきて、白髪山や高ノ瀬と思える山は見えました。
もう少し晴れて遠方が見通せるようになれば、三嶺や天狗塚も見えそうです。
高知湾側に目を向けるとこちらは遠方まで快晴で、
高知側の山々とその先に太平洋が見えます。
そういった点では、とても清々しかったです。
少し休憩をして下山開始。そこでルートをどうするか悩みました。
もともとは別府峡ルートピストンのつもりだったのですが、
初めての石立山だったので、日和田ルートにも興味があります。
それに別府峡ルートの厳しさも下山では気になるところ。
そして厳しいと言われる山の、別ルートはどうなのか…
日和田ルート登山口に自転車を念のためデポしており、
下山後の移動手段は確保してあるので、
せっかくですから、コンパスでルート変更をして、
下山は日和田ルートでいってみることにしました。
【 ② 日和田ルートで下山 】
午前中は曇り気味だった天候が回復し、日の当たる側の斜面でもあるため、
そして遠方の見晴らしもいいので、日和田ルートは随分明るい雰囲気。
ただ、別府峡ルートに負けないぐらいの急登!
岩場はこちらが少なかったですが、急さなら負けていません。
自分としては、登るなら日和田ルートの方が厳しいんじゃないか、と思えました。
これ、登りは相当しんどいよ…と。
(最後の【その他】で、その辺の事を記録してありますので、よろしければそちらも)
途中、別府峡に向かう別ルートとの分岐がありました。
ロープが張ってあったので、通れないのかな…
でも道幅半分ぐらい張ってあって、半分は開いてるんですよ。
禁止ともなんとも書いてはないので…どうなんでしょう。
情報があれば、知りたいところです。
さて、日和田ルートを続けてずっと下っていくと、
やがて植林の中を下るようになります。
植林部からは道幅も狭く、急斜面をつづら折りで下っていきます。
途中、一度植林部を抜けますが、また植林の中を下っていきます。
ルートの途中にある「水場」を過ぎると、
道はつづら折りではなくなりますが、依然道幅は狭いままです。
傾斜は幾分緩やかになりますが、小さいなりにでも渓谷脇を通るので
道幅は狭いのに高さがある箇所があります。
滑落に注意です。
しかし、このあたりは道は確かに狭く険しく厳しいのですが、
所々木で法面を補強してあったり、
崩れている所には橋が架けてあったりと、
手はよく入っている印象です。
植林で使われるのでしょうが、登山者にとってもありがい事で、感謝です。
これで再度植林部を抜ければ、ようやく日和田登山口に到着。
ここは作業路(林道?)になります。
実はここに車2台分ぐらいのスペースがあります。
しかし、大型作業車の転回場所につき駐車禁止となっています。
自転車なら端によせて置かせてもらえそうですが、
まず地元の方に迷惑をかける行為は、登山者として避けたいところ。
「国道195号線沿いの」日和田登山口は、さらにもう少し下った先です。
本来の登山道がこの近くにあるのでしょうが、
自分は舗装路を下って国道195号に出ました。
ちょうど四つ足峠トンネル徳島側入り口前にでます。
そこから国道195号線沿いにもう100mほど下っていくと
国道195号沿いの日和田登山口に着きます。
最初に記録したように、自分はこちら側の道路脇、通行のじゃまにならないよう、
道沿いから2mほど奥に入ったところに、自転車をデポしておきました。
【 ③ 日和田にデポした自転車で別府峡駐車場へ 】
国道195号線、日和田登山口から約800mほど、
四つ足峠トンネル途中までは、まず上りです。
特に最初の100m、四つ足峠トンネル入り口までは立ちこぎです。
が、しんどいのはここまで。
あと約700m、トンネル内途中まで更に上りは続きますが、
ここは座ってこいでも加速してしまうぐらいの緩やかな上りです。
ひょっとして、目の錯覚で実は緩やかな下りなのかも…と思えるぐらい。
この後、別府峡駐車場手前に一部緩やかな上りはありますが、
トンネル途中までの上り坂を上りきったら、後は約4km、
別府峡第一駐車場まで、基本軽快な下り道です。
(暖かい時期なら)気持ちいいですよ!
行程グラフ、トンネルの所は参考にしないでください!!
グラフで言えば、横軸8Km~10Kmの間にある小さなお山のところ。
グラフではここは一気に200m上り下りする急登になっていますが、
これは『その位置の山を、歩いて越えた場合』がグラフ化されています。
トンネル内を通過なので、当然、実際の山の傾斜(グラフ)と違います。
トンネルを抜けると、下りの傾斜は更に急になります。
スピードが出やすい上に、カーブも急なのでとばしすぎに注意です。
特に対向車には気をつけましょう。
対向にはみ出した自転車が車と正面衝突なんて、しゃれになりません^^;
また、この道の逆を自転車でいくのは、行程のほとんどが上りとなるので、地獄です。
なので、下山口を変える場合のルート選びは慎重に。
ただし、先述の様に日和田側は駐車スペースに苦労しそうです。
近くの民家さんにお願いすれば、
日和田下山口の転回スペースに駐車させてもらえるという情報もありますが、
広い駐車場のある別府峡側がやはりメインとなるのかな、と思います。
途中で国道195号から別府峡への道に入り、
いよいよ別府峡駐車場が近づいてきます。
第二駐車場前・橋の所で、かわいい熊のオブジェが2体お出迎え。
でも登山者的には、熊さんとの出合いは微妙です…^^;
知人にその写真を見せたら、「このサイズの熊なら勝てる!」と言ってました。
立ち会い!?で気合いを見せつければ、熊の方が戦意を消失するのだとか…
ホントか!?^^;
【 その他 】
石立山は、ここにしかない貴重な植生をもった、魅力的な山です。
しかし、誰でもが気軽に入山できる山でもありません。
別府峡ルート、日和田ルート、どちらも急登で、
四国一厳しい山の異名は、伊達ではありません。
こんな良い時期に、わりと有名な山なのに、
登り始めから駐車場に戻るまで、
登山者・観光客・渓流釣り師…誰にも会いませんでした。
今回、駐車場に戻ってみたら車が1台増えていましたが、
自分の車以外はその1台のみ。
別府峡ルートでピストンしていれば車の方に出会ったかもしれませんが…
おそらく、それだけでしょう。
別府峡ルートは、山頂までわりと携帯電波が通じていたように思います。
日和田ルートは、気がつくと途中から登山口まで、電波が届かない状態にありました。
(By DOCOMO)
入山者が少なく、ルートは急。もし怪我をして動けなくなっても、
特に日和田ルート側は電波が届かず、連絡手段がなければ、
しばらく(下手をすると数日)誰にも気がついてもらえないかもしれません。
別府峡ルートは岩場が多く、単独ならまだしも、複数で登ったり、
他に先行する登山者がいたりした場合は、
落石に備えてヘルメットがあった方がいいと思います。
行程グラフで見ると別府峡ルートの方が急で、それは客観的には事実です。
でも、「ルート上に点在する岩場を三点支持で登る別府峡ルート」は、
登るのに一時的でも『手の補助』がつきます。
に対して、多少岩場はありますが「道が主の日和田ルート」は、
ポールを使うにしても『足で』登り続けます。
道でも岩場でも基本は足ですが、
一時的にでも三点支持の手の補助はがあることは、
やはり足にはありがたい。
登るスタイルの違いから、感覚として、
自分は別府峡ルートよりもの日和田ルートの方が
傾斜として(登るのは)厳しく感じました。
そこは人によって変わってくる所だと思います。
岩場が苦にならないのであれば、別府峡ルートを。
急登でも登り続けられる健脚さんならば、日和田ルートを。
どちらのルートを選択するかは、
ご自分の得意な登山スタイルに応じて選択したらいいでしょう。
自分がもう一度行くなら、下山時の岩場のリスクを考えても
おそらく、別府峡ルートピストンを選択すると思います。
もっとも、日和田ルートは駐車場の問題があるので、
実質メインは別府峡ルートとなるでしょうか。
いずれにしても、どちらのルートを選んでも、
単独の山としては『四国一厳しい山』です。
正直、この山は一人だと何かあったとき本当に怖いな、と思いました。
もし単独で登られるのであれば(複数でも同じですが…)、
登山届け(※注)を出しておくのは当然。
それなりの体力・経験も必要。
そして装備・体調を万全に、
万が一に備えて周囲の知人にも行き先を知らせておき、
時間のゆとりをもって臨みたいですね。
他の山でも当たり前の事ですが、
特に石立山ではちゃんとしておきたいものです。
でも、備えを万全に挑むのであれば、登り甲斐のあるお山です!
※注
別府峡の赤い橋・錦帯橋の所に、白い登山届け提出BOXがあります。
7枚目の写真、よく見てもらえればBOXが橋の入り口にあるのがわかります。
(用紙は置いてないとか…ご利用時は自分で準備を)
しかし緊急時の即時性から、WEB上コンパスで届けを出しておく事をお薦めします。
フォトギャラリー:75枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | ヘッドランプ | タオル |
帽子 | グローブ | 着替え | 地図 | コンパス | ノート・筆記用具 |
腕時計 | 登山計画書(控え) | ナイフ | 修理用具 | 健康保険証 | ホイッスル |
医療品 | 虫除け | 熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 |
テーピングテープ | トレッキングポール | ||||
【その他】 スマホ モバイルバッテリー |
みんなのコメント