行程・コース
天候
初日:曇り時々雪、2日目:吹雪後晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
往路:郡山駅→奥岳間の福島交通シャトルバス
復路:福島交通の奧岳~岳温泉間の実証試験中の無料バスを使用し、岳温泉で路線バスに乗り換え。
この登山記録の行程
【1日目】
奥岳(11:00)・・・勢至平(13:50)・・・くろがね小屋(14:40)
【2日目】
●サブプラン③(出発時からホワイトアウト)
くろがね小屋(07:40)・・・勢志平(08:50)・・・奥岳(09:50)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
クリスマスの大寒波が来ている中、天気予報や降雨予想から見ても降雪状況が分からなかったため、2日目の天候不良の場合のサブプランとして以下の3パターンを検討した。
サブプラン①峰ノ辻まで行って、牛ノ背まで行かずに登頂し、薬師岳経由で下山
サブプラン②峰ノ辻まで行って登頂不可能と判断した場合、勢志平まで引き返して下山
サブプラン③くろがね小屋から直接下山
ビバークも想定しながら、郡山駅前よりあだたら高原スキー場までのシャトルバスに乗った。平日とはいえ乗客は4人。もっと乗る人が増えないと、この路線が廃止になってしまう!
あだたら高原スキー場について、昼食をとろうとレストハウスに向かうと営業時間前。予想外だったが、オープン時間の11時まで待つと到着が遅れそうなので、行動食のえいようかんを食べて凌ぐことにした。ちなみに売店には軽食のたぐいはなかった。
装備を整えていると、先程のバスで同乗だった若者も山に入る様だったので、声を掛けると彼もくろがね小屋へ宿泊するそうだったが、かかんもスノーシューもなく軽装だったので聞いてみるとつぼ足で行くとのこと。カモシーに叱られるぞ。
さらさらのパウダーの中、烏川橋まで来てワカンを装着した。踏み跡が続く登山道を横目に、山スキーのシュプールしかない馬車道をあえて選択してふかふかの雪道を進んだ。途中まで来てやけに勢志平が遠く感じた。それもそのはず、馬車道は斜面は緩いが大きく蛇行しているため行程は長いのだ。
勢志平に着いて、サブプラン②で検討していたルートは完全に埋まって、相当に厳しいことが判明したため、サブプランは残り2となった。遮るもののない勢志平付近より、地吹雪が強くなって前方のトレースがドンドン埋まっていく。その先のくろがね小屋手前の川沿い斜面のトラバースも、いつもの様にズボズボとよく崩れる。
小屋手前で積雪が多い夏道を避けたのか、そのまま河原を突っ切ってくろがね小屋へ向かうトレースが着いていたのでそのまま向かった。くろがね小屋に着くと、小屋の手前は雪に埋もれてトレースが全くない状態で、小屋前で雪を落しているとスノーシューの人が休憩にやって来たので情報交換した。彼の話では峰の辻より先は所によりラッセルが必要で、当初は牛ノ背から登頂予定だったが、南側から登頂したとのこと。山頂付近は立っているのがやっとの強風で、登ってた人は2人くらいしか見なかったとのこと。この時点で、初日より風が強くなる翌日の登頂を諦めた。
小屋に入り手続き後、ストーブ前で濡れたものを乾かしながらビールをグビリ。片付けを済まして熱い温泉に浸かりすぎてのぼせて具合が悪くなる。昼飯抜きも良くなかった様だ。17時半からの夕食のカレーを2杯食べたら血糖値が上がって回復したが、寒いのでシュラフに入っていたらそのまま寝落ち。足がつって目が覚めると20時半。売店でポカリスエットを購入して電解質を補給。往路は強風の中、ほとんど立ち止まらずに進んだため、給水もできなかったし行動食も食べられなかったのが響いていた。
翌朝までぐっすり眠って5時半に目が覚めた。小屋の室温は4℃だったが、最強のシュラフ、モンベル#0だったため、むしろ汗ばむくらいだった。すぐに1階へ降りて水筒用にお湯を沸かした。くろがね小屋で火器を使う場合、床上ならOKだ。お湯を沸かしたり、ハクキンカイロの燃料補充をしている内に6時半の食事の時間になる。この頃には明るくなってきたが、外は地吹雪が吹き荒れていた。トレースも完全に消失していた。
小屋を出てワカンを装着している中、強風に当たると一瞬でバラクラバのしめった口元が凍り付いた。気温は約-10℃。朝イチに出た人のトレースがほとんど消えかかっている中、前日の河原を突っ切るコースを行くと、雪が吹き溜まって抜けられなかった。そのため、一度引返して夏道へ向かうと、薄ら残るトレースがあった。
金明水付近のトラバースも一晩でタップリ雪が積もっていたが、踏まれている場所は足下が固いので歩きやすいが、踏まれていないところに踏み込むと踏み抜く。この時の踏み抜きで片方のストックが折れてしまったが、折れた先は雪に埋もれて回収できなかった。
勢志平に着くと足場も良くペースが上がる。あまり早く着いても食堂や温泉がやっていないので、写真を撮ったりしながら緩いペースで進んだ。時折差し込む日差しを感じながら、地吹雪で空は見えないものの、天気予報的には晴れなのだろうと思った。写真用に持ってきたGoProは、写真モードでは平気だったが、動画モードにすると強制シャットダウンしてしまった。
登山口には概ね予定通りに到着し、スキー場のレストハウスで装備を片付けたりして時間をつぶし、食堂のオープンを待った。オープンした食堂へ行くと、食べようと思って楽しみにしていたあだたら丼はなく、仕方ないので牛すき卵うどんで妥協した。岳温泉の成駒でカツ丼をと思って調べると定休日。ついてない。
食後は登山口にある奧岳の湯でバスの時間までゆっくりした。奧岳の湯はくろがね小屋の側の源泉から温泉を引いているが、湯ノ花の量がかなり減少していた。途中の送湯管に湯ノ花として沈着して仕舞うのだろう。ここの露天風呂は開放感があって素晴らしいが、この日は地吹雪が凄かったため、あっという間に髪の毛がバリバリに評決してしまい、風が吹いてくる間は顔に当たる風雪がいたくて目を開けていられない。
3年前もそうだったが厳冬期の安達太良山は寒気がもろに入ってくるため、天気予報が快晴でも山の高いところは氷の雲の中だ。帰りのバスが標高950mの奧岳から、標高500mの岳温泉に降りる頃には空はピーカンの青空に。ほんとうの空はここにあったかと思いつつ、再チャレンジを決意した登り納めだった。
フォトギャラリー:23枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | 登山靴 |
| バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | タオル |
| 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | 地図 | コンパス |
| ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 修理用具 |
| 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 |
| テーピングテープ | トレッキングポール | GPS機器 | シュラフ | スリーピングマット | ストーブ |
| 燃料 | ライター | カップ | クッカー | カトラリー | ローソク・ランタン |
| アウターウェア | オーバーパンツ | バラクラバ | オーバーグローブ | 雪山用登山靴 | アイゼン |
| ピッケル | ワカン | ゴーグル | ヘルメット | ||
| 【その他】
装備重量:約13.5kg(ザック容量80L、ワカン、アイゼン、ヘルメット等、全て収納) 食料:27日昼食@えいようかん×1、27日夕食@くろがね小屋@カレー 28日朝食@くろがね小屋@温泉卵、28日昼食@スキー場レストハウス利用@牛すき月見うどん 非常食:えいようかん×7 水:紅茶0.5L(翌日の水はくろがね小屋で熱湯補充、使用量0.3L) 寝具:コロナの影響によりくろがね小屋では寝具の貸し出しを行っていないため、シュラフとマットが必要 その他:ハクキンカイロ、マグマ(電子機器保温用)、コロナの影響により、小屋で購入したビールやジュース等の空き缶やペットボトルは持ち帰りとなっている。 |
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