行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
この登山記録の行程
祐延ダム公園(16:30/5:30)尾根取付(1425m/5:45)踏跡(1670m/7:30)東笠山(7:45~8:05)下降点(1665m/8:10)出合(1375m/8:40)ダム公園(8:50)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
小口川林道を祐延ダムの方へ上がって行き登頂ルートと想定した沢を観察すると、下部に堰堤が在って水を落下させているのが見える。その上には一枚岩を落ちる滝が見え、源頭まで急な滝が連続しているようだ。厳しい沢登りになるのは明瞭で、ザイル等を準備していないので「登下降とも不可だ」と、一見して諦める。
第二のルートと考えていた1本南の沢は緑に覆われて滝は見えないが、等高線の混み具合は同じなので、「止めた方が無難だ」と考える。
ダム堰堤に停車している北陸電力の社員に「東笠山に登山道が在りますか」と聞くと、「さあー」と首を傾げ、作業員に聞いても「判らない」と言う。
藪漕ぎ用の破れズボンと長袖を着て堰堤を左岸へ渡り、少し下流の方へ歩いて尾根に取付く道がないか調べるが、見当たらない。コンクリート舗装の歩道を上流へ行くと、小沢の先から階段が山肌へ伸びている。「若しかしたら」と期待して上がって行くと、2本の松の奥に小造りの確りした祠が建っている。恐らく20年とは経っていないだろうから昭和31年に出来たダムとは時間のズレがあるが、「ダムか、電力関係のものだろう」と想像する。
祠の後から藪に突入し(1,450m、5:50)、雑木と笹を押し分けて進む。「山渓の『日本の山1000』に選定されているから、登っている人が居る筈だ。赤布の1つくらいあってもおかしくない」と考えるが、人が歩いた形跡もテープも全く見当たらない。
幸い籔は大したことはなく、「標高差が300mだから、根気良く薮を漕げば山頂に着くのは時間の問題だ!」と、笹とドングリやヒバ、ナナカマドを掻き分けて高い方へと登って行く。標高1,520m(6:25)を過ぎて1,570m付近で西へ向きを変え、「ここは、下山時の要点だ」と目印に木の枝数本を折って進むと、古い赤テープを唯一発見する。1時間歩いて一本立て(1,590m、6:45)、時に現れるウルシを注意深く避けながら焦らず急がず登行を続ける(1,620m、7:15)。
標高が1,650mを超えるとほとんど勾配が無くなり、栂と笹、這松の海を泳ぐようにして進み、「この辺が山頂かなあ。三角点は無いから、ここで良しとするか」等と考えた矢先、足元に植生の無い所が現れて「踏跡だ!」と狂喜する。赤布を追って100m進むと草原に飛び出し、「おーっ!」と嘆声を上げながら黄金色に輝く草原を進んで東笠山の最高点に立つ。
富山平野から右上がりの尾根上の最初のピークである僧ヶ岳から遥か南の笠ヶ岳まで、北アルプス北部の名だたる峰々が一望のもとで、藪漕ぎの途中で見えていた鋭鋒は「剱岳だったか!」と判明する。
山上で歓喜の時を過ごし、踏跡を辿って下山すると、東面の急な涸れ沢から左岸歩道へ下りる。「踏跡は、第二のルートと考えていた涸れ沢に付けられている!」と判明する。




