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高知県屈指の藪山・山ノ神ノ森

山ノ神ノ森(土佐町)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: いの町の国道194号を北上して行き、本川トンネル手前で「新日本百名山・稲叢山」の標識を見て右折する。因みにその標識北向かいの生コン工場敷地に、以前投稿した葛原山の登山口がある。以後の分岐も稲叢山の道標に従う。
土佐町界のトンネルを抜け、稲村ダムへ向かう林道に下りて来ると左折する。
一の谷林道と一の谷82林道が交差する四差路まで来ると、そこの広場に駐車する。
尚、瀬戸川沿いを北上する南川林道ルートは、山ノ神神社の鳥居南で’15年8月15日まで工事のため通行止め。

この登山記録の行程

一の谷82林道入口10:58・・・瀬戸川の橋への下り口11:09・・・対岸の四差路11:15・・・数分休止・・・高度計高度1185mで横道を左折11:55・・・沢入口12:08・・・稜線直下で休止12:30~12:52・・・山頂で休止13:51~14:30・・・途中、二、三回靴ひもが解けてその都度小休止・・・17番鉄塔15:57・・・一の谷82林道終点16:31・・・一の谷82林道入口16:52

コース

総距離
約6.5km
累積標高差
上り約499m
下り約499m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

‘00年代初頭位に四等三角点が設置されたと思われる山ノ神ノ森(1332.4m)。尾根続きの天火荒(点名:天賓阿礼)とは、送電鉄塔を挟んで対峙する形になっているが、山ノ神ノ森には天火荒のような登り易いルートは存在せず、稜線は背丈を越えるスズタケの藪に覆われ、壮絶な藪漕ぎを強いられる。

なぜこんな藪の密林に三角点を設置したのか疑問に思うが、既に明治期、旧山林局が山頂に「次三角点」を埋設していた。これは国有林の境界測量時の基準点の一つで、「主三角点」の補点のようなもの。
四等三角点の東に埋設されている、この次三角点の地点が山ノ神ノ森の本当の山頂で、測量時の標高は1333.4mだったのだが、現行の地形図(平成9年発行)では1336mの独立標高点が記載されている。

山名の由来は東麓の山ノ神神社にあるのだが、この神社の正式名称を「五十八社大山祇神社」と言う。「五十八社」というと、拙著の礫ケ滝大森山の項で「大森五十八社」について触れたが、この五十八社大山祇神社も謂れは大森五十八社とほぼ同じで、平家の落人58人がこの付近まで逃れて来た後、餓死したというもの。また、いの町旧本川村の戸中にも「戸中五十八社」があるという。
しかし、山ノ神神社から山ノ神ノ森へ登る登山道は存在せず、どのルートで登ったとしても、稜線の猛烈なスズタケの藪漕ぎは免れない。三角点や次三角点の周囲も特に藪が刈られた広場がある訳ではない。ミツバツツジがあるのがせめてもの救いか。

尚、コース図についてだが、往路の後半は正しくないかも知れない。地図上での往路のルート比定を帰路、行うつもりだったのだが、藪があまりにも深かったため、自分がつけたマーキングテープを見逃してしまい、別のルートを下ってしまったのである。それでも、登山口さえ分かれば、無名峰登山経験者なら誰でも沢まで辿りつけるものと思う。造林作業歩道を終点まで辿ればいいだけである。

[コース]
一の谷82林道を西に歩いていくと、天火荒北東の稜線に建つ鉄塔から、山ノ神ノ森に到る稜線が一望できる。ここから見る限りでは、鉄塔から山ノ神ノ森までは短い距離のように思え、数日前、支尾根を下見で登った時の感触でも、比較的楽に登頂できるものと思っていた。それがまさか、壮絶な藪漕ぎを長時間強いられることになるとは・・・。

978m独標点北方の橋を渡ると、道は南から西へと大きく右カーブを描くが、そのカーブから前方左に下りる造林作業道がコースである。
草地の道を南西に下って行くと、路面に土が堆積して、土橋のようになっているコンクリート橋が現れるので、これを渡る。

対岸からは急な上りになるが、ほどなく四差路に出る。先日の下見では、この東西に走る道は、森林鉄道跡のような幅員と路盤を擁していることが分かった。しかし、四差路を少し離れると藪の密林になっている。
四差路は直進する。すぐ道は尾根に沿って左に曲がった後、またすぐ進路を戻し、植林の下刈り跡を上って行く。
最初の内は下刈りの灌木が道を覆う等しており、道も踏み跡程度だが、登るに連れ、まるで峠道のようなしっかりした道になる。振り返ると稲叢山から西門山を望見できる。

途中、土砂崩れで道諸共山肌が流失している箇所があるが、少し登った右手に道の続きがある。
が、そんな整備された道は、いきなり終わる。そこから上は、造林作業が長年されていない様子で、スズタケが藪化している。しかし密生度は低く、藪漕ぎは簡単。

そんな踏み跡は、高度計高度1185m地点で、横道に出る。ここは左折し、一旦下る。
手入れがあまりされていない薄暗い植林帯を抜けて、ほどなく行くと沢が二本、連続してあり、造林作業歩道の終点となる。
二本の沢の内、手前のやや広い沢が、天火荒のコースのような登り易そうな沢だったので、これを登ることにした。案の定、造林作業員の歩いた痕跡がある。

水流がなくなっても谷状地形はまだまだ続き、稜線直下まで食い込んでいた。「これなら簡単に登頂できるのでは」と思ったが、稜線に乗ると状況は一変。辺りは背丈を越えるスズタケの密林で、踏み跡も三角点測量員の刈り分け跡もない。この藪漕ぎは、これまで登ってきた山の中でも最悪。登山ガイド書製作時、もし登ったとしたら、途中で登頂を諦めたことだろう。
ここから山頂までは忍耐力が問われる。逆にこの藪をしのげたなら、これからどんな藪山があっても怖くない。

ひたすら無心に藪漕ぎしていくと、いきなり三角点に到る。細い銘板貼り付け型三角点で、一般の三角点峰のように、特に三角点周囲が広く刈り分けられている訳ではない。数人で来ると座る場所もない位狭い。
「次三角点」が埋設された真の山頂はこのすぐ東。そこは三角点の場所より更に藪で狭くなっており、座る場所もない位。

帰路は、周囲が藪で見えないことから、常に方角を確認しながら進む必要がある。スズタケの「立ち方」にも注視する。もしスズタケが斜めに倒れるようになっていたら、それは尾根を逸れたことを意味する。スズタケが真っ直ぐに立っている所が尾根の中心部である。
が、あまりにも深い藪に、稜線の起点に付けた自分のマーキングテープを見過ごしてしまった。もう、こうなれば西方の送電鉄塔まで藪漕ぎするしかない。「レジェンド」MH2氏が登った最悪のルートの一つである。何度も靴ひもが解けた位、長時間藪漕ぎをしなければならない。

「いったい、鉄塔に出るのは何時になることやら」と思っていたのだが、何とか16時前に鉄塔に出ることができた。後は鉄塔巡視路を一の谷82林道の終点まで下ればいいのみ。
‘02年、この巡視路を登った時は、稲村ダムとその背後にそそり立つ稲叢山から西門山にかけての稜線が一望できたのだが、今は若干樹木が気になる。
瀬戸川支流の沢に架かる橋を渡り、右手を振り返ると、その沢が本流に合流する箇所が滝になっていた。

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