行程・コース
天候
全行程にわたり、おおむね好天。しかし、午後に短時間、降雹もあった。
登山口へのアクセス
その他
その他:
モシの街から、現地サファリ会社の専用車にて、標高3395mのMoram Barrierまで。
この登山記録の行程
【1日目、9/18】 Moram Barrier(登山口,3395m)15:01 ➡ Shimba Cave 17:56 ➡ Shira II Camp (3900m) 18:46
【2日目、9/19】 Shira II Camp 8: 21➡ Lava Tower (4640m) 16:17 ➡ Barranco Camp (3960m) 23:16
【3日目、9/20】 Barranco Camp 8:00 ➡ バランコの壁 頂上 11:34 ➡ カランガ沢 (3936m)17:36 ➡ Karanga Camp (4035m) 18:23
【4日目、9/21】 Karanga Camp 8:47 ➡ Barafu Camp (キボ峰ベースキャンプ、4640m)15:17
【5日目、9/22】Barafu Camp 3:23 ➡ Kosovo Camp (4870m) 6:14 ➡ Stella Point (5730m) 22:09 ➡ Crater Camp (5730m) 23:40
【6日目、9/23】 Crater Camp 7:58 ➡ Uhuru Peak (キリマンジャロ最高点,5896m)頂上 12: 33 ➡ Stella Point 15:30 ➡ Kosovo Camp 19:26 ➡ Barafu Camp 21:30
【7日目、9/24】 Barafu Camp 8:36 ➡ Millenium Camp (3832m) 12:34 ➡ Mweka Gate 17:32
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
日本人のキリマンジャロ登頂成功確率は約50%にすぎないとされている。半数の登山者が高額の資金と貴重な時間を投じアフリカまで来ながら、山頂を目前に敗退しているのだ。とくに、脚力が衰えてきている高齢登山者にとって、登頂成功は、生半可なことでは覚束ない。しかし最近は、キリマンジャロ登山コースの開発が進み、従来の山小屋を利用するマラングルートに加え、テント泊による新ルートがいくつも利用できるようになっている。そこで、登頂成功を絶対果たすという決意のもと、登山コースの設定を慎重に行い、個人登山として現地旅行社にガイド、ポーターなどを依頼することとした。
コース設計のポイントは主に2つ。①登山口の標高を大幅に上げ、標高差を減らす。現在は、標高3395mまで車で登れるシラルートが開発されている。日本アルプスの3000m級の山に何度も登っている経験があるうえ、事前に高度順化訓練を受ければ対応可能と判断した。②通常深夜発となっている山頂アタックの日の負担を大幅に減らす。具体的には、キボ峰の手前のベースキャンプ(バラフキャンプ)出発を午前4時頃にし、その日は頂上直下の火口跡にあるキャンプ場「クレーターキャンプ」(5730m)泊。翌日は再びベースキャンプまで下山し、そこでさらに1泊、というゆとりのあるコースどりにする。
このようなコースは、ツァー登山ではむろん実現不可能なので、これを引き受けてくれるかどうか現地旅行会社をいくつかあたって交渉し、応諾が得られた会社と個人登山支援として契約を結んだ。この辺りは、英文メイルでの交渉力が必要となる。個人登山支援といっても、結局、ガイド、ポーター、コックなど、現地の方8人がかりの大きな支援隊ができてしまった。
このルートの核心部分は、バランコキャンプ場(3960m)を出てすぐ始まる、標高差257mの岩場「バランコの壁」登攀だ。日本の岩場のような鎖・ロープ・柵などの支援具の設置は一切なく、ペンキ印もついていない。ガイドが、手を置いたり足をかけたりする場所を指示してくれるので、その通りに三点支持で慎重に歩を進める。といっても、本当の岩壁になっている箇所はさほど多くなく、大部分は岩場についた急登の登山道という感じなので、注意深く行動すれば問題ない。滑落事故が起きたという話も聞いていない。
あと、現地に行って驚いたのは、既存のバラフキャンプ場(4640m)より上の標高4870m地点に、地図にはまだ載っていない別の新ベースキャンプ場ができていたことだ。「コソボキャンプ」と呼ぶそうで、これを使っていればさらに頂上アタックの日の負担を軽減できたと悔やまれる。
頂上アタックの日について登頂成功のため最大限に注意すべきは、無理に歩いて酸素消費を増し、血中酸素濃度(SpO2)を40台に落とさないことだった。ガイドは血中酸素濃度測定器を持っていて、頻繁に測定を要求してくる。ここで一度でも50を切ると、即刻登山中止、下山指示となるのだ。このため登行ペースを意識して落とすことにし、徹底してポレポレ歩きを心がけた。このためペースが大変遅くなり、頂上アタックを翌日に延ばす変更を迫られたが、血中酸素濃度が40台に下がる最悪の事態(すなわち登頂失敗)は回避できた。翌日はクレーターキャンプから急斜面を直登し無事にウフル本峰(5896m)に登頂できた。これは、事前の高所訓練の成果でもあったと思う。多少吐き気は出たが、それ以上深刻な高山病にはならなかった。
2021年秋の百名山完登に引き続き、73歳でのアフリカ最高峰キリマンジャロ登頂成功で、自身の生涯の山生活の掉尾をしっかりと飾ることができた。
フォトギャラリー:27枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | Tシャツ | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | サポートタイツ |
| 靴下 | レインウェア | 登山靴 | バックパック | スタッフバック | 水筒・テルモス |
| ヘッドランプ | 予備電池 | タオル | 帽子 | グローブ | 着替え |
| 地図 | ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ |
| 健康保険証 | 医療品 | 虫除け | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 |
| チェーンスパイク | トレッキングポール | GPS機器 | シュラフ | スリーピングマット | カップ |
| カトラリー | ヘルメット | ||||
| 【その他】 個人装備として、バランコの壁ではヘルメット装着が望ましい。また、頂上付近に積雪や登山道凍結の可能性もあるので、チェーンスパイクは携行したい。キリマンジャロの場合、テント泊であっても用具・食糧類はすべて現地旅行会社が用意し、支援隊員が携行してくれる。 | |||||


























