竜門山（４３８．９ｍ）は山頂直下に燧灘から瀬戸内海を望見できるパノラマの展望所があり、登山口に道標が設置されているにもかかわらず、これまで登山ガイド書で紹介されたことがない不遇の名山。
この山上には中世、龍門山城が建っていた。城主は元、河野一族の河野源六通明だったが、大内義興や長曽我部元親公等によって落城するたびに城主が変わり、天正１０年（１５８２）、城主が武田近江守信勝の時、小早川勢に寝返った来島通総によって滅ぼされた。

［コースガイド］
　峠が登山口で、刈り払いされたしっかりした登山道がついている。
　３２１ｍピークの手前の上りに差しかかる地点の分岐で尾根道と分かれ、北に巻いて行く。そして３２１ｍピークの東で再び尾根に乗り、北東に進む。左手には目指す竜門山が姿を現す。
等高線３４０ｍピーク手前で、東から北にそのピーク下を巻く。巻き終えて北に進路を取ると、眼前に山頂が圧倒的な迫力で迫って来る。
尾根の幅が広がると、ザレた急傾斜を木々に掴まりながら、上って行く。

　東西に走る市界尾根に出て、西に進めばほどなく抜群の展望所に到る。世田山、笠松山、霊仙山、天道ヶ頭と、東から北、西へと旧村境の山々を始め、旧朝倉や今治の平野、その向こうの燧灘、来島海峡大橋、大島、瀬戸内海に浮かぶ島々と、思いのままの展望を得られる。
そこから西へ数分上がると三角点の埋まる山頂。山頂からの展望は僅かばかり。