丹沢ロングトレイル2019@甲相国境尾根縦走
大室山、加入道山、水晶沢ノ頭、シャガクチ丸、バン木の頭、モロクボ沢ノ頭、大界木山、城ヶ尾山、中ノ丸、ブナ沢ノ頭、菰釣山、ブナの丸、油沢ノ頭、樅ノ木沢ノ頭、西沢ノ頭、石保土山、大棚ノ頭、高指山( 関東)
パーティ: 1人 (みや さん )
大室山、加入道山、水晶沢ノ頭、シャガクチ丸、バン木の頭、モロクボ沢ノ頭、大界木山、城ヶ尾山、中ノ丸、ブナ沢ノ頭、菰釣山、ブナの丸、油沢ノ頭、樅ノ木沢ノ頭、西沢ノ頭、石保土山、大棚ノ頭、高指山( 関東)
パーティ: 1人 (みや さん )
1日目:曇りのち晴れ、2日目:晴れ、3日目:晴れのち雷雨
バス
その他:
往路:新松田駅→西丹沢ビジターセンターバス停
復路:山中湖平野バス停→旭日丘バス停→御殿場駅
【1日目】
西丹沢自然教室(08:45)・・・ツツジ新道入口(08:52)・・・用木沢出合(09:12)[休憩 15分]・・・犬越路(11:14)[休憩 49分]・・・西の肩(14:17)[休憩 18分]・・・前大室(馬場峠)(15:44)[休憩 4分]・・・加入道山(16:03)
【2日目】
加入道山(06:27)・・・道志温泉分岐(06:41)・・・白石峠(06:46)[休憩 4分]・・・水晶沢ノ頭(07:07)[休憩 3分]・・・バン木ノ頭(08:09)[休憩 1分]・・・モロクボ沢ノ頭(08:40)[休憩 15分]・・・大界木山(09:49)[休憩 3分]・・・浦安峠分岐(10:04)・・・城ヶ尾峠(10:21)[休憩 19分]・・・広場(13:05)[休憩 15分]・・・菰釣山避難小屋(14:09)
【3日目】
菰釣山避難小屋(04:45)・・・菰釣山(05:09)[休憩 5分]・・・石保土山(西ノ丸)(07:11)[休憩 6分]・・・大棚ノ頭(07:54)[休憩 6分]・・・富士岬平(08:49)[休憩 5分]・・・高指山(09:11)[休憩 6分]・・・県道出合(10:04)・・・平野(10:20)
年明けに白石峠から犬越路まで縦走した際に出会った方が「山中湖の平野から来た」といっていたのが気になり、今回の山行を思いついた。
最初は平成31年4月30日に出発し、令和元年5月2日に平野に到着する元号を跨ぐ山旅を考えたが、天候を見て期日を変更。最終日に綺麗な富士山が見られそうな5月2日に西丹沢ビジターセンターから出発、5月4日に山中湖平野に到着することで出発した。
このルートは道迷いの可能性がある箇所はわずかしかなく、最初から最後まで比較的整備された登山道を行くコースだが、用木沢から犬越路に上がった後は給水場所がないため、2日間の行動に必要な水をどうするかが課題だった。
飲み水として1日1L程度は必要で、調理等(お湯割り作成含む)にも1Lと、1日あたり2Lが最低量となる。現地までの重量を減らすため2Lは自宅から持っていったが、新松田の駅前で別途、2Lの水とポカリスウェット2本を購入、ザックの重量は22kgを越えた。
新松田のバス停ではけっこうな人数がバス待ちしていたが、7時20分、30分と続くため、20分のバスは全員が着席した状態で出発した。丹沢湖の手前から玄倉方面に曲がるあたりで山を見ると雲が低い。
西丹沢に到着し、大室山の方を見ると完全に雲に包まれている。ザックも重すぎるし、今日はやめて帰ろうかなと出発前のいつものメンタル。
用木沢出合から渓谷沿いを歩き始めると新緑がまぶしい。ここを過ぎたら、こんな瑞々しい場所とはしばらくお別れになるのかと考えた。
清流に別れを告げて犬越路へ向かうガレた涸れ沢を登っていく。前後に人影はなかったが、1度だけ大型ザックを背負った学生らしい集団とすれ違った。神ノ川でテン泊し、降りてきたそうだ。
犬越路の避難小屋に到着し、避難小屋日誌を眺める。令和になってからの記載がなかったので記載した。小屋の中で食事をしていると大粒の雨が降り出してきたが、ノンビリ食事をしている内に小やみになったので出発した。
大室山への登りを歩き始めると雨はまもなく降り止んだ。霧の中を歩くが目の前の山頂が見えないため、どのくらい歩いたか実感できないのがもどかしく感じた。至る所でマメザクラが咲いている。徐々に霧が薄くなってくると、大室山の西の肩が見えて来た。ザックが重い。
西の肩で休憩している内に薄日が差してきた。ここからは大きな登りがないので気が楽だ。破風口、前大室を通過する頃にはすっかり晴れていた。
加入道山山頂間で来ると、左のちょっと下ったところが今夜泊まる避難小屋だ。まだ誰もいなかった。
小屋の中でシュラフなどの荷物を広げていると、男性二人組がやって来た。彼らも今晩泊まると言うことなので挨拶を交わした。日誌を見ると、令和に入ってからの宿泊者はなく、第1号をゲットできたことに感動した。
4時過ぎくらいからお互い食事の支度を始めるが、二人組のザックの中から様々な食材や酒が次々出てくる。今回は山頂での鍋がメインの山行だそうだ。
こちらも初日なので味付けして冷凍してきた牛ロース角切りを焼きながら、オクラを湯がく。鍋組から椎茸を頂いたので、肉汁を絡めながら焼いて食べた。肉厚の良い椎茸だった。
日が傾いてきた頃に外へ出ると、明るい内はもやっていて見えなかった富士山が綺麗なシルエットを見せていた。明後日にはあの麓まで行くのかと思うと重いザックのことを忘れてモチベーションが上がってくる。
その後、小屋の中であれこれ話しながら飲んでいたが、20時くらいにはお開きになって寝た。
小屋に着いた時は少々寒かったが、男性3人が眠る避難小屋は思った以上に暖かかった。
翌朝、目覚ましはかけなかったが、4時半に目覚めた。天気は良さそうだ。富士山もモルゲンロートに赤く燃えている。5時頃、大倉から夜通し走ってきたという人が小屋にやって来てシュラフを出して仮眠。1時間程の休憩で出発していった。
食事を済ませ、今日は畦ヶ丸まで行くという二人に別れを告げて出発した。
小屋を出てからすぐに道志への分岐付近で対面から歩いてきた人と出会った。この時間だとどこから来たのだろう。
白石峠、水晶沢ノ頭、シャガクチ丸、バン木ノ頭と通過し、モロクボ沢ノ頭に到着、畦ヶ丸と菰釣山方面からやってくる人が増えてきた。
これまでのコースはこまめに道標があるので、地図を見なくとも現在位置の把握が容易だったが、ここから菰釣山方向は道標の数が急に少なくなった。
日が昇ってくると、昨日とは打って変わって暑くなってきた。そのため、1本目のペットボトルを飲み干してしまい、2本目を開けた。今朝の出発時は、節約すれば菰釣の避難小屋手前から水場に下らなくても良いかと考えたが、明日も同様の天気だった場合、水が足らなくなると思った。
モロクボから先にある恋路峠はキレット状にヤセ尾根になっており、崩れやすいので注意が必要。特に20kgも背負っているので、バランスを崩したら命取りだ。
大界木山、城ヶ尾峠、城ヶ尾山、中ノ丸と右手の樹間に時折覗く富士山を眺めながら進む。
菰釣避難小屋手前のブナ沢ノ頭の道標は標高からも実際の山頂ではなく、その先の少し上がった所が標高からも本来のブナ沢ノ頭だと考える。
ブナ沢ノ頭を過ぎてブナ沢乗越に到着した。ネットの写真では、右手にある道志の森への分岐付近に水場の手作り標識があったが見当たらない。
ここを下った1060m付近と、その先の980m付近に水場があるらしいが、前回、白石峠で水場を発見できなかった事を考えると、ここを往復1時間かけてなかった場合、道志の森キャンプ場まで行く必要がある。そのため当初はザックをデポしてサブザックと水タンクのみで往復しようと考えていたものの、長時間、ザックを放置しているのも不安なため、フル装備のままで行くことを決断した。
高度計を見ながらガレた涸れ沢であるブナ沢の中を下って行く。1060m付近はまだ完全なガレ場で水が出ている様子はない。
結局1000mでブナ沢に合流。沢水を飲んでみたが嫌な味はなく、ゴクゴク行けた。やはり白ザレの山から出る水は旨い。
プラティパス2Lとペットボトル2本の計3Lを汲んで、ブナ沢乗越まで戻った。これで水ノ心配はなくなった。
菰釣山避難小屋に着くと窓が開いていて人の気配がした。中に入ると既に3名の先着者がいた。
甲相国境尾根を縦走しようとする場合、必然的にここに宿泊する必要が出てくることから、今回は小屋に入りきれなかった場合を考えてツェルトを持参してきたが使わずに済んだ。
最終的に6名が宿泊したが、床に5名、棚に1名が寝た。
コーヒーを飲みながら水場の話をすると、2名が水を汲みに行った。1名は釣り人だったので、そのまま竿を振ってきたそうだが、魚は釣れなかったとのこと。
前夜の様に合同の未開みたいにはならず、各自が淡々と食事を食べて、それぞれ19時くらいには寝袋に入ったが、余り早く寝ると真夜中に目が冴えてしまうため、20時過ぎまでヘッデンの灯で持ってきた文庫本を読んで時間をつぶした。
寝る前に外に出ると、満天の星空。周囲からは鹿の鳴き声が聞こえ、かなり近いところでもガサガサ動き回っている音がする。
鹿の声は昼間、畦ヶ丸に近づいた頃から良く耳にする様になった。加入道方面では聞こえなかったのは、向こうとこちらで鹿の生息数が違うからなのだろうか。
最終日、2時にパチッと目が覚めた。二度寝しようかとも思ったが、取りあえず外に出て空尾見てみると星が瞬いている。これは菰釣山山頂から、真っ赤な富士山を見るのに良いのでは?と思い、早出することを決断した。
静かに荷物を片付け、コーヒー、朝食を取って、日出時刻に出発。なんだか霧が出てきた。
東の空はもやっと赤くなっているものの、菰釣山山頂へ向かう山道は完全にガスの中。
山頂に着いても富士山があるはずの方向は真っ白で隣の山さえ見えなかった。日が昇って気温が上がるにつれ、ガスも消えるはずだと思い先へ進む。
地味なアップダウンを繰り返す、ゴジラの背中の様な甲相国境尾根を、ブナノ丸、油沢ノ頭、樅ノ木沢の頭、西沢ノ頭とザレたヤセ尾根を巡りながらピークハントしていく。
石保土山まで来た頃、ガスが抜けてきて日差しが明るくなってきた。右手の方から富士スピードウェイからのエンジン音が聞こえてきた。富士山も薄らと見えてきて、気合いが入った。
水ノ木分岐から急勾配を下ると、鉄塔の下に出た。久しぶりに見る大型建築物だ。送電線が向かう先の右手には三国峠や明神山が見えた。
山伏峠分岐に着くと、東海自然歩道の案内や手作り道標がある等、急に親切な登山道になった感じだ。富士岬平へ下る道すがらの鉄塔越しに見える富士山は、ようやく山中湖が見える様になってきた。
犬越路から菰釣山辺りまでは、登山道脇の笹が鹿の食害で腰の高さくらいに綺麗に借り揃えられた様になっており葉っぱがなかったが、この辺りに来ると笹藪が濃い。
足下に笹藪が茂る森を抜けると、唐突に富士岬平だ。
富士岬平は正面に富士山、足下に山中湖を従えた絶妙な場所で、今回の山旅はこのために来たと言っても過言ではなかった。
荷物が重いので、このまま富士山に向かって続く道を下って行ってしまおうかと考える弱い自分がいたが、やはり高指山へ行かなければ終われないと考え、その先に進むことにした。
高指山へはちょっと広い公園みたいなコースを下り、そこから少し登ったくらいでアッサリ到着した。気がつくと、足下の土が火山灰混じりの黒っぽい土に変わっていた。
高指山からも絶景の富士山が見えたものの、上昇気流に乗って積雲が広い範囲に発達してきているので、午後には雷が来るかもしれないと思った。
高指山から平野方向を示す標識が足下に落ちてしまっていたため、最初は切通峠方向へ行きそうになったが、枯れた草むらの道を左手に明神山に連なる山稜を眺めながら、平野方面へ下る。
草むらはやがて別荘地に入り、テニスコートの中を抜け、県道に出た。
そのまま平野へは向かわずに、石割の湯に寄った。あまりの気持ちよさに倒れそうだったが、バスの時間もあるのでうどんを食べた後、ここに来るバスを待った。
15分待ってもバスが来ないため、平野方面に歩き始めた。しばらく歩くと後方から平野方面へ向かうバスが来たので旭日丘間で行くかを確認したところ、そうだったので途中乗車した。バスはそのまま平野に止まり旭日丘へ向かった。
山中湖周辺は観光地と言うことも有り、バスが相当遅れているため、時刻表通りに行かないようだ。
最後にバスをスルーしてしまいそうになったが、計画通りに3日間のロングトレイルを乗り切れた。水の量と、贅沢品等を含めた重量増が問題だったが、今後も長期山行を計画していきたい。
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
タオル | 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | 地図 |
コンパス | ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ |
修理用具 | ツエルト | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | 熊鈴・ベアスプレー |
ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | トレッキングポール | ストーブ |
燃料 | ライター | カップ | クッカー | カトラリー | |
【その他】
装備重量:約18.5kg(水2.0kg、食材1.6kg、酒0.6kg) 食料:1日昼食@コンビニおにぎり&パン、夕食@牛サイコロステーキ+オクラボイル+ワカメスープ+カレーメシ 2日朝食@ハヤシメシ+ワカメスープ、昼食@カロリーメイト&行動食、夕食@ナスミートパスタ160g(+大豆ミート挽肉)+ワカメスープ 3日朝食@シーフードカレーメシ+卵スープ、昼食@石割の湯で石割うどん 非常食:カロリーメイト×4、えいようかん×2、ししゃも 水:5.0L(水2.0L+ペット水2.0L+スポーツドリンク0.5L×2) 2日目、ブナ沢で水3.0L 水総量8.0L中、6.5L消耗 その他:マグマ (未使用)、文庫本 |
みんなのコメント