• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

風に舞う純白の花吹雪 高原山

大入道、剣ヶ峰、鶏頂山、高原山(釈迦ヶ岳)( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「山の駅たかはら」をセットするとよい。「山の駅たかはら」をよく起点に使うが、今回は(矢板方面から来て)山の駅直前にある道を左折したところにある「八方ヶ原 小間々駐車場」を利用する。約30台。舗装された無料駐車場。トイレ無し。さらに上の「大間々台(トイレあり)」に停める方法もあるが、シロヤシオを見るなら小間々から大入道のコースに入った方が良い。ただし、ツツジの時期は激込みになるので注意。

この登山記録の行程

小間々駐車場(13:08)・・・大入道(13:50)・・・剣ヶ峰(14:36)・・・釈迦ヶ岳・大間々台分岐(14:38)・・・釈迦ヶ岳・鶏頂山分岐(15:26)・・・鶏頂山(16:07)・・・釈迦ヶ岳・鶏頂山分岐(17:04)・・・釈迦ヶ岳(17:08)・・・釈迦ヶ岳・鶏頂山分岐・・・釈迦ヶ岳・大間々台分岐(18:02)・・・矢板市最高地点(18:13)・・・八海山神社(18:19)・・・大間々台駐車場(18:51)・・・小間々駐車場(19:19)

コース

総距離
約15.6km
累積標高差
上り約1,497m
下り約1,497m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

今週のテーマは「花」。
「命短し」の言葉の通り、花の盛りになると、どうしても行きたい山が重なってしまう。
今週末にも行きたい山が2つ。どうしてもこのタイミングを逃す訳にはいかなかったが、そこへ最悪のタイミングでやってきた台風2号。なめていたらとんでもない被害を各地にまき散らしながら北上していったため、チャンスは台風が過ぎ去る日曜日に絞られた。
ぎりぎりまで悩みながら、2つのうちから「高原山」へ行き先を決定する。
高原山(たかはらやま)は、日本三百名山の1つで、那須火山帯として主峰の鶏頂山(1,765m)を筆頭に、最高峰の釈迦ヶ岳(1,795m)等複数の頂から成るからなる山とされている。
茨城方面から栃木へ入ると、圧倒的な存在感で目に飛び込んでくるのは、日光男体山に那須岳。そしてこの高原山。いずれも栃木を代表する名山だが、男体山や那須岳にはよく足を運んでいるものの、高原山に関しては同じ登山口のスッカン沢へ行くことはあってもこれまで一度も登ることは無かった。
敢えて登らず「とっておき」に仕舞っておいた大事な山。高原山は、シロヤシオが咲き誇る山として知られてるので、登るのであれば是非、その季節にと毎年タイミングを狙っていた。
今回、悩んだ末についに高原山を選んだのは、Yamapの投函で「今年は50年に一度の当たり年だ!」と言うメッセージを読んで、居ても立っても居られないと、行くことを決意した。
本当であれば一週間前がベストだったと思うが、今週末であればなんとか間に合うと、土曜日、まだ台風の影響が残る大雨の中、前日入りをしようと車を走らせた。フロントガラスを激しく叩く雨を見ていると、「山に向かう天候じゃないな」と思うが、天気予報ではお昼過ぎは快晴になり、日曜日の天気も期待できそうだった。その言葉通り登山口へ着く頃には見事な青空が広がっていた。台風一過の快晴だ。
いつもの「山の駅たかはら」へ車を停めようかとも思ったが、つつじのシーズンも終わったので、八方ヶ原の「小間々台」へ車を停めた。距離にして1km程度しか離れていないが、シロヤシオを狙うなら小間々台の方がお勧めだ。
今日は駐車場の確認だけと思っていたが、あまりにも澄み渡る青い空を見上げていたら「これはひょっとして登れる?」と頭の中の山バカ天使が囁いた。「そうそう暗くなってもヘッチャラ」と山バカ悪魔も同調する。両方とも山バカなので実は仲がいい。
悩んで悩んで高原山一つに絞ったが、今日、登ってしまえば、明日2つ目の山へも行くことができる。
時計は既に13時。
山登りを開始するには遅い時間なので「お昼過ぎてから登ったらあかんやろ!」と山仲間に怒られそうだったが、総工程約16kmとそれなりの距離はあるものの、最近の日の入り時間を考えれば、なんとか暗くなる前に戻って来ることはできそうだった。例え、暗くなったとしても、夜間登山はむしろ好きなので備えて登れば問題はない。
これから街に戻り買出しをするつもりでいたので、ちゃんとした食料は持っていなかったが、非常食が2食分とペットボトルが2本。贅沢はできないが、これだけあれば十分と、にやりと笑った。
決まってからの行動は早かった。
ザックを背負い、駐車場脇から延びる大入道のコースに入っていく。最初の遊歩道を抜け森へと進んで行く。とても整備された登山道で、ヒンヤリした森の空気が心地よかった。
「うん、登ってよかった」
ところどころに真っ赤なレンゲツツジが見られるようになってきた。緑の中に、周囲を照らすように赤が際立っている。樹の下には落ちた花弁が絨毯のように広がっていて、それがまた景観に深みを添え、まるで絵画のようだった。今回、シロヤシオ目当てでやってきたが、高原山はミツバツツジ、アカヤシオ、レンゲツツジでも有名な山だ。それぞれ開花時期が違うので、時期を変えて登りに来るのもいいのかも知れない。一般的には、5月初旬はアカヤシオ、中~下旬はシロヤシオ、6月はレンゲツツジと言われている。
高度を上げていくと、シロヤシオの樹が目立ってきたが、花がほとんどついていない。やはり一週間遅すぎたのか、それとも昨日の台風で飛ばされてしまったか。
折角来たのにと落胆していたら、目の前に真っ白な花をつけた大きなシロヤシオの樹が現れた。それを皮切りに徐々にシロヤシオの花が増えていく。
「おっ」という声が、徐々に「おおーっ」と言う感嘆の声に変わっていく。
想像していた以上のシロヤシオの群生。登山道どころではなく山全体がシロヤシオに包まれているようだった。
白系の花の中でもシロヤシオほど「清楚」という言葉が似合う花は無いと思う。透き通るような純白の花弁とそれを際立たせるような優しい緑の葉。桜とはまた違った華やかさがる。そのシロヤシオがここではトンネルのように咲き誇っている。ただただ息をのむ光景だった。シロヤシオの自生する有名な山は幾つかあるが、これほど群生している山は初めてだった。
剣ヶ峰を過ぎて、一旦、降りながら今度は反り返るような斜面を登って行く。これが最高峰の釈迦ヶ岳へのとっかかり。鶏頂山は、その釈迦ヶ岳に向かって右手に連なるピークの先に見えていた。まだまだ距離はありそうだ。
急登を登り切ると、釈迦ヶ岳と鶏頂山の分岐点へ出る。
ここで腕統計をチェック。想定内の時間。
「よしっ」と呟き、まずは鶏頂山へと右折する。
折角登ってきたばかりなのに、大きく降ってまた登り返す。これを繰り返してついに鶏頂山の山頂へ到着した。
山頂には神社が建っている。その名も「鶏頂山神社」。そのまんまの名前だ。
実はこの神社を目指して登っていた。目的は、神社に設置されている「鶏頂山」のプレート。誰が作ったのか、最高に愛らしい鶏の絵が描かれている。
神社の裏側に周ると、釈迦ヶ岳から延びる中岳や西平岳がよく見えた。稜線を歩いて行けそうだったが、今日は時間的にやめた方が良さそうだった。
後ろを振り返ると、女峰山だろうか。鋭く尖った頂が見えた。
少しだけ休憩をして、持ってきた携帯食(カロリーメイト)を口に放り込み、来た道を折り返す。気持ちペースアップが必要だ。
後半戦に入り、足にもそれなりの疲労感が溜まっている。
釈迦ヶ岳と鶏頂山への分岐点まで戻り、今度は釈迦ヶ岳へと足を進めた。
釈迦ヶ岳へは剣ヶ峰との分岐点からすぐのところにあった。もう少し時間がかかるのかと思っていたが、突然、樹々が無くなり周囲が開けたと思ったら山頂だったので、拍子抜けだったが、眺望は想像していた以上に素晴らしかった。思わず立ち止まり息をのむ。
目の前にはなだらかなすそ野。その先には街並みが見える。見渡す限りの解放感だ。
頂には祠と一等三角点のほかに、大きな釈迦如来像と大己貴命と書かれた白い石像が設置されていた。
大己貴命(おおあなむちのみこと)と言えば、イナバの白兎で有名な大国主命(おおくにぬしのみこと)のこと。高原山との関係が気になったので、帰って調べてみたところ、こんな記述が見つかった。「高原山は、奈良時代より山岳信仰の山として栄えた。神亀元年(724年)、行基菩薩勅願により、祠を建立し高原山三社大権現と称した。御祭神は、大己貴命・事代主命・月読命。尚、釈迦ヶ岳・鶏鳥山(中岳)・月山(西平岳)の三山参拝は古来より「三関三度」の巡拝といわれ、過去・現在・未来を生きながらにして体験・新たなる生命を宿して生まれ出るよみがえりの信仰といわれている。令和4年5月に釈迦ヶ岳山頂の奥宮を改築した。(http://www.tochigi-jinjacho.or.jp/?p=2717)」
過去・現在・未来を表す山とは、月山のようだ。
さて、そうこうしているうちに、いよいよ太陽が傾いてきたので、急いで下山モードに入る。
「剣ヶ峰・大入道の分岐」の分岐まで戻り、登ってきた剣ヶ峰方面ではなく、大間々台方面へと進む。日が落ち切ってしまったことを考えれば、知らない道を歩くよりはもと来た道を戻った方が良いのだろうと頭をよぎったが、高原山の感覚が充分つかめたので、大丈夫だと判断した。勿論、GPSは持っているが、感覚で山を把握することはとても重要だ。
幸い、大間々台へのコースはとても歩きやすかった。スピードものり、陽が落ちる前には大間々台駐車場へたどり着くことができた。鹿がかなり生息しているのか、降っている途中にも沢山の鹿と出会った。
大間々台から小間々駐車場へは遊歩道を使って再び森の中を抜けていく。最後はかなり薄暗くはなったが、それでもまだ明るいうちに小間々駐車場へ戻ることができた。森を抜けた瞬間、空には大きな満月が昇っていた。
ずいぶん日が長くなったものだ。
予定外の登山だったが、シロヤシオに包まれた縦走路と山頂での眺望&解放感に大満足の一日だった。

帰宅後、鶏頂山のン前の由来を調べてみた。忘備録として記載しておく。
鶏頂山は金鶏伝説(きんけいでんせつ)に由来する名称と云われる。金鶏伝説とは、長者の持ち物である黄金の鶏にまつわる伝承である。金鶏を有すると長者となるが、その没落後は金鶏も野に帰り自然に潜むためなかなか見出せない。かつてこの地で金の鶏が飛来して山で休養したため鶏岳と呼ばれ山頂には社が築かれた。その後金の鶏は飛び立って今度は山頂で休息したためこの山を金鶏山(きんけいざん)その後、鶏頂山(けいちょうざん)と呼ぶようになった、と云われている。その他、ほか、山容が鶏の頭頂部のトサカのように見えることから鶏頂山と名付けられたという説もある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B6%8F%E9%A0%82%E5%B1%B1

続きを読む

フォトギャラリー:31枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • 今、金の鶏はどこにいますか?

  • 金の鶏と青い鳥が一緒にどこか飛んでった。
    幸せはどこに?

登った山

高原山

高原山

1,795m

よく似たコース

高原山 栃木県

日塩道路から鶏頂山を目指す往復コース

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
3時間45分
難易度
コース定数
15
高原山 栃木県

展望の山 高原山最高峰の釈迦ヶ岳と鶏頂山をめぐる 日帰り

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
8時間35分
難易度
★★
コース定数
35
登山計画を立てる