行程・コース
天候
曇り
登山口へのアクセス
その他: 口之島からフェリー十島丸で中之島に渡り、岸壁から歩く
この登山記録の行程
岸壁(7:30)分岐()登山口(755m/9:40)御岳(10:25~40)登山口(10:55)生活センター/泊(12:35/12:35)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
民宿が満杯で、出張所に電話して教えてもらった開発センター(自炊)も「仕事の人でいっぱいです」と断られ、「廊下の隅でも良いから、泊めてもらえませんか」とお願いすると、「若い人は、港の広場で野宿していますよ」とイナされる。
まだ夜の明けない中之島港のベンチに腰を下し、口之島で作ってくれた弁当の朝食を取りながら明るくなるのを待つ。KYK中の建設会社前の道路を上がり、『御岳7.5km』の道標が立つ分岐を右に折れて進む。背の高い樹林の中の少し寂しく感じる道を、「島では、何処も耐久性の良いコンクリート舗装だ」等と考えながら歩いていると、NTTの作業車と気象庁のジープが追い抜いて行く。
昨日の登り3時間と下り2時間(登りと変わらぬしんどさだった)の強靭な竹籔漕ぎのアルバイトで疲れて足が重い。枯竹で刺してかなりの出血を見た左足は赤く腫れて痛みも感じるが、車道を歩くのは問題無さそうだ。1時間歩き、日向に腰を下して一本立てる(380m、8:35)。汗を掻いた背中を陽射しに晒したくなる、雲の多い天気だ。
標高450m付近から傾斜が増し、数え切れないほど折り返して高度を上げる。山側の法面には羊歯が茂り、サツキが咲いて彩りを添える。『御岳20分』の道標が立つ登山口に着いて、「標高差250mだから、40分は掛かるだろう」と計算して2本目を立てる。体が重いと感じるほどには時間を喰っておらず、少し自信を取り戻す。
御岳山頂を目指してリュウキュウ竹の中の急な階段道を登る。地肌に真新しいスリップ痕があり、「気象庁の車の人だろう」と想像する。火口が近付くと僅かな草木が生えた溶岩の斜面が広がり、左上方に最高点が姿を現して山名柱らしいのが見える。
火口壁の上に出ると三脚とカバンが置いてあり、火口から立ち上る噴煙と水蒸気が見下ろされる。
溶岩の間の薄い踏跡を辿って山頂に達し、三角点を確認する。旧地形図には979mの三角点が書かれているのだがウォッ地図からは消えていたので、予期せぬ一等三角点の存在に喜ぶ。火口底へ降りる赤い服の2人を眺めながら腰を下して3本目を立てる。山頂と同高度の黒い雨雲の底が洋上を流れて来るが、数百m低い口之島前岳は明るい海面を背景に鋭く黒い姿を見せている。
港へ戻り、出張所へ切符を買いに行く途中で生活センターを覗くと、畳敷きの大きな部屋がある。区長から宿泊の許可をもらい(¥3,000)、目の前の西区温泉(無料)に入って寛いだ午後を過ごし、シュラフに潜り込んで長い夜を迎える。

