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蒼天を突く劔 男体山

男体山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビに「二荒山神社中宮祠」をセット。いろは坂方面から行くと、神社を通り過ぎてすぐの道を右折すると入り口に鳥居があって、鳥居をくぐると登山者専用の駐車場(40台程度、無料)がある。綺麗なトイレあり。

この登山記録の行程

駐車場(05:19)・・・二荒山神社(受付)(05:58)・・・<二荒山神社ルート>・・・三合目(06:31)・・・四合目(06:54)・・・五合目(07:10)・・・八合目(08:15)・・・九合目(08:34)・・・山頂(09:02)・・・<志津小屋コース>・・・九合目(09:20)(散策~10:27)・・・山頂(10:38)(昼食~11:42)・・・<二荒山神社ルート>・・・二荒山神社(13:58)・・・駐車場(14:05)

コース

総距離
約9.7km
累積標高差
上り約1,413m
下り約1,409m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

異常に早い梅雨明けを迎え、6月にも関わらず関東の一部では40度を超える記録的な暑さが続いた。死ぬほど暑くなると登りたくなる山がある。それが日光ファミリーのお父さんこと「男体山」。
独立峰の成端な出で立ちはまさに日光を代表する山と言える。二荒山神社起点の正面ルートは、富士山のようにただひたすら山頂に向かって直登するという、急登好きにはたまらないコース。夏に大汗かきながら登るのが乙でお勧めだ。
男体山に向かう道中、いろは坂を走っている時に、丁度、真っ赤な太陽が昇ってくるのが見えた。ド快晴。今日は最高の日になりそうだ。蒼天に向かって輝く劔のイメージを頭に思い浮かべ、テンションMAXだった。
5時に駐車場へ到着。
少し早く着き過ぎたと思いつつも、朝を迎える中禅寺湖を眺めながら、二荒山神社の開門をゆったりと待つひと時が結構気に入っている。
二荒山神社の開門は6:00。
「あと十分だな」と時間を確認していたら、「おはようございます」と宮司さんの元気な声と共に扉が開いた。休日の時には少し早めに開けているとの事だった。そう言えば、前回もフライング気味に開門されたのを思い出した。
入山料に1,000円を払い、代わりに真っ白なお守りを頂く。
登拝門の前で一礼したのち、登山開始。
気の早い登山者達は、まるでレースかの如く小走りで先行していった。
いつもであれば負けじと参戦するが、今日の目的はゆっくりペースを落としてフォームを確認しながら丁寧に登ること。
折角の男体山。急登を楽しみながら登って行こう!。
長い階段を抜けて一合目に到着。
ここから三合目までは笹が一面に広がる森の中を登っていく。
樹々の間に隙間なく敷き詰めた緑の絨毯。そこに木漏れ日が差し込み、早朝の幻想的な空間を創り上げていた。
一旦、舗装された林道に合流して、再び四合目から登山道へと入っていく。
四合目からは斜度が増してガレ場へと変化していく。特に七合目、八合目が、男体山の最難関ルートと言われており、岩の壁を登っていくかのよう。
汗をぬぐいながら、高度を上げていく。
ガレ場が終わり、赤茶けた土が出現すると九合目の目印。同時に森林限界を突破して火山特有の風景が広がる。映画で見る火星に降り立ったような光景だ。
完全に視界が開け、眼下には真っ青な中禅寺湖が見えた。鏡のように真っ平な湖面に白い雲が写り込んでいる。美しい。囲むように深い緑の山々。特徴的なのは、日光白根山や皇海山。さすが百名山の風格だ。
山頂までのラストスパート。富士山の砂走を連想させるような赤い砂の道。体重を乗せる度に登山靴が沈み込み、足が取られる。
山頂に到着。
ここまでに要した時間は3時間。前回の2時間に対して計算した通りのペース配分で登って来ることができた。
二荒山大神の銅像にご挨拶をして、山頂のシンボルとなっている劔へと足を運ぶ。
どうしても写真に収めたかった「青空を背景にした劔」。
今日なら絶好の写真が撮れるだろう。
男体山は、午後に向かうと日光市街地方面からどんどん雲が競り上がってくる。今も青空に安心していたら、あれよという間に大きな雲が湧き上がってきた。
雲に隠れないうちに青空を背景に「パシャリ!」。かくして渾身の一枚が撮れた。
「目的達成!」とお昼ご飯にしたかったが、実は今回もう一つの目的があった。
コウシンソウという珍しい花を見つけること。
コウシンソウは植物レッドデータブックで絶滅危惧II類に指定されているとても貴重な花で、葉や花茎で小さな虫を捉えて自らの養分とする食虫植物。庚申山で発見されたことからその名前がついている。従って、庚申山に行けば群生地を見つけることは容易いが、実は男体山にもあると聞いて、どうしても見てみたいと去年も山を探し回ったが、結局、見つけるには至らなかった。でも、凡その範囲が絞り込めたことから、今年こそはと意気込んでいた。
志津小屋コースで九合目まで降り、ザックをデポして空身で探索モードに入る。
ザックを置いたのは、GPSを外して軌跡を残さないようにするため。個人的には、「山屋性善説」で、多くの人に貴重な花の存在を知ってもらうことで、守っていくことの大切さを理解してもらいたいと願うが、残念なことに盗掘が後を絶たない。
コウシンソウは垂壁や崖等の危険な場所に咲くという。去年、探索した場所を起点に斜面を降っていく。そう簡単にはいかないと思っていたが、やはり見つからない。
「うーん、今年も無理だったか」と諦めようとしたその時。小さな白い花が群生しているのが目に入った。
「ひょっとして」と駆け寄るとまさに探し求めていたコウシンソウ。スミレに似た花弁をしている。紫の花弁の下に白い花弁。その白の中にアクセントのように黄色が混じっている。まさに「可憐」という言葉がぴったりの小さい花。こんなに愛らしい花が虫を捕まえて食べる食虫植物なんて。信じられないと思ったが、確かに葉が面白い形状をしている。お皿のような形で、まさにここが捕虫部。この葉の部分や花茎から出る粘液によって虫を捉えて消化吸収するらしい。いくらでも栄養がありそうな森の中で、どうしてそのような進化が必要だったのかよく分からないが、見れば見るほど不思議さでいっぱいの花だった。これは見る価値がある。ついに出会えたコウシンソウに感無量だった。
九合目にデポしたザックを回収して、再び山頂へ。
1時間程コウシンソウの散策に時間を要している間に、すっかり雲に覆われガスガスになっていた。
やはり朝一番に登ってきて正解だった。
雲を避けて山頂から少し降ったところにある男体山神社(二荒山神社)へ向かい、昼食をとる。気づかずに下山してしまう人も多いが、男体山の絶景ポイントとしてここは超お勧め。眼下に広がる中禅寺湖を眺めながら。また、目の前に湧き上がる夏の雲を眺めながらぼーっとする。まさに至福の時だ。
男体山は夏の風景が似合う。大汗をかいて登ってきたご褒美がそこにあった。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • スミレにも似てますね

  • そう、でも、葉っぱで虫を捕まえて食べるんなんて、不思議な花だよねー。

  • えーあんなに可憐なのに虫食べるんですね

  • なぜに改めてコンメントが??


    周囲にもそんなギャップを持った人がいるんぢぁーない??

  • まだまだ東北には有名無名の名山がわんさかありますので、一緒に登りたいです。宜しくお願いします。

  • こちらこそです。キスミレさんの行動力についていけるよう精進します。
    ^_^

  • 「コバイモの仲間でしたっけ?」は、「ハンショウヅル」ではないかと思います。
    秋田駒ケ岳で葉が少し違いますが、「ミヤマハンショウヅル」を見ましたが花がそっくりです。

  • イケさん、コメント有難うございます。UPした後も気になっていたのです。確かにハンショウヅルのようですね。これですっきりしました。有難うございます。秋田駒ケ岳や森吉山はいつか必ず行ってみたい山です。羨ましいですね。

登った山

男体山

男体山

2,486m

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