行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
勝原スキー場の駐車場。ただし、勝原スキー場はつぶれているため、ナビには勝原駅をセット。福井(大野)方面から来ると駅を過ぎて少し行ったところの右手。見落としやすいので注意。駐車場は30台程度。無料。トイレもあるが、冬季は閉鎖につき注意。
この登山記録の行程
駐車場(06:26)・・・荒島岳登山口標柱(07:13)・・・トトロの木(07:43)・・・白山ベンチ・・・シャクナゲ平(08:27)・・・もちが壁(08:52)・・・前荒島・・・中荒島岳・・・頂上(09:48)・・・中荒島岳・・・前荒島・・・もちが壁(10:16)・・・昼食(10:47~11:49)・・・シャクナゲ平・・・白山ベンチ・・・トトロの木(11:37)・・・荒島岳登山口標柱(11:56)・・・駐車場(12:40)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
日の出前に駐車場に到着。既に駐車場の半分が埋まっていた。さすが百名山だけのことはある。
毎回書いているが、一等最初に荒島岳へ登った時には、正直どうして百名山に選ばれたのか全く理解できなかった。認識が一変したのは雪の荒島岳を知ってから。まるで装いが異なり、アルプス3,000m級の山を登っているようなダイナミックな風景に、荒島岳の奥深い百名山の実力を知った。それ以来、冬になると毎年必ず訪れる山になっている。
中出コースから登ろうという仲間の意見もあったが、最終的には一般的な勝原コースに決定。歩き慣れたコースであるが、駐車場から登山口になっているリフト跡までの距離が実に長く、いきなり体力がそがれる。出発時点では真っ暗闇だったが、リフト跡まで来る頃には太陽もすっかり昇り切り明るくなっていた。振り向くと、遠くに鋭く尖った純白の山が見えた。県境に跨がる三ノ峰を除くと福井県で最も高い経ヶ岳だ。朝日を浴びて美しさが際立っている。
ここでアイゼンを装着。歩く度、雪を噛む「きゅっ、きゅっ」という金属音が心地よい。
登山口から樹林帯に入る。ここからは尾根沿いにひたすら長い登りとなる。途中、トトロの樹のポイントを通る。以前は、立派な巨木が立っていたが、数年前の豪雪で根元から折れてしまい、今は看板と幹の一部が残っているのみとなっている。もともとなぜ故にトトロの名前が付いていたのか疑問だったが、名物の巨木が無くなってしまったのは寂しい限りだ。
白山ベンチに到着。看板は雪に埋もれて見えないが、見事な白山が樹の間から眺めることができる。白山ベンチを過ぎると、休憩ポイントとなるシャクナゲ平までの試練(急登)が始まる。アイゼンを効かせながら登っていく。ふと暗くなってきたと思ったら、いつの間にかねずみ色の雲がせり出している。つい数分前に真っ白な白山を眺めて今日はいけるぞ!と意気込んだばかりなのに、山の天気は変化が激しい。
急登を登り切ると、シャクナゲ平に到着。例年であれば樹氷に囲まれた素敵な場所なのに、先日の綿向山と同様少し早いのか、樹氷の「じゅ」の字もない。
シャクナゲ平を過ぎると、ようやく待ちにまった荒島岳の核心部に入る。雪の壁と化した「もちが壁」。ピッケルでバランスをとりながら、アイゼンの前歯をキックステップで打ち込みながら登っていく。
森林限界を超えて、視界が開ける。有り難いことに立ち込めていた暗雲がいつの間にか消えていて、青空が広がっていた。壁のような雪の斜面を登り高度を上げる度に青空が近づいてくる。開放感がたまらない。
もちが壁を登りきると、前荒島。もちが壁も大好きだが、前荒島から中荒島岳を経て山頂へたどり着くまでのコースは、荒島岳の中でも最高の雪山絶景ゾーンといえる。
山頂まで延びる雪のスロープ。どんな下手なアングルでシャッターを切っても必ず絵になる。このゴージャス感は登ってみないと味わえない。特に、荒島岳の山頂は360度の眺望に恵まれている。最初に目に入るのはやはり白山とそれに並ぶ別山のコンビ。名前の通りどの山よりも眩しいほどの純白を纏っている。右側に目を移していくと、遠方に乗鞍岳や御嶽山が確認できる。その奥には薄っすらと北アルプスも見える。大キレットのえげつないV字がここからでも確認できる。更に視線を移していくと、最後の最後で荒島岳に競り負け、ついには百名山から外れてしまったが、それでも相当の実力を持つ能郷白山。また、毎年の冬山に欠かせない銀杏峰と部子山も見える。下に視線を移すと低い山々の黒いシルエットが折り重なるように並んでいて、その山と山の間には絹のような優しい白の雲海が流れ込んでいて、まるで水墨画のような情景を醸し出している。
2020年。新型コロナの影響は山にも及び大変な一年だったが、雄大な自然を前にしていると、負けてられないという気分になってくる。登山納めに元気をくれた荒島岳に感謝だ。
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