行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
城里町を目指す。鶏足山は、富士ヶ平コース、ファミリーコース、健脚コース等いつくかの登山コースがある。富士ヶ平コースの登山口駐車場はトイレも完備。今回、富士ヶ平コースの駐車場を目指すも、途中の看板(裏登山口)に誘われて林道に入り込んでしまいスタート地点は適当。
この登山記録の行程
林道空き地(09:31)・・・変形十字路(09:49)・・・富士ヶ平山(赤沢富士)(09:54)・・・鶏足山駐車場(10:02)・・・弛み峠(10:30)・・・焼森山(10:37)・・・妖精の森・ミツマタ群生地(11:26)(休憩~12:03)・・・雷神穴(12:14)・・・鶏足山・山頂(12:37)(昼食~12:50)・・・見晴台(13:04)・・・鶏石(13:14)・・・鶏足山・山頂・・・ぐしヶ峰・・・大沢峠登口(13:50)・・・林道空き地(14:26)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
鶏足山(けいそくさん)。名前からきっと空から見下ろすと尾根が鶏の足のように見えるに違いない。でも、低山ばかりの茨城で、昔の人がどうやって鳥瞰的な視点で立体的な地形を観察することができたのだろうか。なぜなら鶏足山は、標高430.5mとは言え城里町最高峰の山だから、他に高い場所はないはず、、、と考えるとちょっと不思議だ。
以前から鶏足山は登山リストに名を連ねていたが、これまでタイミングを見計らっていた。そして今回、ようやくタイミングが合致し実行へと移す。正確に言いうと一週間ほど前がベストだったのだが、まだなんとか間に合うだろうと期待して車を走らせる。何に間に合うかが、今日のミッションのお楽しみ。
久しぶりに城里町へとやってきた。登山口を探しながら走っていると、「鶏足山」と書かれた看板があったので、急ブレーキを掛けながら看板の方へと右折する。曲がった瞬間から車幅1台分の砂利道となる。ここでオカシイと気づけばよかったが、なにせ看板があったため、とりえず進んでみる。しかし、どんなに登っても一向に駐車場らしいものは見えてこない。「ほんと大丈夫か?」と不安になった時に、幸い一人の登山者に出会った。挨拶をして聞いてみると、「ここは登山口じゃないよ」とのこと。やっぱりそうか。「でも、林道を上まで登っていけば登山道に合流するよ」と教えて頂いたので、今更戻って駐車場を探すより登ってしまった方が早いと思い、林道脇の空き地に車を停めて、登山道の合流地点までその方とご一緒させて頂く。
林道を登りきると、峠のところで林道が登山道とクロスしていた。変形十字路と呼ばれる場所だ。登山道の一方は鶏足山。反対側のもう一方は富士ヶ平山(別名「赤沢富士」)へと続いている。いきなり鶏足山だと味気ないので、まずは富士ヶ平山へと進む。
意気込んで入るものの、峠から富士ヶ平山の山頂へは一瞬で到着。登ってきたばかりだが、そのままの勢いでそのまま下山ルートを降る。降り切ると立派な駐車場が見えた。本来、探していた登山口の駐車場だ。
そこから林道に沿いながら、今度は焼森山を目指す。勾配の無いのどかな林道を進むと、ほどなくして登山道へとたどり着く。やっと登山らしくなるが、そもそも低山なので、あっという間に峠に到着。弛み峠と呼ばれる場所で、焼森山と鶏足山の間に位置する。左手へと折れて、アップダウンの少ない稜線を歩きながら焼森山を目指す。
焼森山へ到着。景観が素晴らしく、360度見渡すことが出来た。ウエザーニュースが伝えていた黄砂の影響か、霞んで遠くが見えなかったが思っていた以上の景観に大満足だった。鶏足山ばかり気にしていたが、「焼森山」なかなか良い山ではないか。
山頂から鶏足山方面へと進み、途中から谷へと降っていく。ズンズン降っていくと、林道に合流。少し進むとお目当てのものが目に飛び込んできた。これぞ今日のミッション「妖精の森でミツマタを堪能」で探していたもの。
それは2m程の木が群生していて、それぞれの細い枝の先には黄色い綿帽子のような丸い花が無数についている。「ミツマタ」だ。
枝が三つに分かれてその先に花がつく。枝が三つに分かれることからその名前がついている。また、別れた枝はさらに1年かけて三つに分岐する。つまり枝分かれの数を数えて行くとその木の年齢がわかる。ミツマタの皮は和紙の原料にもなり、紙幣にも使われていることでも名前が知られている。
個人的にミツマタというと鈴鹿山系のイメージが強いが、この鶏足山には「妖精の森」と呼ばれる名所があると聞いていたので、兼ねてから一度見たいと思っていた。
本来であれば、3月下旬が見ごろで、それを過ぎると徐々に黄色い花が白っぽく変化してしまうが、まだなんとか間に合うだろうかとやってきた。結果、林道脇の斜面に自制しているミツマタの群生には予想通り白っぽいものも目立つが、華やかな黄色い花も残っていて十分美しい。だが、実は本番はこれから。
この林道脇でも見ごたえはあるが、目的の妖精の森はもう少し下ったところにある。妖精の森と銘打たれたエリアには観光化されていて200円が必要だが、溢れんばかりのミツマタの群生があり、例え1,000円払ってもお釣りがくる程の価値がある。
林道を降っていくと仮設テントにおじさんが座っていて森の説明をしていた。テント脇から散策コースが延びていて、群生地を周遊できるようになっている。
一旦、テントを通り過ぎて、その先にある駐車場まで降りる。観光者向けの駐車場になっていて、仮設トイレも設置されている。団子のような串に刺さったこんにゃくが販売されていたので思わず購入。1本200円也。雰囲気だけでも楽しめればいいと一口かじったら、これが実にうまい。今日は当たりの日かも知れない。もう一本欲しくなったが、ここは我慢して、妖精の森へと戻る。テントのおじさんにお金を支払い小道へと進む。少し斜面を登って右に折れると、突然、道の両脇にいっぱいのミツマタの群生が出現する。まるでミツマタのトンネルを進むよう。いや、道の両脇だけと思ったら、谷の両斜面一杯にミツマタの群生が絨毯のように広がっている。写真で知ってはいたが、その光景は圧巻だ。森全体が甘い香りが包まれていて、ミツマタのトンネルの中から見上げると、ミツマタの黄色いボール状の花が、無数にまるで空に浮かんでいるかのように見える。その間を縫って妖精が飛び交う、そんな幻想も見えてきそうだ。なるほど、「妖精の森」とネーミングするだけのことはある。
小道は20~30分程度で森を一周してしまうが、速足で歩くにはもったいないので、出来る限り目に焼き付けようと、ゆっくりと巡る。3月末のベストな時期であれば、もっと黄色一面の風景を見ることが出来たに違いない。
名残惜しいが、まだ山歩きも残っているので、登山に復帰することにする。少し戻ったところに、雷神穴というポイントがありそこから山頂へ直登するルートをとる。ところが、雷神穴を過ぎたところの登山道に、二本の木の枝が横向きに置かれていた。進入禁止の封印だ。地図上では確かにルートがあるが、土砂崩れでもあったのだろうか。一瞬考えたが、藪漕ぎを趣味としているので、荒れた道でも気にはしない。仮に危険であれば戻るなり、適当にルートを探すなりすればいいので先に進むことにした。途中まではきちんと整備されていたが、倒木が道を塞いでいる場所が数か所あったりと徐々に心もとない道へと変わっていき、そしてついには道も消滅してしまった。踏み跡がかすかに残っているので、それを見分けながら登っていく。途中で学生さんと思わしき若い登山グループに出会った。挨拶をしたら「ただいま、道に迷っています!」とのこと。声が元気だったので、心底は困っていないのだろうと、「道が荒れているから気をつけてね」と言って先に進ませてもらう。地図上では正面の斜面を直登することになっているが、藪漕ぎで登るには少し面倒な斜度だったので、横の方に迂回することにする。同じ考えの人がいたようで、踏み跡もそちらに延びていた。トレースするように登っていと予想通り苦労せずに登り切ることができた。ふと、学生さんたちが着いてきている気配がない。中には登山らしくないスタイルの人も混じっていたが大丈夫か?!。心配になりもう一度戻ってみると、先ほどとあまり変わらない場所で直登を試みようとしていたので、「こっちから登った方がいい!」と道を教えてあげた。
着いてくるのを確認し、再び斜面を登り登山を再開。まもなく鶏足山の山頂は、登山道に合流したと思ったらすぐに到着することができた。
山頂では2つのグループが昼食をとっていたので、自分も腰を下ろして食事タイムとする。黄砂の濃度が上がったのか、山頂からの眺望は霞んで見えなかった。
一人のおばさんに、この先の「見晴台」が絶景だよと教えられたので、食事を終えていってみることにする。痩せ尾根を進んでいくと、いきなり視界が広がり眺望の良い場所に飛び出た。周囲に樹がないので、山頂よりも景色が良い。
見晴台を少し下ったところに鶏石があると看板に書かれていたので、これもついでに降ってみる。鶏足山には弘法大師にまつわる伝説が残っていてそれに関係する護摩焚石も鶏石の手前にあった。
鶏足山の山頂に戻り。今度は大沢峠へと降っていく。長く緩やかな降り。ただ、よく整備されているので歩きやすい。どんどん降っていくと大沢峠で舗装された林道に合流した。
あとは林道をてくてくと降り、道を回り込むように、車を停めた林道まで歩くだけ。イレギュラーなルートで歩き始めてしまったが、結果、ぐるりといろんなコースを堪能できた。いろんな角度から山を楽しむことができて結果的にラッキーだった。
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