• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

山名ネット初公開・愛媛の一等三角点低山回遊

大平山(愛南町)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ時々曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 宿毛市の中心街の一角、国道56号宿毛バイパスの長田町交差点から県道7号に折れる。
県境を越えて愛南町側に入ると、新脇本橋手前で右折する。
白山神社の鳥居の向かいの広場に、邪魔にならないように駐車する。

この登山記録の行程

登山口10:25・・・林道10:43・・・林道を往復して10分ほど費やす・・・170mピーク北のコル11:03・・・稜線11:37・・・北向きの尾根の途中で休止11:57~12:27・・・切通しの尾根の突端12:34・・・林道に下りるルートを十数分ほど探る・・・林道12:57・・・林道分岐13:01・・・支尾根取付き部13:07・・・大平山で休止13:15~13:36・・・林道分岐13:46・・・峠から少し藪尾根上を往復13:54~14:04・・・277.5m三角点東のコル14:24・・・277.5m三角点14:29・・・途中10分以上休止・・・県道15:20・・・往路の登山口15:47

コース

総距離
約7.9km
累積標高差
上り約574m
下り約583m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

[潮風受ける一等三角点峰と二つの無名峠]
一等三角点に関する書籍は沢山出版され、各県の一等三角点峰も広く知られているが、中には山名が詳らかになっていない山もある。愛媛県で言えば、愛南町の脇本海岸の北方にある標高393.1mの点名「一本松」というスーパー低山である。この山名はネット検索しても出てこないが、大平山という。

マイナー山だけに展望は優れないが、海岸に比較的近いこともあり、冬場でも優しい潮風がそよいでおり、稜線下を走る林道からは、太平洋を遠望できる箇所もある。
その林道が近年稜線直下まで延びたせいで、ピークハントとしては登り甲斐のない山になってしまったが、東西にある無名の峠の峠道が残存しており、それを利用することで、歩き甲斐のある回遊コースとなった。
その峠道は海辺の山特有のシダ道になっている箇所もあり、潮風を受けながら「南国の海山歩き」を体感できる。

[コース]
地形図を見ると、脇本から上がる峠道は白山神社横から延びているように思えるが、社殿まで上がっても道らしきものは見えない。そこで裏の藪に分け入って少し進むと、小径が東下から上がって来ていた。これは国土地理院のミスプリなのか、それとも神社からその道に接続される道が廃道化しているのか。
地形図の破線は尾根の東側を上がっているが、実際は尾根上や西直下を上がっている。峠道は一応、刈り分けされているが、かなり荒れており、藪漕ぎほどではないにしても、木の枝や藪を手で払い除けながら登らないといけない。
利用した地形図が最新のものではなかったので、この時は分からなかったのだが、林道が西方から上がってきているため、林道より下方の峠道が廃れているのである。

何分か尾根の西直下を上がると分岐に到った。東の尾根へ上がる道が本道のように思えるが、シダの藪で通行不可のため、直進すると、土砂崩れ跡のような箇所に達し、そこから先、踏み跡はなくなっていた。その土砂崩れ跡の上部の北側が明るくなっていたため、そこへ登れば藪もないだろうと思い、急斜面を這い上がって行くと林道に出た。
林道から上の峠道も荒れているのではないかと思い、林道を少しの間、歩いてみたが、尾根から遠ざかるように感じられたため引き返し、尾根に接した広場風になっている箇所から尾根に乗った。意外にもこちらの峠道は荒れていない、普通に歩ける。

170mピークが近づくと道の片側が一旦竹林になる。そのピーク北のコルに乗った辺りは、峠道が若干不明瞭になっているが、少し北に進めば、前方左に峠道の続きが現れる。以後、きれいな道になる。道沿いの植林の造林作業等で歩かれているのだろう。
峠道は山襞に沿ってくねくねと進むが、道が右急カーブを描く地点、つまり、支尾根が西側に張り出している箇所は、地形図で見るよりも張り出し感がある。
道沿いの植林がなくなり、若干藪っぽくなると、ほどなく稜線に達する。ここは峠の東方のコルだが、すぐ北側に林道が走っているため、峠のような錯覚に陥る。この林道は最新の地形図(平成14年発行)にも記載されていない。

ここからは忠実に稜線上を辿るが、やはりさきほどまでの峠道よりは尾根道はやや荒れ気味。根元から抉れて倒れている木もある。
旧城辺町と旧一本松町との境界の尾根を離れ、北に派生する尾根を進んで行くと、いきなり崖に突き当たった。何と尾根が林道によって分断されている。しかも突端から下は高さ十数m以上の絶壁の切通しとなっている。普通なら尾根から林道に下りる踏み跡があるので、斜面を探ってみたが、見当たらない。藪漕ぎが厳しい、密生度の高い藪に覆われている。
十数分以上探ってみたが、林道に下りられないことが分かり、引き返すことにした。
少し南に引き返すと、西側斜面が植林帯になっていたので、適当に下ると林道に出ることができた。

前述の林道の切通し手前まで来ると、林道の支道が北西に分岐しており、その又の部分から北側の尾根に上がれそうだったが、見上げた所、藪っぽく見えたので、支道を進むことにした。尚、この辺りからは南西に展望が開けており(コース中唯一の展望ポイント)、旧町界尾根越しに深浦湾を遠望できる。天気が良ければ、太平洋の水平線も望めることだろう。余談だが、昭和20年、深浦湾南岸に海軍の水中特攻基地が設営され、十数本の横穴壕が掘られ、蛟竜が配備されていた。

支道が大平山から西に張り出す尾根に接する地点で、その尾根に上がった。最初は尾根の片側が植林帯だったので藪もなく、登り易かったのだが、植林が途絶えるといきなり、猛烈な藪の密林となった。
灌木の藪を何とかクリアして狭い山頂に達すると、三角点の側に一本の登頂記念板が立てられていた。しかし山名表記ではなく、三角点名表記になっている。山名が分からないのに登頂して、記念板を設置する、という行動が今一つ理解できない。一等三角点だからなのか。
山頂の周囲も藪だらけだが、空は開けているので明るい。潮風もそよいでいる。

復路もまた熾烈な藪漕ぎをしないといけないのか、と悩んでいると、山頂から南東に薄い踏み跡があるのが見えた。木々に青いナイロンテープが付けられているから、三角点再測量ルートだろう。尾根の西直下を走るこの踏み跡は、尾根に乗ると比較的明瞭な尾根道になった。
林道の切通し部に突き当たると直角に右に折れ、踏み跡は再び薄くなって林道沿いを下って行き、往路の林道の本道と支道との分岐に出た。
ここから林道を、往路、本来辿るはずだった峠下まで進むことにした。林道から峠に上がり、尾根を277.5m三角点西の峠まで辿ろうと思ったのである。しかし実際に峠に上がってみると、尾根上は藪化していた。そこでまた林道に下り、林道が西方の峠に近づいた所で、再び尾根に乗ることにした。

地形図に未記載の林道は大きく蛇行を繰り返しながら、緩やかに下って行く。
277.5m三角点東のコルに林道が接したため、そこで尾根に乗ると、今度は藪がなく、すんなり三角点に登頂できた。そこから西に下るとすぐ前述の峠に出る。こちらの峠道は往路の峠道とは違い、踏み跡程度。所々シダが藪化しているが、藪漕ぎするほどではない。
180mピークの箇所は、地形図の破線は尾根上を通っているが、実際はピークの西下から南、そして東へと巻いている。南側の部分はやや藪化している。
道の西沿いに畑跡か何かの石積みが現れると、いきなり道が消える。西と東、どちらにも踏み跡は見当たらない。
仕方なく藪化した段々畑跡の中を西寄りに下って行くと、別荘のような高台の建物の裏に出た。すぐ下には県道と宿毛湾が広がっている。本来の峠道のルートは、この建物の北側から南西に下りていた。
県道に下りると、後は駐車場所まで引き返すのみ。県道から見渡す宿毛湾の鮮やかな青が清涼剤になる。

ps:多分、これで今年の登山記録の投稿は終了すると思います。まだ今年の山行(岳人未踏峰含む)で投稿してないものもありますが、それはまた来年。
この年末年始は、愛南町の海辺のスーパー低山や海軍の特攻基地跡、高角砲台跡、防空監視哨跡等を探索する予定。
それではみなさん、良いお年を。

続きを読む

フォトギャラリー:18枚

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック 水筒・テルモス ヘッドランプ 帽子 グローブ
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ ナイフ

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登山計画を立てる