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西寒峰・安徳帝祖谷入り潜幸コース

西寒峰(三好市東祖谷)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 三好市東祖谷小島で小島トンネルを東に抜け、二つの橋を渡った先の変形四差路では北東へ上がる道路を選ぶ。
最初の目ぼしい三叉路では道路標識を見て、佐野の方へ右折する。
標高780mほどの三叉路では、左手の標識の文字が消えかかっているが、小島林道へ左折。
以後、民家のない山中で地図にはない三叉路がある。ここも右手の標識が倒れて分かり難いのだが、左折する。
第二小島川に接近する尾根を横断する箇所(標高1160m)は峠風の三叉路(右に分かれる林道にはゲート)になっているが、そこの広場に駐車する。

この登山記録の行程

駐車広場11:58・・・岩崖マーク西の支尾根取付き部12:43・・・寒峰峠で休止13:25~13:48・・・西寒峰で休止14:31~15:39・・・寒峰峠16:01・・・支尾根取付き部16:33・・・駐車広場17:00

コース

総距離
約4.5km
累積標高差
上り約488m
下り約488m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

[安徳帝が祖谷入りした寒峰峠小島林道コース]
寒峰の南、標高1495mの寒峰峠は、昨日の犬山の登山記録で触れたように、文治元年(1185)大晦日、安徳帝一行が祖谷入りする際、四方(よつほ)峠を経由して登って越えた峠である。しかし登山や峠のガイドブックでは、峠から北側の峠道について触れているものが殆どないため、道の存続を確認する意味もあり、小島林道側から登った。

寒峰峠を挟んで寒峰(1604.6m)と対峙する独標点1518mの山が通称・西寒峰である。山頂からの展望は寒峰ほどではないにしても、西は阿佐尻山からトギ、三方山、東はミツコバ山、天狗塚、西熊山、三嶺へと有名峰並みのパノラマが広がる。
植生の特徴としては、登山口と山頂周辺にシソ科のテンニンソウの群落があり、途中、何ヶ所かにキンポウゲ科のシコクブシが咲いている。道沿いに植林はない。
登路は支尾根取付き部まで急登が続く。

[コース]
本来の峠道の登山口は駐車広場側の三叉路付近だが、そこから南は鹿除けネットが張り巡らされた植樹帯で中に入ることができない。中を覗いても藪の密林と化している。
どこかに作業歩道でもないかと探していると、三叉路のやや南に踏み跡らしきものがあった。しかしこれもすぐ藪の中に消えていた。辺りはテンニンソウの大群落の藪である。

しばらく歩き易い箇所はないものかと探していたのだが、藪が薄くなっている箇所はなかったため、仕方なくネット沿いを腰までのテンニンソウの藪をかき分けながら登って行った。
ネットの端まで来て、樹林の中に入ると尾根沿いに踏み跡があった。間違いなくこれが寒峰峠の峠道である。右手下には椎等の高木もある。

沢に接近する手前に赤テープがあり、ここから左に急角度に折れる。この赤テープを付けた登山者は、小島林道から沢を遡行して、この樹林帯へと登って来たのだろうか。
以後、ザレた急傾斜の斜面をジグザグを繰り返しながら登って行く。各所に赤テープが付けられているから、前半部については迷うことはないだろう。

谷沿いを上がっていた峠道は、やがて南西へと斜面をトラバースして行く。
ふと上を見上げると、地形図に岩崖マークとして記載されている、東西に長い岩盤が目に入る。この岩崖マークのやや西で峠道は支尾根に取付く。高度計高度は1375mになっている。
ここから少し尾根上を歩くが、樹林帯にも拘わらず、藪化している箇所はない。年にここを歩く者は数えるほどしかいないと思うのだが。

尾根幅が広がってくると、道は尾根を逸れ、南へと向きを変える。尾根を逸れて数分も行けば、道は急に細くなり、所々不明瞭になるが、折れた枯れ木の倒木のトンネルを潜る箇所もある。
峠の北方位の沢だったと思うが、ここは往路・復路共、一瞬、ルートを見失った。沢を横断する箇所は、過去の度重なる出水等で踏み跡が消えかかっていることが多いのである。
それでも殆どロスタイムはなく、正規のルートに戻る。

寒峰峠は開けた明るい広場になっている。峠の手前左手の平地は大師堂跡である。かつて毎月20日と21日の祭日には、麓の住民が列をなして参拝し、峠で踊りも行っていたという。
峠の南には、先週投稿した鬼ケ岩屋の小さい方の割れ目のような岩の裂け目がある。割れ目や裂け目があれば通ってみたい性分である。

この岩の南で道は二手に分かれる。明瞭な道は西寒峰の稜線に並行して下っているが、西寒峰へはここから尾根に乗る。と、言ってもすぐ目の前のピークは東側を巻く。
そのピークを巻き終えると、今度は二重山稜になっている。森林管理署の境界標柱は東側の尾根に打たれているのだが、ルートは二つの尾根の間の平地部分である。

二重山稜の南端まで来て西側の尾根を見ると、岩に張り付いたもの等、複数の大木が立っている。
進路上には岩が立ちはだかっているが、岩の西を巻いて急勾配の尾根を下りる。
下り立った平坦な箇所にもテンニンソウの群落があったのではないかと思うが、シコクブシも咲いている。この花は四国の高山では比較的よく見かける。高知県のマイナー山の最高峰・中東山(1684.6m)のジル沢谷コースにも群落があったように記憶している。

この平坦な尾根は、地形図では真っ直ぐに伸びているが、実際は途中で左に曲がって樹林帯を抜け出し、湿地跡の広場に下りる。ここからは目の前の西寒峰が視界一杯に広がっている。この広場にもシコクブシが咲いている。
この湿地跡に下りる手前には「寒峰へ」、逆の西寒峰への上り口には「下山方面」という大きな看板が設置されているが、これは'93年に開催された第48回国体山岳競技の際、整備されたものだろう。しかし看板から西寒峰山頂への登山道は廃道に近い状態のため、競技時は山頂を通らなかったのだろう。

登山道が消えているとは言え、藪はなく、山頂は指呼の距離であるため、適当に上り易い斜面を選んで登って行く。
高木がなくなった地点で後ろを振り返ると寒峰の雄姿が見える。
最高所は山上の東寄りのこんもりとした土盛りがある所だが、森林管理署に於ける測量上の山頂はその西の215番の境界目出し標が立つ箇所である。この目出し標は天辺に十字の刻印があるから、かつては図根点として使用されていた可能性がある。

展望所は東端にある。そこからは前述のように犬山を始めとした祖谷の山々から三嶺山系を一望できる。こんなに優れた展望を誇る山が、分県登山ガイドの寒峰の項に記載されてないことは、残念な限りである。とは言え、だからこそ山頂を独り占めできるのだが。
帰路は急傾斜の北東側を意識して下れば、迷うことなく湿地跡に戻ることができる。

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