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北尾根登って鳥井立 笹ヤブ泳いで赤鞍ヶ岳

赤鞍ヶ岳、長尾、鳥井立、二十六夜山、棚ノ入山( 関東)

パーティ: 1人 (鋸太郎 さん )

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行程・コース

天候

晴れ時々曇り 日差しは余りなし

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 尾崎集会場へ駐車
(駐車場代代わりに入口のお社にお賽銭)

この登山記録の行程

尾崎集会所0550……0659鳥井立(とりいだち)北尾根取付0659……0837鳥井立(御牧戸山)0839……0907長尾(長尾山、焼平山)0907……1005池の窪(1193P)1005……1039赤鞍ヶ岳(ワラビタキ? ワラビタタキ?)1040……1139秋山峠1139……1145赤鞍ヶ岳(朝日山)1157……1228棚ノ入(たんのいり、サンショ平)1228……1237棚ノ入山1237……1330三日月峠1330……1344二十六夜山1347……1501尾崎集会所

コース

総距離
約17.0km
累積標高差
上り約1,627m
下り約1,625m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

道志山塊の鳥井立からふたつの赤鞍ヶ岳へ登り、二十六夜山まで歩いてきました。
午前6時前に秋山の尾崎集会所に到着。車を止めさせて頂き、まずは県道35号線(四日市場上野原線)を東へ桜ヒルズゴルフクラブ(旧秋山カントリークラブ)脇まで戻りました。
  
四辻から適当に取り付き、鳥井立の北尾根を登ります。
鳥井立の北尾根は二又になっており、どちらかと言うと東側の尾根の方が少しだけ緩やかに歩けそうなのですが、迷うことなく西側を選択。
こちらには705Pというマイルストーンのあるのです。
ひたすら直登もストイックで嫌いではありませんが、初めて歩くバリは「励みになりそう箇所」があった方が歩きやすいですからね。
  
緩急織り交ぜた尾根を登り切るとアンテナが登場。
鳥井立です。
左右に尾根を歩いての鳥井立ですと
「まあ小ピークだな」
としか思わないかも知れませんが、南北に歩くとなかなかの登りごたえでした。
なのでアンテナとの対面もなかなかの達成感。
道中705Pを越えてからの50m程度の標高差は、この尾根の核心でしょうね。
所謂「手を使った方がまだ楽なんだろうけど、ギリギリ使えない角度」でした。
  
稜線に乗りましたら続いて西に向かいます。
「ここからは赤鞍ヶ岳までは、派手な標高差もないハイキングコースのはずだ!」
なんと言うことも考えながら歩き出しましたが、長尾の先で早くも出鼻をくじかれます。
なんともまあ、見事に尾根が分断されてます。
ほぼ最新版とも言えるオンラインの地理院地図にすら描かれていませんが、国道413号線の竹之本、馬場から北東に伸びている道路が正にここまで伸びていました
どうしようかしばらく考えましたが、どうにも迂回路が見当たりません。
だからと言って土がむき出しになっている工事中の法面を崩す訳にもいきません。
ならば残る道はひとつ。気合一閃、飛び降りました。
やがて法面工事もされてコンクリートで固められると思いますが、階段を付けるなど登山道向けの救済処置があるかは分かりません。
ですので、歩くなら今が最後なのかも知れません。
  
再び尾根に乗り、ふたつある赤鞍ヶ岳のひとつ目、別名ワラビタキ(ワラビタタキ?)の麓へ着きました。
ところがこのお山、東斜面は見事に笹が生い茂ってます。
なんですが地図さんの仰るには
「東から登って山頂を越え、西へ抜けよ」
とだけ線が引かれています。
まあ見ると笹ヤブに向かって踏跡らしきものも見えます。
と言う訳で挑みました。
  
結果から言うとこれが大変でした。
東から山頂を目指す場合、北側を巻いてから南へ山頂を目指すのが正解だった様です。
久し振りに割と真面目なヤブ漕ぎをしました。
最初はまだ踏むだけで進めましたが、斜度もありやがて手でかき分けなくてはならなくなりました。
それも通用しなくなるといよいよ潜行開始です。
笹薮の下に頭を潜らせ、潜水するが如くに平泳ぎで進みました。
結局着くには着きましたが、苦闘の果てに発見する正しいルートには、毎度のことながら途方もない脱力感を食らいますね。
  
因みに落ち着いてからの反省なのですが、斜面の笹ヤブを漕ぐのは褒められた選択ではありませんでした。
例えば雨後。秋田駒でも食らったはずなのですが、水を含む笹ヤブ漕ぎはバケツをぶっかけられる並にずぶ濡れにされます。
それに地面に地下茎がむき出しになっていたら、横方向なら横方向で何度もつまづきますし、縦方向なら間違いなく滑ります。
今回はどちらもセーフでしたが、この日は気温も低く風も少し吹いてましたので、特に前者はひとつ間違えば低体温で体力を奪われていたかも知れません。
  
それでも秋山峠を越え、お昼前には本日の最高峰、もうひとつの赤鞍ヶ岳に着きました。
眺望はありませんが広く穏やかな山頂で、ゆっくり休ませてもらいました。
  
棚ノ入と棚ノ入山を越えて
(このふたつも、赤鞍ヶ岳と同じく山名の混同に端を発してそうです)
本日最後のマイルストーン、二十六夜山に着きました。
山頂には「山梨百名山」の柱が堂々と立つ立派なお山です。
ただ尾崎集会所近くの二十六夜山の案内にあった「素晴らしい眺望のきく地」は、今は昔と言ったところでした。
それはそれで歴史が感じられ、登って良かったと思えたお山でした。
  
その後ヘンドー沢沿いに下山。
今回も登山から下山まで誰にも会わなかった完ソロ
……と言ってもまあ、差し支えないとは思うのですが、
長尾の先で工事現場で数名の方にお会いましたね。
向こうも向こうで肌寒い平日の昼間におっさんが歩いてきたので、少なからず驚かれた様でした。
お仕事お疲れさまです!
  
東西に走る道志山塊の北尾根はひと言スリムです。
ですのでこの尾根への南北の登山・下山は結構容赦ありません。
短距離でストイックなお山歩きをしたい方にはお勧めです。
  
翌日には例のごとく腹筋背筋がバキバキになりました。
でも滅茶苦茶楽しかったです!
  
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(追記)
長尾の先で尾根を分断していた工事中の林道ですが、
名称を「富士東部(南)線」と言うそうです。
  
ややこしいのは、道志からうねうね北東へ伸びて
長尾の先で工事中だった林道が、
北の尾崎から伸びている林道と合わせて
「富士東部(南)線」とのことです。
  
では「富士東部(北)線」はと言うと、
尾崎から大地峠を抜けて北上し、
大月に至る林道らしく、これも工事中みたいです。
こちらはGoogle Mapで見る限り、ほとんど完成している様に見えます。
  
多分、道志から北上して尾崎を通り、更に大月までつながった時に
初めて「富士東部線」という名称になるのでしょう。

続きを読む

フォトギャラリー:102枚

月齢14.7の満月が今回もお見送り。
夜通し輝き続け、自分が駐車場に入ると同時に沈んでいきました。
今日はお月さまのお山に登るよー。

旧秋山村の尾崎集会場の駐車スペースを借ります。

駐車場代代わりに少しばかりのお賽銭。

隣には馬頭観音や二十三夜塔。

こちらの奥には青面金剛さま。
庚申塔ですね。

二十六夜山こっち。
でものっけから逆らって逆へ向かいます。

とは言え二十六夜山登山口。
ご案内が充実。

なるほどふむふむと読んでいましたが

「と村の長老は申してますが、何分昔の話なもので……」と。
でも先の案内はかなりきれいですので、近年に作り直してますよね。
歴史を未来に伝える良い案内だと思いました。

県道に出てしばらく車で来た道を戻ります。
登山口最寄りの下尾崎バス停です。

土日は2往復/日ですが、9:16に着いて15:01のバスで上野原に帰るのは、赤鞍ヶ岳往復でギリギリ間に合いそうです。
考えられてるかも知れませんね。

道路を沿う秋山川はなかなかの渓谷です。

折角車で登った標高を15%もの坂道で降りて行きます。

秋山地区はこの様なフェンスが一帯に張り巡らされていました。

きっとこれに触ってビリビリ来たら、自分も害獣認定なんだ……。

「ボケて」のお題の様な看板。

電話ボックスは多かったと思います。
コンビニはありませんでしたね。

ダメだ。
営業中だったら絶対入ってましたね。
カットだけでもやってくれたかな?

秋山小の脇を抜けて

林道を進んでいきます。
因みにここへ来る前一度道を間違えてます。
地図にない道へ吸い込まれました。

本文中に記しました「四辻」です。

先の写真の右奥の尾根が目的の、鳥井立北尾根です。

では適当に取り付きましょう。
すっかり不良になってしまった感があります。

動物の足跡が目立ったのですが、ハクビシンかその辺りではないかと思います。
毎回丸い大きな足跡には
「くま?」
と思うのですが、クマなら細長く巨大な後足の足跡もセットのはずです。

現在は登山道とは記されていませんし、過去の調査もできていませんが、登山道らしき跡はありました。

7時過ぎにお日さまー! 
北尾根ですので少しご挨拶が遅れましたね。

30分ほどで705Pに着きました。
ひと休みします。

ところがここからが小規模ながらこの尾根の核心でした。

なかなかの斜面。
土が柔らかいので、木の向こうに足を置いてから休むのを心掛けました。

でも良い尾根です。

頑張って稜線に到着。
アンテナさんがお出迎え。

鳥井立、登頂です。

何気にとても大事な施設がありました。

三等三角点「神野村」です。

るーちゃん、鳥井立に降り立つ! 
鳥のお山は久し振りです。

では稜線を西に向かいます。

標識だー!

おっと、なかなか古い缶だ! 
ペプシがファンタに挑んだ炭酸飲料「ミリンダ」のオレンジです。
これは1975年頃のデザインですね。

長尾に着きました。
好調です。

ところが行く手を遮る事態発生! 
尾根が分断、切通し状態となっていました。

道路工事の真っ最中でした。
確かにこの尾根がいかに南北の集落から近いとは言え、聞こえてくる工事の音が近すぎるとは思ってたんです。

そりゃ目の前で工事してるんですもん。
当然です。

でもさすがプロですね。
きれいに作るものです。

ちなみにオンライン版の地理院地図でも、まだここには道がないことになっています。
まあまだ未開通ですしね。

でも写真には写ってました。
前回の仙丈ヶ岳といい、これからは事前に現地の航空写真も見ておくことにしようかなあ。
最近は地図にない道に出会う確率がちょっと高いです。

地図に加筆するとこんな感じですね。

因みに北からも延伸されているみたいですので、いずれ繋がるでしょう。
その時こちらの尾根もまだ登山道として繋がっているかは分かりません。
まあ、登山道は一期一会だと思っています。

法面を崩さない様に飛び降り、反対側の尾根に乗りました。

樹林帯の登山が嫌いじゃない理由のひとつに、この
「光に向かって登って行く」
感があります。

池の窪(1193P)に着きました。
この標識シリーズの作者さんには珍しく、山名がありません。
てことは実はここは池の窪ではない? とも思ってしまいます。

道志村大栗からの登山道合流点です。

大室山です。
実はまだ登ったことがありません。

これがウバガ岩でしょうか。
これは南側ですが、北側にはもっと規模の大きな岩壁がありそうですね。

さあ赤鞍ブラザーズのひとつ、別名ワラビタキ(ワラビタタキ?)の赤鞍ヶ岳の麓です。

ササの海に全力でダイブでしました。
ホント頭ごと沈めて突っ込み「泳いで」進みました。

全力で泳ぎ切ったら
「ああ、……まあ、ご苦労様」
とバツの悪そうな雨量観測所さんが登場。
北から巻いて山頂を目指せば、ヤブ漕ぎなんて全く必要ありませんでした。 
いいんです! 我が知識情報不足の果てのチカラ技に悔いなし! 
巻き道なんてなくたっていいんです!

山頂標識です。

三等三角点「大栗村」です。

因みにこれはヤブ漕ぎの代償です(転んだりはしていません)。
なお当日の最低気温は5℃、最高気温は15℃。
日は余り差さず稜線では風も少しあり、Tシャツ一枚では汗冷えもあって少し寒かったです。
いえフリースとかライトシェルとか、防寒具は持って行ってるんですよ? 
ここ最近は一度も引っ張り出していませんが。

山頂の様子です。

大室山、加入堂山から連なる道志山塊の南尾根です。

奥から顔を出すのは箱根の丸山ですね。
同定に苦労しましたが、山頂のアンテナで判別できました。

ここから秋山峠までは、今回の行程で一番の眺望スポットでした。
なんですが、予報より3時間早く曇って来てしまいました。

まあ、予報外の雨にさえならなければOKです。
おや、標識ですね。

秋山峠に着きました。

あと少しで本日の最高峰です。

赤鞍ブラザーズその2、別名朝日山に着きました。
それにしてもこの山域はお名前が混乱してますね。
お山からすれば
「好きに呼んでいいよ」
といったところでしょうけどね。

因みに「いかにも」な標石なこちらは、三角点ではありません。

山小屋の看板風な標識。
いいですねー。

るーちゃん、本日の最高峰に降り立つ!

続いて本日最後の目的地、二十六夜山に向かいます。
最初は広い尾根で迷いそうですが、主に白テープを追っていけば大丈夫です。

棚ノ入に着きました。
四辻ですが、真北へ向かう無生野方面はやや荒廃しているみたいです。

山名が沢山ある理由が書かれてました。
一登山客としては大層なことは申せませんが、仲良くしてくれれば越したことはありません。
見習おうね大谷嶺/行田山(を取り巻く人々)。

おや。
ホコリタケの幼菌ですね。

棚ノ入のすぐ隣、棚ノ入山に着きました。
このふたつも別なんですよね。
西から来たのでちょっとした小ピークの感がありましたが、北から登ると苦労の果ての山頂だと思います。

こちらも大事にされていますが、三角点ではありません。
先の赤鞍ヶ岳山頂のもそうですが、境界標石だとは思います。

一筆入魂! な標識もありました。

動物のフンです。
このフンは道中沢山見かけましたが、多分タヌキ/ハクビシン系でしょう。
ちなみにクマのは引くくらい巨大です。

崩落個所登場。

あらら。
相当な規模だったみたいです。

でもお陰で眺望が開けていました。
小金沢連嶺ですね。
中央の最高点に見える山は黒岳だと思います。
写っている限りの、ほぼ左から右に稜線を歩いた経験がありますが、滅茶苦茶大変でした。

行っちゃダメロープ。

三日月峠に着きました。
この頃になってようやく足腰の筋肉が「お山登り」を思い出したのか、斜度に関わらず一定のペースで休まず登り続けられる様になりました。
もう下山途中なんですけどね。

緩急ありますが歩きやすい登山道です。

二十六夜山山頂への分岐に着きました。

二十六夜山、着いたー!

三等三角点「高が子」です。
なんて読むんだろう?

るーちゃん、二十六夜山に降り立つ!

山頂の様子です。
確かに今では眺望の良いお山とは言えませんね。
でも趣のある良いお山でした。

二十六夜塔、こっち。

二十六夜塔です。
明治22年7月吉日建立とありました。

さあ、それでは下山しましょう。

ヘンドー沢は何度か渡渉します。

無事麓の集落まで降りてきました。
ところが例の柵を前に
「くぐっていいの?」
と悩み、ゴール手前で迷いまくりました。

写真は廃ブランコと廃滑り台です。
近くに小学校がありますから、そこから移設したものかも知れません。

鉄塔「ふふん!」

それでもどうにか尾崎集会所まで着いて山行終了です。
お疲れ様でしたー!

「おつかれさまー!」
「おみやげ買えなかったので、お山で食べるつもりだったマリなんとかです」
マリトッツォ・パンプキンね。

本文と合わせて補足です。
長尾で工事中だった林道ですが、名称を「富士東部(南)線」と言い、道志村竹之本から尾崎まで延びる計画です。

「富士東部(北)線」は尾崎から大月市梁川までの予定らしいです。
地図には全長の3割くらいしか道路として記載されていませんが、空中写真を見る限り、ほとんど工事は終わっているみたいです。

それにしてもこんな面白い現地情報が、まさかスタート地点にあったとは……。

近い将来、ここもヒルクライマーの聖地になるかも知れませんね。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図
コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ
修理用具 ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け
熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ 軽アイゼン
燃料 ライター カップ クッカー カトラリー
【その他】 アマチュア無線機、2バンドラジオ、風力計、モバイルバッテリー、予備ヘッドライト、シットハーネス、スリング、カラビナ、デイジーチェーン、ウエビング、クイックドロー、細引き、スカイフック、ATC、プルージックコード、タイブロック

みんなのコメント

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  • 鋸太郎さん
     こんにちは!

     鳥井立、赤鞍ヶ岳、二十六夜山、懐かしく思い出しました。
    私は道志側から楽してピークハント気分で登ったように記憶しています。

     それにしても、秋山側は距離もあり、かなり荒れているようですね。
    近くにもう一か所、二十六夜山があったように記憶しています。

  • トマトとケチャップさん
    コメントありがとうございます。
    ご無沙汰しています。

    いえ、荒れてる様に書いてしまったワラビ赤鞍ヶ岳ですが、
    きちんと道を見つけられれば、ヤブ漕ぎなどは全く必要なかったのです。
    私がはしゃいでやらかしてしまっただけです。

    ただ長尾の先の尾根分断は、今後も様子を見て行きたいです。
    通して良いコースでしたし、ハシゴなどの救済措置を
    取ってもらえればいいのですけどね。

    道志の二十六夜山も、いずれ登ってみたいと思います。
    進行や古い石碑の残る山っていいですよね。
    写真撮るだけ撮って、帰宅してから調べるのがまた楽しいです。

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