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日本千山 627と628/1357

積丹岳と余別岳( 北海道)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

登山口(6:15)積丹岳(8:3050)鞍部(9:50)余別岳(10:40~11:20)積丹岳(12:45~13:25)登山口(14:50)

コース

総距離
約15.1km
累積標高差
上り約1,400m
下り約1,400m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 国道から外れて積丹岳登山口への林道を上がる。2年前の4月、山スキーでの登頂を目指してここまでやって来たが、粉糠雨の降る夜を車の中で小さくなって過ごした翌朝、「さあ、登るぞ」とスキーを履いた時、ストックが無いのに気付いて愕然とする。前日、群別岳を退却した際に登山口にストックを忘れて走って来たと言う次第だ。
                 
 林道終点に立つ休憩所の前には札幌ナンバーの車が1台停まっており、中を覗くと若いペアーが食事中である。入山者手帳に積丹岳・余別岳と目的地を記入して歩き始める。行動は10時間ほどになるだろうと予想して、水2ℓとスポーツ飲料500ccをザックに入れる。
 樹林の下の登山道はよく踏まれている。朝露をたっぷり含んだ夏草や笹が頭を垂れて嫌らしいが、若竹を折って足元の草木の露を払いながらどんどん歩く。途中から、効率の悪い竹に替えて枝葉の付いたナナカマドの枝を重宝する。
 フンベツの沢を越えて行くと、台風で倒れた木の大きな根張りが目を惹く。標高850m付近で勾配が増し、しばらくすると再び緩くなって続く。高度が上がると岳樺が雪の重みで地を這い、何回も頭を幹にぶつけて痛い思いをする。途中、雪融けの遅い所では根曲竹の筍が採れる。
 九合目で岳樺が終って笹原となり、今日始めてみる高山植物のキスゲの黄色が眼に鮮やかだ。ガスに包まれて視界は無く、頂上は見えない。2本目を立てようと高度計を見ると山頂までの標高差は残り30m程で、「山頂でゆっくり休もう」とノンストップで進む。
 欠損した三角点標石の奥には木柱が立ち、水浸しの靴を脱いで靴下を絞りながら「余別岳に登ろうか、如何しようか」と考える。視界は100mも無いが、ガスは薄く上空が明るくて雨の心配は無さそうだ。山頂の先へ進んで見ると明らかな踏跡が在る。
 2002年に国土地理院が余別山頂まで刈り払いしたと聞いているが、その跡が残っているようだ。「思ったより早く積丹山頂に着いたことだし、ここで引き返すと残雪期に再挑戦しなければならないから、勿体無い」と、前進を決意する。
 ガレを下って這松の中に入る。再び朝露攻めに遭い、「上半身ずぶ濡れになってしまう」と雨具の上下を着ける。切り開きがはっきりしない部分が結構あるが、相当多くの人が歩いたと思われる踏み固められた土面が足元に続き、注意深く歩けば道を見失う恐れは少ない。
地形図には、山頂から下降する途中に岩記号が在って気にしていたのだが、南面を巻いている。笹の茎が覆う傾いた道を両手で木の枝や笹を掴んでぶら下がるようにして進むので、腕力を使う。歩き易い尾根の背に出てP1,160mに達し、次の小さい瘤を越えて下ると最低鞍部に着く。
 黒緑の這松の山肌に、伐採跡が幅1mのやや明るい笹の筋となって伸びている。遠目には道とも見えないが、笹の下には確かに踏跡が存在する。水平に左へ回り込み、やがて山頂へ向かって直上する。小沢の段を越えると雪融け後間も無い草原が現れ、単調な笹の海から解放されるようで心が和む。
背丈を超す笹を両手で掻き分け、足元を見定めながら登る。急な登りが100m程続いた後に傾斜が落ちると小屋の残骸が現れ、岩の上に立つと草地が開けて花が咲き、人臭の無い原初の姿の余別山頂が目の前に姿を現す。ガスは薄く、靴を脱いで裸になると太陽の暖かさを感じ、山上の休息を楽しんでから帰途に就く。
 往きは半袖Tシャツの上に長袖を着て雨具を着けたが、帰りはTシャツと雨具のみで歩く。鞍部の手前で小屋で見掛けたペアーと出会って吃驚する。高度計を見、地形図で現在位置を確かめながらあやふやな踏跡を探しつつ慎重に進んだ往路とは訳が違い、帰途はピッチが上がって1時間20分で積丹岳に着く。ここでも大休止とし、雨具や上衣を脱いで木の上に広げ、靴下も水を絞って乾かす。
 登山口の小屋に戻り、管で引かれた冷たい水で顔を洗い、今夜の炊事と明日の行動用にPBを満たして街へ下る。2度目の正直で2つのピークを踏むことが出来、「距離も時間も程々のコースだ」と大満足の山行だが、最後までガスが取れず、積丹岳も余別岳も写真に撮れなかったのが心残りだ。

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装備・携行品

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登った山

余別岳

余別岳

1,298m

積丹岳

積丹岳

1,255m

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