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桃ノ木・カサマク・エンナミ・柏原 松茸山を越えてゆけ!

丹沢 桃ノ木沢ノ頭、カサマク(風巻)ノ頭、エンナミノ頭、柏原ノ頭、松茸山( 関東)

パーティ: 1人 (鋸太郎 さん )

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行程・コース

天候

晴れ 微風

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 松茸山早戸川口駐車スペース
釣客、バードウオッチングの方も多く来ます。

この登山記録の行程

松茸山早戸川口0611……0645松茸山三角点0658……0703松茸山東屋0705……0721松茸山奥野口0721……0730奥野林道(松茸山撮影地点)0731……0759水沢橋0800……0805桃の木沢林道分岐0805……0818桃ノ木沢尾根(仮称)取付0822……0912桃ノ木沢ノ頭0912……0915焼山平戸廃道(仮称)合流点0915……0924_760P_0924……0949カサマク(風巻)ノ頭0950……1028エンナミノ頭1028……1035柏原(カシバラ)ノ頭1036……1122柏原登山口1122……1124奥野隧道1125……1145松茸山早戸川口

コース

総距離
約12.8km
累積標高差
上り約1,293m
下り約1,293m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

北丹沢バリ・廃道系です。
  
手元の2001年版山と高原地図では現役の登山道ながら、現在は廃道となっている焼山-平戸登山道ですが、そのせいもあってこの近辺は登山道の空白地帯になっています。
なんですが地理院地図では結構山道が記載されており、
  
「結構歩けるのでは?」
  
とかねがね思っていました。
  
と言う訳で3か月振りの登山としてこの辺りの周回を企画したのですが、
立ち塞がるは令和元年台風19号による被害です。
とにかく通れるのかダメなのか、人間ならOKなのか完全NGなのか。
登山道も然ることながら、一番頭を悩ませたのが登山口への林道の状況です。
そもそもひと言に「林道」と言っても、県営林道もあればそれ以外もあります。
それもあって、なかなか情報が整理できませんでした。
  
ともあれ伊勢沢林道と奥野林道の分岐点にある水沢橋まで行ければ、
「あとは流れでお願いします」
のつもりだったのですが、案の定奥野隧道を抜けた直後(※1)に通行止のバリケード。
付近に車を止めて、後は歩きでとも考えましたが駐車スペースもありません(※2)。
どうしようか車を降りて考えましたが、目の前の地図にも誘われて、
結局松茸山に登ることにしました。
松茸山登山口の駐車場、特に早戸川口は登山客以外にも釣客や野鳥スキーな方々にも人気な停車スポットなのですが、この時刻(6時前)ならまだ駐車できるでしょう。
それに北丹沢好きを自称しながら松茸山に登っていないのもちょっと引っかかっていましたので、良い機会だと思いました。
  
車を移動させ、さっそく取り付きます。
久し振りの山歩きですが、一応は地味にトレーニングを続けてきましたので、まずまずのペースで登って行けました。
前回もそうでしたが、フリースを着て登り始め、汗だくになってから脱いで、後は山Tシャツだけになります。
丹沢てすので、今回もオレンジ色の目立つ蛭ヶ岳Tシャツです。
それにしても、やっぱりお山は良いものです。
30分ほどで登頂。松茸の絵も可愛い山頂標識にほっこりです。
ですが、正直食い足りないのも事実。
ここでじわじわと、良からぬことを考え始めてしました。
  
「反対側に降りて、奥野林道でぐるっと帰ってくるのはどうだ?」
  
奥野林道に出て、もし以前鍋嵐を歩いた時のハタチガ沢林道(※3)の様に大崩落していて、物理的に進むことがかなわないなら、おとなしくまた松茸山に登り返して帰ることもできます。
  
さて奥野口に降りてみますと、入口が塞がれていることもあって駐車場は真っ平でした。
鳥の声は響いてましたが、とにかく人の気配がしない絶妙な空間でした。
(この瞬間は、でしたが)
まずは松茸山の写真を撮るために、逆方向、大平方面に向かって歩きました。いや静かです。
それも済むと踵を返し、一路水沢橋を目指しました。
  
この区間、林道は至って平和でした。
そうなると脳内の「良からぬこと」が加速して膨らみ始めます。
  
「ここは元々の予定のスタート地点。これはもう、予定通りに行けるのでは?」
  
脳内ロジックは以下です。
  
林道に崩落個所はあるかも知れない。
⇒でもここまでは特になかった。
⇒きっとこれから自分の向かう道も(神さまとか何かのご配慮で)災害からすり抜けてるに違いない!
  
とんでもない「自分だけバイアス」ですね。
  
ところが伊勢沢林道に入ると、いきなり強烈な崩壊箇所がご登場。
その先、桃の木沢林道(※4)でも崩落個所がありました。
何と言うか、大入道同士の場外乱闘が勃発、中継席のテーブル代わりに林道にパイルドライバーを繰り出した様な破壊です(何書いてるのか分からなくなってきました)。
ともかくうわあ……と思いつつも脇をすり抜け、それでも目的の尾根取付に向かいました(※5)。
  
さてこの尾根、登山地図には何も線が引かれていません。
でも企画上名前が欲しいので、勝手に「桃ノ木沢尾根(仮称)」と定義していました。
01年や91年の登山地図まで遡っても、登山道であったことがありません。
ですが地理院地図には現役で点線(山道)が書かれています。
考えられるのは産業道路、つまり林業者さん向けの道です。
と言うことは、歩けると言いますか、そーっと歩かせてもらえる可能性は高そうです。
無論、廃道の可能性もない訳ではなかったのですけどね。
  
行ってみると、鹿柵用の金網ドアが全開でお出迎えでした。
北丹沢ですと、白馬尾根にも取付に鹿ドアがあったと思います。
くぐると植林帯をひたすら直登です。
どんどん高度を上げて行きます。
ところが尾根の上部、植林帯が終わると体力勝負一辺倒の姿が一変しました。
瘦せ尾根・枯れ木・崩れる岩が登場です。
根元から倒壊した木も行く手を阻みます。
いきなり難易度が上がりました。
三点支持を強いられましたが、両端切れ落ちている上、岩が崩れたり倒木が絡み合っていたと、なかなか神経を使わされました。
でも登り切ると標識がお出迎え。
ここを越えるとひと息つけましたが、桃ノ木沢ノ頭の直下の数十mは完全にバリでした。
戻れるかどうかの判断ですが、痩せ尾根かつ両端が切れ落ちている斜面はロープを使っても難しい(※6)ので、少し強い判断が必要でした。
  
その後は廃道をカサマクノ頭(745P)、エンナミノ頭(620m)と歩いて行きました。
エンナミノ頭に行くと地理院地図上の点線からも外れますが、ここから柏原ノ頭までは緩やかな尾根が続いています。
実はそもそも初めから点線の通りに歩こうとも考えていませんでしたので、ここから先は等高線だけで判断して歩いて行きました。
最後は奥野隧道の手前に降りて、林道を歩いて山行終了となりました。
  
焼山-平戸廃道は全線歩いていませんので、どこが原因で廃道になったかは分かりかねるのですが、今回歩いた部分でも小さな崩落個所は幾つもあり、またトラバース道の多くの部分で斜面が自然に返り始めていました。
通行には十分な注意が必要です。
後半、エンナミノ頭以降は小ピークから歩けそうな尾根が2方向に伸びている箇所が幾つかあり、特にしっかりした踏み跡がある訳でもありませんので、細かな方角の確認が必要です。
  
バリを歩くので14時頃までの計画としていましたが、松茸山越えを加えても12時には下山。
半日程度の山行でしたが、終日暖かく風もない、良い登山日和でした。
山中、お会いしたのは釣りの方含め3組4人の方々。
久し振りの山歩きでしたが、背筋がゾクゾクするほど楽しかったです。
  
  
※1:奥野林道は奥野隧道をくぐった後、交差点を西に折れて続きます。ですのでトンネル抜けた直後の通行止でも真っ直ぐには進めます。
その先は八丁林道になりますが、知らないと西に別の林道が始まるけど通行止と思えます。
確かに奥野林道が途中から通行止、なんですけどね。
でも、わかるかー!
※2:とは言いつつも、山行を終えて戻ってみると、無理矢理停車していた豪の車が数台。
※3:ハタチガサワ林道はどこの管轄なんだろう?少なくとも県ではなさそうですが……。
※4:林道は「桃の木沢」、山頂は「桃ノ木沢」みたいです。
※5:とは言いつつ、常に「ここから戻れるか」を意識して歩いていました。
  山では「登れた道」=「降れる道」では決してありませんからね。
※6:少しでも身体がブレると、降りたい斜め方向ではなく、切れ落ちた斜面に振られて宙づりになる危険があります。
  
  
神奈川県 県営林道通行止め等情報
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/u5r/cnt/f550/p6667.html
  
神奈川県森林図
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/752/shinrinzu.pdf

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フォトギャラリー:96枚

メジャーな廃道らしいのですが、一応配役のご紹介。
北丹沢の登山道空白地帯です。

登山口へ向けて気分良く奥野隧道を車で抜けたのですが、

まさかの取り付く島もないバリケードがお出迎え。

仕方ないので水沢橋からの周回は諦め、松茸山に行くことにしました。

お山はいい! お山はいいよ!

この上なく気持ちよく登っていきました。

6時過ぎにはおひさまー

450m近辺です。

いい岩です。

馬酔木が咲いてました。

ツバキですね。

ミツバツツジも沢山咲いてました。

松茸山は実は双耳峰。

標識プラス

三等三角点のピークは570.6m。
点名は「鳥屋村6」です。

仙洞寺山ですね。

東屋が見えてきました。

標識の後ろにヒヨコがぶら下がってましたのでのせてきました。
でも東屋の辺りの標高は580mはあると思います。

で。
ここで帰るのもつまらないよねえ、とちょっと悪だくみ。

反対方向に降りて奥野林道に裏口から入ってみることにしました。

ですが松茸山の奥野口への道は階段の破損がひどかったです。
ちょっと危険でした。

天然のベンチだー。
もちろんひと尻載せてきました。

林道が見えてきました。

松茸山奥野口です。

入口で塞がれてるのですから、さすがに車は一台もいません。

歩いてきた松茸山です。
左が東屋、右が三角点のピークですね。

この切通しのところで踵を返しました。

奥野林道、この辺りはきれいなものでした。
人の気配しないなーとか思っていたらトレランの方とすれ違いましたが、どこから入ったか聞くんでした。

ヤマブキです。

この先に路体流出箇所があるんでしょうね。

伊勢沢林道との分岐点のゲートです。

来たかった水沢橋。
予定ではここから6時に歩き出すつもりでした。
現在2時間遅れの8時です。
さてどうしましょ。

……行っちゃおう!

ところがいきなり崩落。
立ち込める暗雲。
沸き起こる罪の意識。

それでもそ~っと歩いて桃の木沢林道分岐。こちらに入っていきます。

何と言いますか、枝林道の更に枝林道だけあって、バギー車でないと走れなそうなレベルでした。

そして崩落。
こりゃ「来るな」というのも当然です。

沢(倉沢)に入るなという意味だとは分かってますが、
ごめんなさいいい!! 
とっとと歩いて帰ります!

金網が破壊されていました。
ただ、この破壊までが件の台風のせいかは分かりません。

で、こんな場所で釣客に遭遇。
どうやってきたの? 
奥野隧道から歩いてきたのかな……。

小学生がスプーンで食べたソフトクリームみたいな造形美。

名前のない橋を渡って、広場の様な場所につきました。

たき火跡。たき火は禁止なんでしょうけど、趣きあるなあ。

それでは桃ノ木沢尾根(仮称)に取り付きます。
名前知りたいなあ。

鹿ドアをくぐったその瞬間から

直登! 直登! まっすぐ登れ!

植林帯エリアはもうチカラ勝負でした。

ところがこの尾根、

標高720m辺りの、植林帯を抜けた辺りから難易度がいきなり上がりました。

痩せ尾根に立ちはだかるこの岩辺りが核心です。三点支持で、神経使いながら登りました。
降りには使いたくない尾根です。

宮ヶ瀬湖が見えました。

向かうカサマクノ頭です。

何を撮りたかったかと言いますと、岩の右はかなりの角度で切れ落ちているということです。

地味に灌木が硬く、チカラ技で押し切ろうとするのは危険でした。

それでも桃ノ木沢ノ頭、着いたー!

山頂の様子です。
焼山-平戸廃道からちょっと寄るには楽でしょうが、尾根を登ってくるのは大変ですね。

桃ノ木沢ノ頭の標識は、八丁坂ノ頭の標識と同じ方の作ですね。
ハリガネ部分の補強はアルミ缶を切り出しているのでしょうか。丁寧な作りです。

山頂を越えると

廃道に合流です。

ベンチがありました。
まだ頑張ってるんだと思うと、座らずにはいられませんでした。

道を少し逸れて、760mPに寄り道です。

760mPに着きました。

で、ここから無理矢理廃道に降りようとしたのですが、どこが道か上からは判断しづらく、

結局来た道を戻って廃道に戻りました。

崩落したから廃道なのか、廃道になったから崩落したのか。
トラバース部分はかなりの箇所で、元の斜面に戻りかけていました。

続いてカサマクノ頭に挑みます。

こちらは元々登山道ではないので、少しヤブ道です。

ですが焼山がきれいに見えました。

標識はありませんが、745P、カサマクノ頭です。

それじゃまた無理矢理降って廃道に戻ります。
大分降ってから見上げてますが、岩と倒木と落葉でかなり滑りました。

丹沢三峰。
本間ノ頭と無名の頭ですね。

ベンチがありました。
こちらは大分土に返りかけてますが、休ませてもらいました。

倒れた標識です。

倒木がきれいに切られて道を作ってくれてます。

ひと休みついでに年輪を数えてみました。
ふむ、キミ同い年くらいだね。

丹沢で初めて見たタイプの標識です。

道なりに進むとトラバースなのですが、柏原ノ頭に向かうには尾根に乗った方が速そうです。

尾根に乗って、エンナミノ頭に到着。

ゆるやかな尾根を南下し

柏原ノ頭を目指します。

程なくして到着。

今日の山行予定の最後のピークです。

三等三角点「鳥屋村(とやむら)」です。

この辺りから、謎の一直線のキャタピラ跡が出てきました。
多分林業者さんのモービルでしょうね。

サクラも咲いていました。
ヤマザクラかエドヒガンかは分かりませんでした。

こういう大きな岩が崩壊して浮石を作っているみたいです。

トラバース部分は小崩落が多かったです。

大分降って階段登場。

奥野林道が見えました。

振り返って登山口を見ます。
焼山こっちとありますが、これは修正した方が良さそうですね。
廃道なんですからね。

奥野隧道再び。

抜けて松茸山です。
戻ってきました。

マムシグサですね。
大きかったです。

松茸山早戸川口まで戻って山行終了です。
お疲れ様でしたー! 
楽しかったー!

で。お山も間が開くと色々忘れるのですが、今回はおみやげを買ってくるのを忘れました。
なので、食べなかったおやつでどうか……。

「それより、くずれた道路?」 
いえ、あの、その……。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
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ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け ロールペーパー
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【その他】 モバイルバッテリー、予備ヘッドライト、風力計、アマチュア無線機、カラビナ、スリング、細引き、クイックドロー、

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