行程・コース
天候
晴れ〜曇り〜晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
登山口には数台駐車可。
この登山記録の行程
硯石登山口(9:09)・・・慰霊碑(10:51)・・・【休憩10分】・・・カエル岩(11:20)・・・山頂(12:01)【休憩45分】(12:46)・・・【休憩5分】・・・硯石登山口(14:35)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
初冬の不忘山に初めて登った。初冬独特の青空に映える白い稜線を見たかったのである。
三連休最後のこの日は快晴である。釜房ダムから見る蔵王連峰は白く輝いている。遠刈田を抜け,七日原から見る屏風岳は,うっすらと雪をまとい,岩壁が浮き出て見える。凄い迫力である。
白石スキー場への分岐点を過ぎ,硯石に下るところで不忘山を見る。青い牧草地帯の向こうに,稜線の輪郭がわずかに白くなった不忘山がそびえる。
硯石の登山口には8時45分に着く。南側一帯が大規模に伐採されている。不忘山には十数回登っているが,硯石から登るのは初めてである。
9時9分に出発する。登山道には5cm程度,雪が積もっている。周囲はミズナラの二次林で,どの木も幹が細い。登山道の傾斜はゆるやかだが,雪の下には枯れ葉がうまっていて歩きにくい。
いつの間にか杉の植林地帯に入り,傾斜がきつくなってくると,周囲はミズナラと杉の混交林に変わる。それまで晴れていた空には,雲がかかるようになった。
30分ほどで道はジグザグになり,雪が深くなる。しばらくすると道は直線になって、登山道の雪は十数センチにもなった。風が強くなったので,ここでヤッケを羽織る。
ミズナラの森にブナやダケカンバ,アオモリトドマツが混じるようになると,標高は1000mを越える。ここまでで1時間半が経過している。見通しのない道を黙々と歩いてきたが,空は暗くなり,風もいっそう強まっている。
10時50分,小さなガレ場に出る。右手の奥に小さな黒い柱が見える。近寄ってみると,墜落死したB29の乗務員11名の慰霊碑だった。もっと上にも慰霊碑があったと記憶しているが,墜落したB29は2機だったのだろうか。ここで手を合わせる。
何度か小さなガレ場を過ぎて,広い砂礫地に出る。大部分は雪におおわれ,周囲に広がるのは寒々とした風景だ。晴れていれば、ここから不忘山山頂が遠くに見えるはずだが,今日はガスでまったく展望がない。ときおりガスが流れて東に位置する川原子ダムが確認できるものの,すぐに隠れてしまう。
ガレ場には目印になる黄色のペンキマークや杭があって,道をはずすことはない。それでも今日は多少の不安を覚えるほどの天気に変わった。ガスや風で体感温度は極度に低下している。先ほどすれ違った単独の男性によると,山頂部は風が強く,展望もないという。
ここで戻ろうかとも考えたが,時間は十分にある。白石スキー場からの道を合わせた分岐点を目指して歩き始めた。歩き始めてしばらくすると,ガスが流れて南側の稜線が浮かび上がってきた。その先には,飯豊連峰だろうか,遠くの山並みもうっすらと確認できる。
そのうち不忘山方面のガスも飛んで青空が顔を出した。一気にテンションが上がる。それほど遠くないところにカエル岩が見える。分岐点まではもうすぐである。右手には青麻山も確認できる。
天気は劇的に変わった。ガスが流れ,霧氷の稜線の先に不忘山山頂が見える。目を凝らすと山頂付近の人影も確認できる。右手には水引入道や後烏帽子山も姿を現した。
青空の下,12時1分に山頂に着く。目の前には南屏風岳,その先に屏風岳が見える。南屏風岳の左には朝日連峰,その左手には米沢盆地の先に飯豊連峰,さらに左には吾妻連峰も見える。山頂は風も止んで,暖かな日差しにあふれていた。
雄大な初冬の景色を十分に堪能して,12時46分に下山を開始する。下りの景色も見事だ。青麻山,遠刈田温泉,川原子ダム,そして緑の原のあちこちに集落が見える。
慰霊碑からは右に進んで硯石コースに入る。午前中のガスが嘘のように晴れ,すばらしい眺望の中を下る。葉の落ちた森の中に,白く登山道が伸びている。
数カ所のガレ場を通り,ミズナラの森に入って急な下りをどんどん進む。杉の植林地帯になると,登山口はもうすぐである。
14時35分,登山口に着く。登山道の雪はだいぶ溶けていた。
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