• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

100回記念に椿丸 破壊の天使がお出迎え

西丹沢 椿丸( 関東)

パーティ: 1人 (鋸太郎 さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

快晴⇒晴れ 高温注意報

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 世附水位観測所前 駐車スペース

この登山記録の行程

世附(よづく)水位観測所0523……0534浅瀬橋0534……0536尾根取付0536……0602_519P_0602……0629水源の森看板0629……0708_780P_0708……0739_795P_0739……0853_838P_0853……0928椿丸0947……1018_862P(の手前の866P辺り)1018……1055山神峠1056……1122内陸林道終点1122……1151内陸林道起点1151……1225世附川河原1225……1229県道729号山北山中湖線1229……1236崩壊地1245……1307浅瀬橋1307……1313世附水位観測所

コース

総距離
約12.7km
累積標高差
上り約1,237m
下り約1,229m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

西丹沢の西の端、椿丸です。
読図系バリ低山ですが、100回記念にスマホを封印して挑みました。
同じ様な風景が続くため、デジタルデバイス抜きでは難易度はかなり高いと思います。
  
世附の水位観測所前に車を止めて、往路は椿丸南ルートと呼ばれる尾根を登って行きました。
まず、道中標識はありません。
椿丸まで、テープの類もほとんどなかったです。
更には破線ルートだけあって踏跡もあったりなかったりでしたので、登っている間はまだしも、小ピークの度に位置と方角確認は必須でした。
一応スマホに地図を落として備えてはいましたが、先述の通り今回は地図+コンパスのみで歩いています。
なので立ち止まっては「さて……ここはどこや?」を何度繰り返したことでしょう。
ずーっと同じ様な樹林帯ですし、低山なので富士山が見える訳でもありませんしね。
  
途中地理院地図にも数字で書かれているピークに寄り道をしながら、CTがあるならおそらくはその1.5倍くらいの時間をかけて、何とか9時半頃に登頂。
さすがに何かあるでしょ? と探し回ると、一本の木の下の方に手書きで
「椿丸 902m」
とありました。
これが本山行中、唯一の標識(?)でした。
基本ひたすら誰にも会わない完全単独行を望む自分ではありますが、辿り着いた先での先人の目印で喜ぶなんて、適当なモンだなあと思った次第です。
もしくは想像以上に「スマホなし」が神経を削っていたのかも知れませんね。
  
椿丸は1000mに満ちない樹林帯の中の低山ですが、意外や意外、北の道志方面の眺望が開けていました。
ひと休みのあと、早々に下山開始です。
復路は椿丸から反時計回りでの下山を予定していましたが、こちらは少なくとも手持ちのどの地図にもルートとしては描かれていません。
確かにネット上では幾つも山行記録が見つかりましたが、だからと言って自分が歩けるとは限りません。
その理屈で言ったら、槍ヶ岳の北鎌尾根だって自分も登れることになりますしね。
  
結論からしますと、下山ルートの方がテープやペンキは多かったです。
ただやはり、小ピークの度に方角確認は必要でした。
ぶっちゃけワナの様な間違い尾根は多かったですし、862Pから西南西に400mほど進んで山神峠へ向かう斜面では下降点を間違えました。
目的の尾根が感じられなかったため、何とか西へトラバースしてリカバリしましたが、この辺りは凹凸のない斜面が広がってますので、方角よりも距離感が生命線でした。
  
それでも何とか山神峠に辿り着き、
「どこまでワークアウトさせる気だよう!」
と泣きたくなる登り返しも何とか登り切りました。
するとその先に、林道と呼ぶにはやや脆弱ながら、林業の方がモービルを走らせるような巻き道が登場。
本来ならバカと煙の類の自分、巻き道があっても逆らうところですが、既に時刻も11時過ぎ。
事前の高温注意報の通り、強烈に気温が上がって来ていましたので、「スマホがない前提での」無茶は控え大人しくそちらの道を歩かせてもらいました。
今熱中症で倒れても、入院先はないかも知れませんしね。
  
因みにこの道、中腹から始まって中腹で終わってました。
なので勝手に「内陸河川」を模して「内陸林道」と名付けて歩いて行きました。
  
その後は再び急斜を降り、河原に降りてからは世附川を吊橋で渡り、うだる暑さの県道を頑張って歩いて、13時頃に無事に山行終了しました。
なんだかんだで7時間以上かかりましたが、まずは歩き通せて何よりでした。
  
=====
総括としては、今回はホントきつかったです。
コロナの緊急事態宣言+長雨での長期引き籠りが響きました。
前回の熊倉山でも体力低下を著しく感じましたが、今回は輪を掛けて鈍ってました。
  
筋トレは辛うじて家でもできているのですが、とにかく息が上がりに上がりました。
ホント基礎体力が枯渇状態でした。
同時にぜーはー言いながら脳裏によぎる
「は!? これはもしかして、密かに感染していたコロナが発症したとかでは?」
などという妄想も嫌なものでした。
一応ワクチンは2回打てましたし、発熱の類は今日に至るまで全くありませんでしたので、純粋な体力不足であることは間違いないのですが、変な可能性がひとつでもあるのは沈みますね。
  
まあ、もう少し頑張って身体作りを一からやり直しましょう。
でも正直なところ、
お山歩きのための最適な体力作りは「お山歩き」なんですよね。
  
=====
今回でヤマケイオンラインへの登山記録投稿も100回目です。
100回記念と言うことで、剱岳とか南ア最深部とか、どーんと大きな企画をとも考えてはみましたが、世間の情勢と今の自分の状態を考えれば、自ずから規模も見えてきます。
  
そんな中で今回の山行は、現時点の実力と自分の希望がそこそこ嚙み合った、まずまずの企画になったのではと思えました。
この先いつまでお山に登れるかは分かりませんが、ぼちぼち続けていければと思います。
拙い記録を読んで下さっている方々、本当にありがとうございます。
  
=====
季節柄、小鳥の声よりもセミが元気でした。
麓近くではミンミンゼミ、山頂近くではツクツクボウシ。
あとは孤高のソロで生える破壊の天使たち。
途中で出会ったキノコたちは、万が一道迷いを起こして途中まで戻ることになっても、そこそこ目印になってくれたと思います。
  
今回も尾根取付から県道へ降りるまでどなたともお会いしない完全単独行でしたが、その分いつもの様に小鳥やシカに臆面もなく声を掛けながら歩けました。
楽しかったー!
  
=====
(追記)
「破壊の天使」の異名を持つドクツルタケ(毒鶴茸)とシロタマゴテングダケ(白卵天狗茸)ですが、見分け方は非常に難しいそうです。
まあどちらも猛毒なので「実用的には見分ける必要はない」とどの図鑑にも書かれていますが、基本「柄にささくれ模様」があればドクツルタケです。
今回出会った白い子はみんなドクツルタケだと思いますが、ネット上でも結構、明らかにドクツルタケなのにシロタマゴテングダケと紹介しているページも多いです。
  
因みに日本の猛毒キノコ御三家のもうひとつはタマゴテングダケですが、こちらはまず本州以南には生えません。
日本では北海道が主なテリトリーですね。現地でたまに見かけました。
異名は「死の傘」です。

続きを読む

フォトギャラリー:114枚

西丹沢は椿丸です。
丹沢湖の更に西です。

本日の月齢は19.5。
山行前や山行時にお月さまがいるとテンション上がります。

5時前ですが気温は24度。
日中は35度を超えました。

県道729号山北山中湖線の事実上の終点、世附水位観測所前です。
まだ5時過ぎですが、まさかの満車状態。
近くにいた方に伺うと、皆さん釣客とのこと。
椿丸まで行くと伝えると、この先道が崩壊しているから注意してねと教えてもらいました。

よづく、です。
不法投棄のマネキンを見つけたら
「世附の~ハウスマヌカ~ん」
と歌ってやろうと思ってましたが、ついに出会えませんでした。

昔は売店だったのでしょうか。
壊れた自販機がありましたが、缶コーヒーが100円となっていました。
おそらく1989年の消費税導入より前には営業終了していたのでしょう。

よし、今日はこの壊れた自販機を起点とします。
ぐるっと回って帰ってきます。

ゲート登場。

クマ注意はいつものことですが、

イノシシもですか。
丹沢で「イノシシ注意」の看板は余り見た事がありませんね。
他の変わりダネとしては、北の焼山登山口の「マムシ注意」でしょうか。

釣客はどこに入ってどんな釣りをするか、マグネットで自己申告する様です。
ぶっちゃけ、かなり奥地まで入ってますよね。
ヤマメの持ち帰りは5匹までだそうです。

浅瀬橋です。

左は世附川沿い、右は大又沢沿いです。
特に考えずに右に折れました。

尾根への取付は、本当は先の三叉路を左に少し行ったところだったらしいのですが、適当かつ無理矢理取り付くのに慣れてしまったので、

崩落跡付近からよじ登りました。

ヤマアカガエルさん登場。
カエルには結構出会いました。

日の出は5:12頃でしたが、30分ほど遅れてお日さまー!

中々鬼な斜面を頑張って登って、ようやくなだらかな尾根に乗りました。

タマゴダケだー。
お山ではよく見かけます。
まだコドモですね。

519Pに着きました。
すでにバテバテ。300m程度の斜面に20分近くかかってます。

イグチ系のキノコです。
何となくですが、ニガイグチ系かなと思います。

ドクツルタケの幼菌でしょうね。
ドクツルタケとシロタマゴテングダケは、「破壊の天使」の異名を持ちます。

傘の裏を見た訳ではないですが、これもイグチ系の幼菌だと思います。
引っこ抜いてみれば早いのですが、無駄な殺生になりかねませんので、まずやりません。

こちらは立派なタマゴダケ。
今回はかなりキノコを見かけましたが、群生は一例だけでした。
みんな孤高すぎます。

鹿柵とハシゴ登場。

水源林の看板です。
この辺りで2cm弱のヒルヒルに会いました。
丹沢でヒルに出会ったのは、実は初めてです。

毎度おなじみオニグルミですね。
ただオニグルミの殻って、なぜか毎度単体でしか見かけません。
近くにクルミの木があるなら、もっと落ちていても良さそうなんですが、なんででしょう?

盆栽の様な空間に生えていたキノコ。
同定できてません。

ヒイロベニヒダタケかなと思いますが、これも細かく見ていないので自信ないです。

ちょっと寄り道して780Pです。
手製標識やテープもないので、小さなピークの度に地図を広げています。

痩せ尾根の崩壊地。
がんばれブナ!

道志方面が開けました。

道が見えますね。
尾根上では割とはっきりしていたのですが、小ピークの上では不明確になったりして神経使いました。

780Pから東の小ピークです。
二又の尾根が見えないのでルートは正しいと判断。

こちらも寄り道の795P。

南方面が開けました。
不老山だと思います。

成菌登場!
ドクツルタケです。
遅効性のアマトキシンが破壊力抜群と聞きますが、確かに寄せ付けないオーラを感じます。

と思ったのですが、

ぽつぽつとあちこちに生えてました。

あれ? 思ったより可愛くない? 
見慣れてくると、親近感と言うか、情すら湧いてきました。
よしよし。

そうそう、この辺りではテープも登場しています。
もっとも今回は最初から読図アタックのつもりでしたので、全て林業の方のものと認識して進みました。

ただ身体はもうナマクラの極みでした。
疲れたー! 
休むー! 
を×5回はしました。
確かに登山届上は17時下山予定でしたが、ちょっとバテすぎです。
まあ地図を必死に眺めていたのもありますが。

デカアァァァァァいっ
説明不要!! 
オオシロカラカサタケだ! 
破壊の天使程ではありませんが、強い毒をもちます。
でもまあ、食欲をそそるキノコではありませんよね。
筋張ってそうだし。

尾根上の植林が同方向に倒れていました。
沢筋なら鉄砲水でしょうが、これは台風或いは強烈な低気圧でしょうね。

越えてきた小ピークです。
こうして見ると立派なお山ですね。

寄り道して838Pに着きました。
真っ直ぐ越えると法行沢です。
ビッグサイズのクマが目撃されている沢です。

青テープ1号登場。
間違いなくバキューム尾根。
テープがなかったら確実に吸い込まれていそうです。

踏跡に乏しい広い尾根はホント怖いです。

青テープ2号登場。

右が1号、左が2号です。
青テープが張ってなかったら、
「そっちは違うと思うけど、ちょっと覗いてみるか」
とか、絶対吸い込まれていたと思います。
ほんと助かりました!

それでも頑張って頑張って

椿丸、着いたー!

つぶれたおにぎりだってゴチソウです。
10時前ですが、お昼にしました。

山頂付近から北側の眺望です。

西(左)から東へのパノラマになります。

道志山塊ですが

きっと誰か歩いていることでしょう。
さて、自分も山行再開します。

山頂から少しだけ進んだ先の小ピーク。
こちらも趣きがありました。

ワイヤー登場。
たまに山で見かける放置ワイヤーについても少しだけ調べてみましたが、恐らく林業の方が集材する時のものでしょうね。

これもイグチ系でしょうね。
イロガワリかと思いましたが、欠けている部分が青く変色していませんので違うみたいです。

地理院地図上では862Pがピークに思えますが、その手前の推定866Pです。

おおーっとテングダケの登場だ! 
ベニじゃないです。
食べるとおいしい危険なキノコ。

さてそろそろ

山神峠へ向かう下降点を探りたいのですが

どうにも一様で、尾根筋だか谷筋だかも分かりません。

当たりをつけて水道管の様な倒木に沿って進んでみましたが

何か違うと感じ、西へトラバースして行きました。
結論として、先の水道管の様な倒木地点も、下降点にはまだ手前でした。

多分これだー!

尾根を進んで緩やかな場所に出ました。
ひと安心です。

気温が上がってきましたが

とりあえずひと休みします。

これもニガイグチ系かなあ。
モドキにも思えたのですが、同じお山の中にニガイグチとニガイグチモドキがそれぞれ少数で生える事ってあるのかな?

無事山神峠に着きました。

あらら……。

中のお札は無事な様ですが、

かなり倒壊してしまっていました。

場所はこちらです。
一般の登山地図には記載されておらず、詳細地図には辛うじて椿丸から先、
「←山神峠」
とだけ書かれている秘境です。

峠の先は鬼の様な登り返しです。
耐えて登って、

勝手な通称「内陸林道」の起点(終点)に着きました。

いきなり立派な道です。
いや予想外で驚きましたよ。

そしてここにもタマゴダケ。
ホントみんな孤高だねえ。

左が林道、右はピークハントのコースとなりますが

どんどん気温が上がってきたため、無理をせずに巻き道である林道を進みました。

ドクツルタケー。

トラクター系だったら進めるのかな?

ちょっと怪しいかも知れません。
路肩は30cm幅×数十mに渡って亀裂が走ってました。
いつ谷側に崩落するか分かりません。

そうこうしている内に内陸林道、終わりです。
ただ登山道はありましたので、辿って降りて行きます。

内陸林道の区間になります。

はるか下方に世附川が見えました。
ここが木材の搬出径路なのでしょうか?

標高差200m以上を直滑降で降りる覚悟があれば、ショートカットできます。

帰宅後Google Mapで探したら、その直滑降コース、写ってました。

こちらは悪沢方面。
写真写り以上に急斜です。

大人しくコツコツと降りて行きました。
不意に凱旋気分になれる場所が登場。
ゴールは近いぞ!

廃屋だー。
河原近辺です。

お風呂です。
と言うかお風呂?

トイレもありました。
純粋な民家ではないと思いますが、昭和30年代の作りに見えます。
そう考えると内風呂って結構お大尽じゃないですか?

世附川の河原に出ました。

どう渡渉しようかと考えていたら、吊橋があるじゃないですか。

ワイヤーから手を放さずに注意して渡りましたが

あれ?

やっぱり本当は渡っちゃダメな橋だったかー。
でも助かりました。

その先に道が見えました。
多分県道、山北山中湖線でしょう。
手前の斜面が崩落していますが、

何とかよじ登って乗りました。

うだるような暑さになってきました。

おおっと、これが出発時に教えてもらった崩落個所かー

何とか越えました。
滝を見にひとりで先に行ってしまった旦那さんを待っているご婦人としばし会話。
なけなしのコミュ力をフル回転させました。

それにしても暑いー!!
世附川に飛び込みたい衝動に何度も駆られました。
後半ピークハントせずに降りてきたのは大正解だったと思います。

浅瀬橋まで戻って来ました。
ここからもうちょっとだけあるんだよねえ。

壊れた自販機まで戻って山行終了です。
鈍り切った身体にはキツかったですが、読図でアタマも絞り切ってなかなかの達成感でした!

珍しく帰りにお風呂。
中川温泉の「信玄館」に寄りました。

信玄公由来と思われる甲冑や

イノシシがお出迎えです。
ただ今回は精根尽き果てましたので、身体を洗うので精いっぱいでした。
湯船なんぞ100数えたら上がってしまいました。
それで1000円は高いか安いか。

でも間違いなく気持ちよかったです。
その温泉のタオルをおみやげにしました。

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け 熊鈴・ベアスプレー
ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ 燃料 ライター
カップ カトラリー
【その他】 カラビナ、スリング、細引き、プルージックコード、モバイルバッテリー、予備ヘッドライト、風力計、アマチュア無線機、2バンドラジオ

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登山計画を立てる