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庚申山にひっそりと咲くコウシンソウ

庚申山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「民宿舎かじか荘」をセット。駐車場はかじか荘から200m程奥のところにある。未舗装で約50台。トイレはなし。マップコード「489 844 245」。
ちなみに「民宿舎かじか荘」では日帰り温泉も行っているが、15時受付締め切りなので、時間には注意のこと。温泉は良質なお湯で露天風呂も最高でお勧め。

この登山記録の行程

Start(05:09)・・・銀山平(05:27)・・・一ノ鳥居(06:07)・・・庚申山(09:27)・・・庚申山荘(10:26)・・・一ノ鳥居(11:17)・・・銀山平(11:57)・・・Goal(12:00)

コース

総距離
約14.9km
累積標高差
上り約1,876m
下り約1,877m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

大満足だった高原山。正直、遊びすぎたと反省。
市街地に戻って来た時点で、既に20時を周っていた。明日の山に向けて移動しながら、日帰り温泉をウロウロと探すが、どれも就業時間を終えている。一泊するためにも温泉には欠かせないと思っていただけにこれは痛恨のミスだった。
しかも、明日の登山に備えて食料を買い込もうと思っていたのに、スーパーさえ見当たらない。ただでさえ、高原山も行動食(カロリーメイト)のみだったので、今も空しくお腹がグーグーと鳴いている。登山後、最大の至福と言えば、お風呂と食事。なのに両方ともにありつけないとは。。。
無駄に車を走らせてもガソリンと時間を消費するばかりだったので、諦めて営業が終わった真っ暗な道の駅に車を停めて休むことにした。
幸いまだ行動食の予備はある。水も、明日の山には沢があるので問題はない。
ひと気が少なくなったタイミングを見計らって、道の駅のトイレで手洗いの水を使わせてもらい、絞ったタオルで身体を拭いてさっぱりしてから眠った。
よく朝4時前に起床して、目的の山まで車を走らせる。
今回のテーマは花。
候補が2つあって悩んでいたが、昨日、一つ目の候補だった「シロヤシオ」の高原山へタイミングよく登ることができたので、今日はもう一つの候補として、「コウシンソウ」を求めて庚申山を目指す。
コウシンソウは、以前にも男体山でひっそりと咲いているところを見たことがあるが、そもそも名前の通り本場(発見場所)は庚申山。白をベースにうす紫が混じる愛らしい花をつけるが、実は葉で虫を捕食する食虫植物。とてもユニークな花であることに加え、庚申山付近でも限られた場所にしか自生しないと言うとてもとても貴重な固有種だ。
庚申山へは、皇海山クラシックロードの日帰りチャレンジを含めて、過去2回来ているので、それなりの土地勘はあるが、上級者コースとされるお山めぐりで奇岩なども楽しめると聞いていたので、一度ゆっくり庚申山だけを狙って歩いてみたいと思っていた。
早速、駐車場に車を停めて歩き出す。
庚申山自体はとても良い山だが、まずはそこに登るためには長い林道歩きをクリアーしなければならない。だらだら歩くと余計につらくなるので、ここは速足モードを使い40分ほどで完歩する。
朱が鮮やかな「一の鳥居」で一礼をしてから神聖な山へと踏み込む。
昨日の高原山では、山のあちこちで鹿を見かけたが、こちらは林道で猿が出迎えてくれた。ここ庚申山は、名前の通りお猿とのつながりが深く、更新山荘の手前には猿田彦神社が祀られていた跡がある。
一の鳥居から庚申山荘までは登山と言うより遊歩道のような道が続く。
沢に沿って緑の中をゆっくりと森の散策気分で登っていくと、途中、「鏡岩」の猿に命を助けられ代わりに末娘を嫁に差し出した猟師の伝説や、「夫婦かえる岩」などの奇岩に出会える。
猿田彦神社跡のところで一旦立ち止まる。
庚申山荘には行かず、ここから右折して「お山めぐり」のコースへと入っていく。ここから先は初めてのコース。入り口には「危険なので経験者以外は入らないように」と注意書きがあった。妙義山の縦走コースのようでワクワクした。
急な斜面を登り尾根伝いに進む。イメージ的には尾根伝いに通常のルートを巻くように歩いているのだと思う。
尾根には純白のシロヤシオが所々に咲いていた。山全体がシロヤシオだった昨日の高原山に比べれば、大したことはなかったが、それでも緑の中に咲くシロヤシオはやはりいいものだ。見ているだけで清々しい気分になる。
やがて岩壁沿いに入っていくと、鮮やかな薄紫の花が目に付くようになった。
白山愛の自分としては「ハクサンコザクラ!」と真っ先に言いたくなるが、若干、花弁が小ぶりに見える。これも庚申山の固有種のひとつで「コウシンコザクラ」と名前がついている。岩壁全体に群生していて、これだけ見事に咲き誇っているのはかなりの見応えだ。
花の写真を撮りながら進んで行くと、崖に突き当たった。
踏み跡が崖の先に続いているが、そこへ行くには垂直の壁を横切らなければならない。足掛かりの少ない岩に何とか靴先をねじ込み、三点確保をとろうとするが、岩肌がもろく力を入れただけでボロボロと崩れ落ち、どこのでっぱりも全く信用できない。
「経験者コースとはいえ、これは道具がないと危険だな」と思いながらなんとか注意深く乗り越えてみる。ホッとしたのもつかの間。なんとその先は行き止まりだった。崖の上から見下ろすと、本当の登山道らしきものが眼下に見えていた。どうやら花に見とれているうちに道を見落としていたようだった。
「あれをもう一度横切るのか?」とため息がでた。
後続の人のために、紛らわしい踏み跡を手で消してから、もう一度ヒアヒヤしながら登山道へ復帰した。
山めぐりコースを使ったのには、アグレッシブなコースを歩いてみたいとい欲求以外に、もう一つ目的があった。地図を見ると、コースの後半にある岸壁に今回の目的「コウシンソウ」の群生地を示す文字が示されていたので、そこに行けば見事な群生が見れるのではと大いに期待していた。しかし、現実はそうは甘くはなく。GPSを確認しながら、あたりをつけていた場所を一生懸命探すものの、ついに見つけ出すことはできなかった。かなり小さい花なので、登山道から外れていれば見つけ出すのは至難の業かもしれない。
仕方がないので、一般道に合流して山頂を目指す。
実は山頂手前にも内緒の群生地がある。こちらも登山道から少し外れたところにあるが、以前歩いているので頭にはしっかり入っている。
果たして、僅かな踏み跡を目印に大きな岩壁の下に回り込むと、そこには待ちにまった小さく愛らしいコウシンソウが群生していた。1年ぶりの再会。スミレに似た愛らしい出で立ち。何度見てもこれが食虫植物だとは思えない。これがいわゆる「ギャップ萌え」と言うやつか。笑
小さすぎてデジカメでは上手く写せなかったが、沢山のコウシンソウに出会えて大満足だった。
お腹が空いたので、山頂まで登り水分補給と持ってきた行動食を食べる。空腹は収まったが、二日連続のカロリーメイトは正直キツイ。
庚申山は眺望がないので、あまり長居しても仕方がないと、すぐに折り返し下山することにした。
「久しぶりにかじか荘で温泉に入るか!」。
そう思ったら、一刻も早く温泉に浸かりたくなって、トップギアで下山した。
ちなみに、かじか荘は800円/大人。良質な温泉で、内風呂は小さいが、露天風呂に出ると山を正面にとても解放感があって気に入っている。山の疲れをとるにはよい温泉だ。

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登った山

庚申山

庚申山

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