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日本千山 1095/1357

延ばし延ばしの幾春別岳( 北海道)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

奥芦別林道(625m/4:40)三叉路(515m/5:40)源頭(915m/7:50)幾春別岳(8:25~40)最高点(9:20)林道(565m/11:25)車(11:55)

コース

総距離
約9.6km
累積標高差
上り約692m
下り約694m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 岩見沢市の空知森林管理署で林道のゲートの鍵を借りる。「奥芦別林道は崩壊してゲートから3キロ地点で通行止になっている。幾春別川左股沢林道は終点まで通行可能だ」と説明を受けるが、何となく奥歯に物が挟まったみたいな物言いだ。東面の沢が山頂近くまで上がっていて藪漕ぎが少ないと思われ登路として好ましいのだが、「説明通り奥芦林道が幾らも進入出来なかったら、西面の左股沢から登ろう」と考える。
 崕山への分岐点に在るゲートを開けて進入すると、3キロ地点の流失した路床は復旧されている。重機で整形された林道を慎重に走って5キロを過ぎ、7キロ付近で工事関係者の車と擦れ違う。「何処まで行けます?」と聞くと、「ブルで荒仕上げした後を、バックホウで整正している。昨日始めたばかりで、少し先までしか行けないよ」と迷惑そうな口振りだ。ゲートから11キロ地点の小広場にブルを停めてある。「入谷地点まで4キロくらいだろう。ここに泊って東面の沢を登ろう」と決める。

 テントで熟睡して朝を迎える。雲が広がっているが雨になる様子ではなく、熊と大藪漕ぎの不安に圧し拉がれないように気持ちを鼓舞して出発する。
 10分ほど歩くと分厚い雪崩のデブリが道を塞ぎ、その先には路体が洗堀されて車が通れる幅が無い所が2箇所現れる。この間に1~2週間前の熊の糞を目撃し、「やはり熊が出没するんだ」と時に声を上げて進む。
 本流に礼振橋が架かる三叉路で、目印となるものは赤布も何も見当たらない右から流入する沢に入り、最初の二俣を右へ進む。標高600mで崩壊した林道と出合い(6:15)、路体の砂利に腰を下ろして1本目を立てる。蚊やブヨの襲撃を受け、北海道の山に居ることを思い知らされる。
 標高630m二俣(6:35)の左俣は数mの雪に埋まっている。直角に流入する右俣へ入って遡行すると、700m付近の屈曲部の木の枝には1mの高さに鉄砲水の跡が残っている。笹の斜面を見上げる標高855m二俣(7:15)の水量は左3:右2で、初めて現れた黄と青の布テープは左俣の方を指している気がする。
 左俣は次第に傾斜が増して標高945m(7:45)で水が涸れ、沢靴を山靴に履き替えて薮に突入する。ネットの記録には背丈を超す猛烈な笹藪と書かれており、ここ数年、「早く登ってしまいたい」と願う気持ちに対して、「1人では大変そうだから、誰か相棒を探さなくては」と延び延びになっていたのだが、笹は疎らでどちらかと言えば歩き易い部類の藪だ。断続する微かな踏跡を追って笹と灌木を掻き分けて登り、南東尾根の上に出る。
 昔は登山道が通じていたそうだが、今は消滅してしまっている。尾根の背の西寄りは灌木ではなく腰~胸丈の笹が主体で視界が得られ、微かな踏跡が現れる。笹を掴んで腕力で山頂直下の急斜面を登ると、『幾春別岳』の白い山名板が目に飛び込み、二等三角点の立つ幾春別山頂に登り着く。
 恐れていた酷い笹藪漕ぎに遭遇することも無く余力を残して山頂に立ち、「最高点も踏もう」と頂稜を北へ向かう。灌木の中には微かな踏跡が見られるが、笹藪の中に入ると消えてしまう。筍を採りながら焦らずに前進すると最高点付近には膝丈の灌木が広がって視界が開け、岳樺に覆われた三角点峰が眺められる。懸想数年の幾春別岳には人1人分の空地と古いテープがあるだけで、物足りない思いだ。『小城羊羹』の包み紙を木の枝に括り付けて登頂の記念とする(~9:40)。
 北尾根の標高950m地点から北東へ流下する沢を下降して林道へ下りようと考え、北尾根に入る。猛烈な竹藪を漕いで標高1,030m(2022年現在、p960と考えると矛盾しないと気付く)まで進んで前方のp1,030を確認するが、「下りでこんなに大変では、p1,030を越えるのは無理だ」と、方針を変えて右の急斜面に入って源頭を目指す。この間の竹藪も濃密で、下りと雖も著しくエネルギーを消耗する。
 間もなく傾斜が落ちて笹と灌木の疎林となり、微かな獣道を辿るようにして下降を続ける。徐々に源頭の地形らしくなり、扇の要に当たる付近がはっきりした沢になっているのが見下ろされる。「地形図だと沢形がはっきりしないような斜面だと思っていたのに」と違和感を持つが、「沢が確りしていれば薮漕ぎの苦労が少なくて林道へ下りられる」という安心感の方が勝る。
 標高915m(10:10)付近から涸れ沢に入り、815mまで下るとヤチブキが生い茂って水流が現れる。沢靴に履き替え(815m、10:15~35)て下ると直ぐに左からの沢を合わせ、清流の中をジャブジャブと歩いて行く。一直線に伸びる沢に気付いて磁石を見ると真北を指しており、「北東に向かう筈なのに」と何回もチェックするが、間違いなく北へ向かっている。
 本峰から真北へ伸びる尾根の西側の沢を下降していると考えると、地形図との食い違いが無くなる。しかし、下降開始直後に90度方向を違えて北東へ向かうべき処を北西へ下降しないとこの沢に入ることはない筈で、何回検討しても得心出来ない。「一体、何処へ下りるんだろうか」と車まで戻ることの大変さを思って慌てて地形図を広げて見ると、「このまま下降を続ければ標高565m地点で入山した時に走った林道と出合い、1.5㎞程奥へ行けば車のデポ地点に戻れる」と判明して胸を撫で下ろす。

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装備・携行品

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登った山

幾春別岳

幾春別岳

1,068m

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