行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
この登山記録の行程
ゲート(215m/5:20)犀川ダム(6:35)尾根取付(8:45~9:05)石楠花尾根(1275m/12:40)高三郎山(13:10~30)川原(395m/15:40)ダム(17:25)ゲート(18:50)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
小雨の降る県道307号線の発電所入口のゲート前に車を停めて眠る。木の葉に溜って大粒になった雨滴が夜半まで車の屋根に落ち、「明日も雨なら、如何しよう。最終日の予報を信じて1日待って登るか?」等と落着かない夜を過ごす。
朝には雨が止んでいる。5時の天気予報は「曇後晴、夕方雨の降る地方あり」と言う。「晴れだから、頑張って日帰りしよう」と考える。少し濁りの残る谷川の流れを心配げに見下ろして濡れた舗面を1時間ほど歩いて白い水を吐き出すダムを目にする頃、軽トラが上がって来て停まり声を掛ける。「高三郎に登る」と言うと「1日で?」「暗くなるまでには下りれるでしょう」「湖岸の道は草を刈ってあるから。乗って行く?」
堰堤で休む時間を惜しんで右岸の水平道を行く。大きく迂回してカン谷を過ぎ、人臭い小屋掛けを見て水上谷を迂回した先で90度左へ折れると、土砂崩壊や夏草の歩き難い道になる。前方に吊橋の塔が見えて「橋が掛かっていない」と危惧する頃、湖面にモーターボートが現れる。右岸の道を塔の先へと歩いて間も無く赤い吊橋が姿を見せ、左岸へ渡って今日の1本目を立てる(7:45)。
傘・雨具と紅茶をデポし、『高三郎山3時間』の道標を疑問に思いながら進むと金山の倉谷集落跡が現れ、再び草が刈られていて驚く。川原へ下りてハーケン・ボルトと針金で固定された丸太の上をヘツリ、軽トラの人の「水が多いと、高巻き道を行った方が良い」との助言に従って急斜面のアルミ梯子から尾根へ上がる。
KUWVの赤布に導かれて進み、竹藪を下降して近大小屋を見て川原へ下りる。夏草の生い茂る道を進むと再び草が刈られ、しばらく歩いて金山谷出合に着く。丸太を2本掛け渡した橋を見て拍子抜けし、2本目を立てながら水筒に水を満たしていると、釣師が現れて出合の淵に竿を出す。
軽トラが「奥の尾根は荒れているから、手前を登った方が良い」と言っていたので橋を渡って直ぐ尾根に取付くが、夏最近歩いた形跡が無く草が茂って道形を隠している。1mと措かず道を塞ぐ蜘蛛の巣を取り除きながら進むと急な所には捨て縄が取付けてあり、力を掛けても大丈夫なのが判って少し安心する。
標高700mには小湿原が現れて笹原となり、急登が一段落する。ブナ林に入って穏やかな道にほっとしながら進むと、栃倉分岐(925m、10:50)から先は両側から木が迫る踏跡程の道となり、谷側へ傾いた木の下を背を屈めて歩くとスピードがダウンし疲労も溜る。
「山頂着12時は無理になったけど、13時には下山を開始したい」と先を急ぐ。左手にスラブを見ながら細い尾根を歩くとヒバの大木が生えて高山の趣となり、急斜面を登って石楠花尾根と合流する(1,275m、12:40)。左からの道は無きに等しく、「大正解だった」と軽トラの人に感謝する。
合流点から上は歩き易くなると期待していたのだが、道はいっそう不明瞭になり、下山時の為に木の枝を折りながら慎重に進む。岳樺の先に笹原が広がる所が待ちに待った高三郎の山頂で、笹に埋もれた三角点を確認して大息を吐き、陽射しを避けて岳樺の陰で体力の回復を願いながら時間を惜しんで休む。
「18時にはダム堰堤に着けるだろう、滑り込みセーフだ」と計算して下山を開始して無事に分岐へ戻り(13:45)、歩き難い道に耐えて栃倉分岐まで歩いて一本立て(14:45)、ほっとしながら長尾根を倉谷川へ下降する。
ヘツリ終了点で汗まみれのシャツを洗って下山の2本目を立て、吊橋のデポを回収して湖岸の道を急ぎ、ダムに戻って足の裏に出来たマメを手入れしながら3本目を立てる。管理棟から男性が現れ、物言いたげな様子に「高三郎から下山しました」と挨拶すると、「近大の人は、草が伸びる前の5月に登るよ」と言い、「ゲートまで1時間は掛かるけど、何もしてやれなくて悪いね」と暖かく見送ってくれる。

