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第35回外秩父七峰縦走大会 花あふれる里山をゆく

石尊山、官ノ倉山、笠山、堂平山、剣ヶ峰、白石峠、大霧山、二本木峠、皇鈴山、登谷山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ・最後に雨

登山口へのアクセス

マイカー
その他: スタートの会場へは公共交通機関を使うこととあるので、ゴールがある寄居駅付近の駐車場を利用する。駅付近には便利な一日200円の駐車場が幾つか点在している。今回利用したのは一日150円の駐車場。30台程度。トイレは近くの公園のトイレを利用。前払いの仕組みで、精算機でチケットを購入して窓に掲示する。日にち単位での清算だと思い、車中泊分含め2日分支払ってしまったが、24時間単位で計算されるため1日分で十分だった。

この登山記録の行程

小川町役場(06:16)・・・石尊山(07:08)・・・官ノ倉山(07:14)・・・笠山(09:42)・・・堂平山(10:23)・・・剣ヶ峰・・・白石峠(11:24)・・・大霧山(12:18)・・・二本木峠(13:27)・・・皇鈴山(13:43)・・・登谷山(14:01)・・・寄居駅南口駅前(スーパー・ベルク横)(15:36)

コース

総距離
約39.9km
累積標高差
上り約2,371m
下り約2,364m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

数年前に参加した福島県「いわき七峰縦走大会」のゴールで、スタッフさんと会話していた際に「外秩父七峰縦走大会」の存在を知った。
そもそも「登山の大会」って何?と思うかも知れないが、しっかりとした目標があって、それに対して多くの方と志を同じに歩くのも、また一興というものだ。過去には山仲間と共に六甲全山縦走大会に2回参加したこともある。
早く申し込まないと一杯になると聞いていたため、受付開始直後にWEBで申請(2,000円也)。その時点では気分も盛り上がっていたが、参加料金振り込み以降も一向にゼッケンが郵送されてこなかったため、しまいには仕事に忙殺されて申し込んだことさえすっかり忘れていた。
そんなこんなで、コース(山)の予備知識も無い状態で前日を迎えてしまった。
土曜日の午後、大会のゴール地点となる寄居駅へ向かう。夕方、駅近くの駐車場を見つけて早めの車中泊とする。コインパーキングを想像して「車中泊、大丈夫かな?」と心配していたが、民家裏の空き地でゆったりとした場所だったので全く問題はなかった。夕方時点ではスペースがあったが、深夜に参加者と思われる車がどんどん入ってきて直ぐに満車になってしまったため、なるべく早めの到着をお勧めする。
(【参考:駐車場情報】http://www.space24.co.jp/sp/parkings/detail/85542)
暗くなる前に、駅まで歩き会場へ向かうための始発の時間を確認した。5:18。
受付時間前に到着するには始発に乗るのがちょうど良いらしい。
夕食と登山中の行動食を買い込むため駅の周辺をウロウロするが、お店らしいものが見当たらなかった。数日前までは夏日のように暑かったというのに、ここ数日は気温がダダ下がりで、日が陰ったとたん身震いするほど肌寒くなってきた。明日は長袖を着込んだ方が良さそうだと思った。
駅を中心にちょうど一周したところでスーパーを発見した。
100均(ダイソー)も隣接していて相当規模の大きいお店だ。ちなみに後で気が付いたが、このスーパー横の駐車場がゴール地点になるとのこと。
買い物を済ませ、車の中で食事をする。
ビールが欲しかったが、トイレを避けるためなるべく水分をとらないようウイスキーにしたが、アルコール度数が強い分、効き目も凄くコップ数杯で寝袋に入る間もなく爆睡してしまった。夜、寒さで目が覚めて、急いで寝袋へ潜り込み、再び爆睡。
4:00に起床。
まだ暗い中、筍入りの炊き込みご飯を食べる。このシーズンになると筍が無性に食べたくなる。明るくなってきたので、身支度を整えて駅へと向かう。
長袖のアンダーを着込んだが、それでも更に上着が欲しくなるほどに寒い。
駅には既に20名ほどの登山者が集まっていた。自分のような登山スタイルと、トレイルランナースタイルが半々と言ったところか。
格子状のゲートの前で並んで待っていると、「ガラガラ」という音と共にゲートが天井に吸い込まれていく。上がり切っていないというのに頭を低くして先を進む人もいる。「電車に乗り込む段階で急いでも仕方がないのに」と思いつつもこれだけ人が集まると、自然とテンションもあがるので気持ちは理解できる。
始発電車へ乗り込む。
車両の中は溢れんばかりの登山者。こんな不思議な光景はそうはない。
5:18になり電車がゆっくりと動き出す。
コースや山について、少しでも頭に入れておこうと僅かな移動時間を利用してスマホで情報を探る。「外秩父七峰縦走大会」。総工程42km。高低差約2,000m。ペース配分に気を付けていれば問題のある距離ではない。ただし、この大会には「走ってはいけない」という登山大会ならではのルール加えて、自然保護のために「ストックの禁止」が課せられている。普段からストックは使わないものの、40kmを超えるとなると、正直、「ストック無し」はハードルが高い。
スタート地点のある「小川町駅」で下車。
駅を出るとなにかに導かれるように一つの方向へと人の波が動いていく。自分も迷わずその流れに乗る。集団心理というやつだ。
スタート会場となる小川町役場は駅から歩いて5分程度のところにあった。
始発できたというのに到着した時点で100人以上の列ができていた。
道の向こうには緑色のバルーンで作られた半円状のゲートが設置されていた。大きく七峰縦走と書かれている。
この大会は、マラソンのように「よーい、ドン」ではなく、6時30分から9時20分までの時間の中で、受付が終了次第、順次、スタートを切っていく仕組みとなっている。思いおもいの時間に参加すればよいが、あまり遅いと山での渋滞に巻き込まれるので、できるだけ早めの時間に参加するのがお勧めだ。
寒いので早く身体を動かしたい。
振り返ると、いつの間にか列が蛇行しながら駐車場をいっぱいに埋め尽くしていた。前回の大会では3,000人の参加者があったという。今回も同じくらいの人数規模なのだろうか。
例年、集まった人に合わせて早めにゲートが開くと聞いていたが、今回も6時になった途端、列が動き出した。
スタッフの方が、20人ほどの単位で列を区切り、ゲートへと送り出していく。
自分の番となり緑のゲートをくぐって受付を済ませる。
受付を済ませてからゲートをくぐる方が、気分が盛り上がって良いと思うが、順番が逆なためスタートを切った緊張感が今一つ無かった。
受付で記録カードを入れるケースと地図を貰った。ケースは、首にぶら下げることができるので行動中も取り出しやすくとても有難かった。一方、地図はゼッケンと同じく事前に郵送しておいて欲しかった。当日貰っても、結局、大会中に見ることは一度もなかった。
わらわらとスタートしていく。
ゆったりした感じで、自分もその速度に合わせて歩き出す。まるで遠足のよう。
街中を抜けてどんどん田舎へと風景が変わっていく。
沿道には色とりどりの花が咲いていて春万歳と言った感じ。甘い花の香りをかぐだけで足取りが軽くなる。
この大会では7峰8区間を歩く。
CPにはそれぞれ受付の時間制限が設けられており、決められた時間幅の中で通過しなければならない。早く着き過ぎても先に進めないことが禁止事項「走らないこと!」への徹底に繋がっている。
最初の目標「官ノ倉山(かんのくらやま)」へ入っていく。
低山ながら、いきなりの急登で息が上がる。官ノ倉山の山頂にタッチして最初のCPでスタンプをゲット。
滑り出しは順調。ただし、先は長いので丁寧な足運びを意識して無理をせず歩く。
続いては、官ノ倉山CP~笠山CP。最も距離が長く、高低差約700mと全コースの中でも一番過酷な区間と言われている。
まずは長い車道を歩いていく。
途中「道の駅和紙の里ひがしちちぶ」に立ち寄る。
そのまま通り過ぎようと思っていたが、結果的にトイレ休憩を入れたのが良かった。実は、道の駅が分岐点になっていて、コースは裏側を抜けて延びている。車道を歩き続けていたら誤った方向に進んでいたところだった。
道の駅から林道に入り、山を登っていく。遠くに次の目的地「笠山(かさやま)」が高く聳えて見えた。
林道を終えて登山道へ。笠山は、標高837m。なかなかのハードな山道が続く。
山頂のCPで二つ目のスタンプをGET。
次は堂平山CPを目指す。区間は1.7kmと先ほどに比べたら極端に短い。42kmもあるのだから、もう少しバランスを考えたら良いのにと思うが、山に合わせているためか場所によってはCPの区間が極端な設定になっている。
勢いよく笠山を駆け下りたのがよくなかったのか「しまった!」と思った時には既に遅く、両足へ激痛が走りたまらずその場に座り込んでしまった。転倒しなくてよかったと心配したほどの緊急事態。耐えられない痛み。縦走も始まったばかりだというのに、情けない話だ。
足を休めて回復を待つ。5分ほど待ってから恐るおそる歩いてみる。生まれたての小鹿並ではあるが、なんとか動けそうだった。
堂平山へ到着。頂は見晴らしの良い公園になっていた。シンボルの「堂平天文台」がクラシックな建物で実に趣がよい。
天文台入口に設置されていたCPでスタンプをGETして、山頂にあったベンチに腰を下ろし、初めての水分補給を行う。
天文台の横に出店が2つほど出ていた。何を売っているのか気になったが、人がまばらだったので、冷やかしで覗くのはやめることにした。
次の剣ヶ峰CPへ。
ここもアンバランスな区間。堂平山から剣ヶ峰CPまでは僅か0.9kmしかない。
峠のCPで「この先、剣ヶ峰です!」とスタッフの方に声をかけられた。剣ヶ峰というからには相当な急登が待っているのだろうと身構えながら登ったが、あっけなく稜線に出てしまい、結局、どこが剣ヶ峰だったのかよく分からずに稜線を進んだ。
次は、剣ヶ峰CP~大霧山CP区間。距離は6.1km。
白石峠へ到着。
行く手に見上げるような階段地獄が待っていた。
せっかく回復した足が一瞬でダメになりそうだった。階段はやはりシンドイ。
その後、長い稜線を進む。
銀色の手すりが見えてくると次のポイント定峰峠も近い。古い表現だが「峠族?の聖地」なのかバイクの音が谷間に響き渡っていた。
峠にはお店があったので、自動販売機で飲み物を補給しようかとも思ったが、まだチャンスはありそうだったので立ち寄らずそのまま先へと進む。
峠からの登り返しがきつい。足が上がらないと思ったら、お腹がもうペコペコだった。定期的に行動食をつまんでいたが、お昼時なのでしっかりご飯を食べたいと、霧山CPに到着するなり、座り込んでおにぎりを頬張った。
大霧山(おおぎりやま)は標高766.6m。見晴らしがよく、条件が良ければ秩父方面のいろんな山が見渡せるらしい。
おにぎり2つでなんとか復活。ご飯パワーはやはり素晴らしい。
次は大霧CP~皇鈴山CPの区間を歩く。5.7km。
大霧山を降っていくと舗装道路に合流した。
ここから気が遠くなるほどの長い舗装道路歩きが始まる。
山を抜け、開けた場所の先には「秩父高原牧場」があり、ピクニック目当ての家族連れで賑わっていた。
お店があったので、樽に冷やされていたコカ・コーラを一本購入。ここまで歩いたご褒美だ。椅子に座って、「シュワ―」と爽快な喉の刺激を楽しむ。
振り返ると遠くに歩いてきた笠山や堂平山が見えていた。
後で知ったが、その牧場はとても美味しいソフトクリームで有名だったとか。コカ・コーラを買って喜んでいる場合ではなかった。残念。
再び舗装道路を進む。
「もう飽きた!」と思う頃、二本木峠の看板が目に入った。
舗装道路から登山道へ入り、ほどなくして皇鈴山(みすずやま)の頂へ到着。
標高679m。
CPを済ませ、展望エリアの方へ立ち寄ってみる。
遠くが霞んでいたが、素晴らしい景観だ。インスタ向けの映えポイントか、ピンク色をしたクラシックな郵便ポストが設置されていた。
さて、七峰もついに残すところ「登谷山」のみ。皇鈴山も読みの難しい山だったが、これもまた読みづらい。登谷山と書いて「とやさん」と呼ぶとのこと。
皇鈴山CP~登谷山CPの区間は1.2km。記憶に残らないほど短いので、一気に歩き切った。頂では、最後の山としてこれまでの工程をゆっくり振り返り休憩しようかとも思ったが、見るからに天候が怪しく冷たい風に雨の気配を感じたので、そのままゴールに向かって歩くことにした。
登谷山CP~ゴールまでは9.7km。完全に舗装道路との戦いになる。
足を降ろすたびにアスファルトの跳ね返りが、ダメージとして蓄積されすぐに足の裏が痛くなった。舗装道路は嫌いだ。
延々と続く舗装道路の下り。民家が見えてきた時は本当にホッとした。
民家の数が増えるにつれ、道の勾配も水平へと変化していく。
完全に山を降り、あとはゴールに向けてひた歩くだけ。
そこに「ポツリ、ポツリ」と小粒の雨が降ってきた。「ついに来たか」。
強まる気配があったため早めに雨傘を出す。レインウエア―もあったが、この程度であれば傘の方が断然便利だ。
線路を横切り、橋を渡るともうゴールも近い。
大きな建物があると思ったら、昨晩、買い物をしたスーパーだった。ということは、もうゴールか。目線を先にやると、スタート地点で見たものと同じ半円状の緑色のゲートが見えた。
42kmの旅もついに終わり。両手をあげてゴールを踏む!!
完走の受付をして記念品の帽子を貰った。
緑色の帽子で「外秩父七峰縦走」と刺繍されていた。「微妙にダサい」と失礼なことを思ったことに罰が当たったのか、その直後、どこかに忘れてきてしまった。失ったとなると急に惜しくなるから不思議だ。
トータル約9時間。両足がつったため思うようにスピードは出せなかったが、まあまあの時間だ。
全工程42km。高低差2,000mなので簡単ではないが、ある程度の山歩きをこなしていれば決して無理なコースではない。
これで、「六甲全山縦走大会」「いわき七峰縦走大会」「外秩父七峰縦走大会」と3つの登山大会を経験。登山を競う必要はないが、たまにこのようなイベントも悪くない。

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みんなのコメント

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  • うぉ~楽しそう~

  • みんなで参加したいね。
    とことん歩いて歩きまくろう!!
    ^_^

  • 追いつかなかった。悔しいです。

  • 翌日が休みだったら、一緒にスタートできたのですが。
    また、山に行きましょう。
    六甲全山縦走お気をつけて、楽しんできてください。

登った山

堂平山

堂平山

876m

大霧山

大霧山

767m

官ノ倉山

官ノ倉山

344m

登谷山

登谷山

668m

皇鈴山

皇鈴山

679m

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