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箱根山[神山・駒ヶ岳](大涌谷~駒ヶ岳頂上駅・箱根園)

神山1438m・駒ヶ岳1327m( 関東)

パーティ: 2人 (イガドン さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

その他
その他: 【往路】箱根登山鉄道ケーブルカーで大涌谷駅下車。
【復路】駒ヶ岳頂上駅から箱根駒ヶ岳ロープウェーで箱根園駅下車。

この登山記録の行程

箱根登山鉄道大涌谷駅(09:10)・・・大涌谷・早雲山分岐(09:20)・・・神山(10:30)[休憩 20分]・・・防ヶ沢分岐(11:25)[休憩 5分]・・・駒ヶ岳(12:50)[休憩 65分]・・・箱根駒ヶ岳ロープウェー駒ヶ岳頂上駅(14:00)

コース

総距離
約3.5km
累積標高差
上り約570m
下り約274m
コースタイム
標準2時間35
自己3時間20
倍率1.29

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

【回想/前日】春休みに入ってすぐ、橋本くんのご尊父が金融機関にお勤めの関係で、その会社の保養施設で2泊させていただく機会に恵まれた。前日、箱根ロープウェイ姥子駅から徒歩で宿舎に16時45分到着。チェックインし奥から2番目の部屋「山吹」に通された。窓側にテーブルとソファーがある和洋室で寛ぎ、夕食の後は硫黄臭のする宿舎の温泉を堪能した。タオルが硫黄の成分で黄色がかったのが何よりも本物の証拠だ。翌日登山が控えているにもかかわらず雑談に花が咲き就寝は午前1時を回っていた。
【回想/当日】橋本くんがバサバサと寝床から出てきた音で目覚めた。食堂からかかってきた内線が鳴っていたためだ。つまり7時半になったということだ。急ぎ布団を畳んで1階の食堂に下りた。結局6時間半も眠ってしまい少し寝ぼけていた。朝食を済ませるとディパックだけの軽装で宿舎を出発。やはり荷物が軽いのは行動が楽になる。今朝は晴天に恵まれ、宿舎からも雄大な富士山を眺めることができた。
当初の予定は宿舎から大涌谷まで徒歩で行く予定だったが変更し、姥子駅から箱根ロープウェイで大涌谷へ向かった。ロープウェイに乗車すると北西の空に富士が裾野を隠しつつも五合目以上はくっきり見えており何度もレンズを向けることになる。
大涌谷駅からはすぐに神山へ登ろうと、明日見学予定の大涌谷は通過することにした。神山登山道分岐から神山方面へ約1分進んだところで妙な光景に出くわした。なんと紙幣16,000円分、診察券、クレジットカードが道端に散乱していたのだ。どうやら財布の中身が全て外に出てしまったようだ。クレジットカードもあり現場の状況も不自然だったため、拾い集めた上で一旦大涌谷駅まで引き返した。辺りに交番がなかったので観光案内所の事務所まで拾得物を届けることにした。発見した状況等を一通り説明し、私が第一発見者として氏名、住所、電話番号を伝え立ち去った。あとは無事本人に戻ることを祈るのみだ。まさか観光地でお札が散乱する現場に遭遇するとは思っていなかったし、目の当たりにした状況が只事でないと思ったのは確かだった。橋本くんは「オレたちみたいな人間に拾われて、この人も幸せだな。」と言っていたが、「少し良い事ができたな。」と誇らしくなっていた。
思わぬ事態に時間を取られたが、再び神山目指して登り始めた。しばらくは急登をひたすら黙々と無言で登り続けた。天を仰ぐと青く澄んだ春の空が気持ちよく、眼前には冠ヶ岳の特異な山容が際立っていた。高度が上がるにつれ大涌谷から離れていくこともあり、先ほどまで立ち込めていた硫黄臭がなくなり、観光地の雰囲気から徐々に本格的な登山の様相に変わってきた。今回新調した軽登山靴は驚くほどの登りやすさで、これまでと比べ疲れもなくペースがどんどん速まったが、一方の橋本くんは運動靴だったため、ぬかるみのある後半は歩き辛そうで遅れがちになってきた。第一の鳥居に差し掛かった場所で尾根上に出る。続く第二の鳥居のある場所が神山・冠ヶ岳との分岐、冠ヶ岳山頂は右に折れた道を進むとほどなく着くことができるが今回は割愛した。神山直下の最後の急登を登り終えると、広々とした神山山頂に到着。一等三角点峰の神山は標高が1,438mある箱根山群の最高峰である。登山口で購入したジュースを飲み干し、裾野にあった雲も殆ど消え、よりクリアになった富士山を眺めることができた。
神山を後にし駒ヶ岳方面へ急いだが、ここからはひたすらの下り。靴の違いがより顕著になってきた。振り返ると橋本くんの姿はなく鞍部で5分以上も待つことになった。ここから登り返して開けた場所が駒ヶ岳山頂。草原状になった山頂一帯はその広さもさることながら展望も申し分なかった。眺めの良いこの山頂で昼食を摂ることにしたが肝心の水場がない。食事のために必要な水を確保しないといけない。近くに水道もなくもちろん井戸水もない。仕方なく私が公衆便所の手洗いの水道から水を汲みに行きコッヘルで沸かし始めた。沸騰すれば問題ないだろうと今回はワイルドに決めた。
問題は水だけではなかった。山頂周辺は風が強く、屋外ではバーナーに点火してもすぐに消えてしまう始末。こちらも窮余の策として駒ヶ岳ケーブル駒ヶ岳山頂駅の待合室にEPIのガスバーナーを持ち込むと火力が復活。8分ほどで沸騰しお湯を注いで温かい味噌汁にありつけた。食事を済ませ橋本くんが用を足しに、水を汲みに行った公衆便所から戻ってくると「食べる前に行かなくて良かった。」と言っていた。まあそういうことだろう。
山頂の一角にある駒ヶ岳三等三角点を確認しに行き、今度は食事をした方でないもう一つの駒ヶ岳山頂駅から駒ヶ岳ロープウェーで箱根園へ向かった。乗車したロープウェーの車窓からは眼下の芦ノ湖が下るにつれて大きく迫ってくるのがわかった。この駒ヶ岳ロープウェーは西武が運営しているため、購入した箱根フリーパス(小田急)を使用することはできない。西武は箱根にも進出していることをはじめて知った。
下り切った箱根園駅では、スプーンで1杯砂をすくい、砂の中にダイヤモンドがあれば指輪がもらえるイベントがあり挑戦したが2人とも惜しくも外してしまった。我々の前に挑戦した老夫婦は見事当たったにもかかわらず「いらない。」と指輪の権利を放棄して行ってしまった。箱根園からは芦ノ湖畔をアスファルト道を進む。雑談をしつつ、途中工事現場や「山のホテル」を通過し、やがて杉林に囲まれた箱根神社に到着した。箱根神社の鳥居は、日本三景の1つである宮島の厳島神社と同じく水中に立っていた。参拝し宝物殿に立ち寄った後、元箱根方面へ急いだ。遊覧船乗り場まではそれほど時間がかからず到着。当初予定の1本早い遊覧船に乗船できた。甲板の一角に陣取ったが、穏やかな天候にもかかわらず水辺はかなりの強風で肌寒かった。この高さだと富士も箱根外輪山の壁に遮られて見ることができない。それでも相変わらずの晴天で湖上の遊覧船からは駒ヶ岳の象徴的な雄姿と、先ほど立ち寄った箱根神社の平和鳥居もはっきりと確認することができた。水面は午後の陽光を浴びキラキラと光輝き、幾度かシャッターを押すことになる。
桃源台からは箱根ロープウェイで姥子駅まで行くつもりだったが、折からの強風でかなり揺れるとのことで運行を早めに切り上げる案内がなされた。仕方なくバス便に切り替えることにした。バスの発車時刻まで時間があったため軽く食事を済ませた後、バスに乗車。温泉荘バス停で下車したが、姥子駅からのルートと方向が違ったため、保養施設までの道がわからず周辺を少し彷徨うことになった。橋本くんは「憶えている。」と記憶を辿るように周囲を見渡しながら進み、無事宿舎に戻ることができた。昨晩に続き、温泉入浴の後、心地よい疲れの中、深夜に及ぶ歓談は一段と盛り上がり、結局消灯したのは午前2時を回っていた。

後日、拾得物の持主より御礼のお手紙と品物が届き一件落着。人のお役に立てたことは、楽しかった旅にまた一つ花を添えることとなった。

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装備・携行品

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登った山

箱根山

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1,437m

駒ヶ岳

駒ヶ岳

1,356m

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最適日数
日帰り
コースタイプ
縦走
歩行時間
3時間5分
難易度
コース定数
11
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