行程・コース
天候
初日:晴れのち快晴、2日目:曇りのち快晴
登山口へのアクセス
タクシー
その他:
往路:小淵沢駅→観音平口(タクシー:\2300)
復路:観音平口→小淵沢駅(タクシー:\2800)
この登山記録の行程
【1日目】
観音平口(09:30)・・・観音平(11:02)[休憩 28分]・・・雲海(12:59)[休憩 6分]・・・押手川(14:40)[休憩 6分]・・・青年小屋(19:45)
【2日目】
青年小屋(06:55)・・・ノロシ場手前2500m地点(09:15)・・・青年小屋(09:45)[休憩 15分]・・・押手川(12:05)[休憩 8分]・・・雲海(12:57)[休憩 18分]・・・観音平(14:15)[休憩 20分]・・・観音平口(15:32)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
昨年2月にテン泊で望んだ南八ヶ岳の権現岳。
翌日の登頂を目指したものの、予想以上の荒天だったことから敗退し、リベンジを期して望んだのが今回の山行だ。
前回は、重たいテント泊装備に耐えかねて「ここがキツい」を登り切った前三ツ頭を幕営地としてしまったが、今回は初めてのコースだが、天女山側よりいくらか斜度が低そうな観音平口より青年小屋でテント泊もしくは冬期小屋に宿泊し、翌朝、ギボシを経て権現岳に登頂し、三ツ頭から天女山へ下山する計画とした。
■観音平口~観音平
小淵沢駅からタクシーを使って観音平口のゲートに到着し、ゲート脇の登山ポストに登山届けを出してから入山、観音平までの登りの舗装路をひたすら歩く。
途中、富士見平を回らずに森の中をショートカットするコースを通ったが、国土地理院等の地図では登山道らしき破線道が惹かれているが、通る人が少なく踏まれていないせいか、それらしき踏み跡は全くなかった。そのため大まかな方位を見立てて歩きやすいところを通り、観音平から少し下がったところにある展望台の脇に出た。
観音平でゲイタ-等の雪山装備を調え入山した。
■観音平~雲海展望台
薄らと雪で覆われ、ミズナラやカラマツの落葉に覆われた道をただただ登っていく。
それほど歩きにくい箇所もなく、見上げた先にピラミッド状のケルンが積まれた雲海展望台があった感じ。
ここで寒くなって来たため、ミドルレイヤーのソフトシェルの上にハードシェルを着た。
■雲海展望台~押手川
雲海展望台から先は、くるぶしくらいに雪深くなり、全くトレースがなくコースも不明瞭となったため、GPSと照合しながら歩き、忘れた頃に現れるピンクリボンにより、概ね登山道だと言うことが分かる。
押手川には道標があるはずだが、雪に埋もれているのか、最初からないものなのか見当たらなかった。
■押手川~青年小屋直下
押手川の展望台に15時前に到着し、この時点では青年小屋に17時の日没過ぎくらいに到着見込みだったが、さらに膝くらいまで雪深くなり、全くトレースがないためコースを外れていないか頻繁に位置を確認しながら歩いている内に、編笠山山腹をトラバースするコース上で日没となった。
ここでザックからヘッデンを取り出し装着、行動食とサーモスの紅茶を飲み、18時に青年小屋への登り直下100mの道標に到着した。
■青年小屋直下~青年小屋
ここから先、雪はさらに股下くらいまで深く、暗闇の中で完全なラッセル状態になり、少し焦り出す。
先程から登山道上と思って歩く雪面には兎の足跡があったが、確かに兎の足跡を追って歩いて行くと歩きやすい。また、兎の足跡を外れるとズブッとハマったりした。
何かで登山道は野生動物にとって移動しやすい高速道路みたいなものだという話を聞いたが、それは雪が積もった場所でも同じなのかもしれない。以後の行動は兎の足跡頼みだ。
青年小屋への斜面はひたすら雪深く、昨年の天女山からのアプローチや、一月程前からライブカメラで定点観測していた編笠・権現の斜面の様子からも、雪は深くないと判断してワカンを持ってこなかった事が悔やまれた。
青年小屋まで50mを切った時点で19時を過ぎ、終わりの見えない暗闇の中のラッセル祭。
日が落ちて気温が一気に低下する中、眠気が来るが声を出して気力を振り絞った。
やがて斜度が低くなった辺りで青年小屋方面から歩いてきたスノーシューの足跡を見付け、それを追っていくと、青年小屋前の資材置き場の横に出た。
■青年小屋の冬期小屋
青年小屋テント場寄りにある冬期小屋へ向かうと、小屋の入口は結構な雪だまりとなっており、入るために雪かきをした。中に入ると当然のことながら誰もいなかった。
疲労困憊でとにかく横になりたかったが、ザックからジェットボイルを引っ張り出し、お湯を沸かしてアルファ化米に投入、残りのお湯で甘ったるいコーヒーを作って飲みながら、ダウンジャケットを着てシュラフ等の寝具を広げた。
甘ったるいコーヒーが信じられないくらいに美味い。
冬期小屋の内部は結露が凍り付き冷凍庫のようだったが、テントに比べればこの広い作業スペースがありがたい。
マットの上のシュラフに足を突っ込み、アルファ化米を食べ、味噌汁も飲んで一息付くとまもなく22時、雪を溶かしての水作りは明日の朝やろうと,そのまま就寝した。
■冬期小屋の朝~ノロシ場への尾根~撤退の決断
翌朝4時に起床、レジ袋を持って水作り用の雪を採りに外に出ると、ガスで真っ白だった。
ジェットボイルで湯沸かしし、アルファ化米ができるまでの間、水作りに励む。
せっせと雪を入れるがサラサラの粉雪なのでなかなか溜まらない。
できあがった水を湧かして、行動用に750mlのサーモスに紅茶を作り、アルファ化米、チキンラーメン、あんパンと脈絡のない朝食を摂ってからパッキング。
当初、5時出発の計画であったが6時の時点でもガス抜けずに真っ白だったため、ガスは残るものの明るくなった7時に出発した。
ノロシ場へ向う尾根は積雪が腰まであり、朝イチからラッセル祭の再会だった。
やがて日が高くなり、気がつくと雪をまとった白い樹間から真っ青な八ヶ岳ブルー。
今回は真っ白な雪面ばかり見てて、素敵な景観は殆ど見られてない。
少し外れると胸の辺りまで雪がある中、ノロシ場手前の標高2500m辺りまで到着したのが9時過ぎ。150m上がるのに2時間も掛かっていた。
ここで残りの行程を計算すると、権現小屋に着くのは13時くらいか?
そしてその先はこれまで同様、ラッセルが強いられるのか?
テント泊装備があるので、権現岳と三ツ頭の鞍部でのテント泊は可能だが、明日からの南岸低気圧接近に伴う天候の崩れと水作りに必要なガスの残りを考えると厳しい。
以上の条件から撤退を判断し、青年小屋へ戻る。
下りはラッセル後をシリセード混じりで行ったため、2時間少し掛かった行程を30分で降りてこられた。
正面を見ると、八ヶ岳ブルーの空をバックにした真っ白な編笠山がご褒美だった。
■青年小屋~観音平口
青年小屋に突くと、今回初めてであう登山者が一人。
単独で富士見高原から編笠山経由で登ってきて、これから西だけに登るとのことだった。
前日と比べ、明るい中を下って行き、概ね予定通りで観音平に到着。
ここで雪山装備を外し、行きとは異なる富士見平の道路上を歩いて観音平口へ下山した。
タクシーを呼んで小淵沢へ。
駅そばの「丸政」で山賊ソバを食べたかったが、あずさまで時間がなかったため、今回の下山メシはお預けに。
あずさの座席の足下にきつきつに収まったザックを見て、次回の権現岳リベンジは、ワカンをどうやって納めようかと言うことで頭がいっぱいだった。
とにかく今回の山行は疲労困憊。50代半ばを過ぎたおっさんにはキツかった。
また、加齢のせいで足のアーチが伸びて足が大きくなったので、足の指先が登山靴中で当たるようになってきたのも問題で、次回は靴を買い換えないと凍傷のリスクも上がりそうだ。
ここ数年、ワカンを用意しても使わない雪山ばかりだったので舐めてワカンを持たなかったが、次回はしっかりワカンをもって権現岳にリベンジしたい。
フォトギャラリー:22枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | ソフトシェル・ウインドシェル | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 |
| バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | 予備電池 |
| タオル | 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | 地図 |
| コンパス | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 修理用具 |
| ホイッスル | 医療品 | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ |
| チェーンスパイク | トレッキングポール | GPS機器 | テント | シュラフ | スリーピングマット |
| ストーブ | 燃料 | ライター | カップ | クッカー | カトラリー |
| アウターウェア | オーバーパンツ | バラクラバ | オーバーグローブ | 雪山用登山靴 | アイゼン |
| ピッケル | ショベル | ビーコン | ゴーグル | ヘルメット | |
| 【その他】
装備重量:約21kg 食料:1日昼食@行動食、夕食@アルファ化米+味噌汁 2日朝食@アルファ化米+チキンラーメン、昼食@行動食 非常食:アルファ化米2食分(水のいらないモンベルリゾッタ) 行動食:バームクーヘン、あんパン、カロリーメイト 水:0.9L(熱湯)+0.75L(紅茶・行動時) (使用量/保有量@初日:0.5L/0.75L、2日目:0.6L/0.75L、熱湯は0.8L/0.9L) ガス使用量:20g(調理回数2回+コーヒー沸かし+雪溶かし) 気温:日中:-3(観音平口)、-6(押手川)℃程度、夜:-10℃、明け方:-13℃ 日没/日出:16:51/06:56(1/10) エスケープ:行動可能な場合、同じ経路で最短の登山口へ下山する。 その他:幕営場所は青年小屋(冬期小屋あるので考慮)の予定だが、いい場所があれば拘らない。 |
|||||





















