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花と花の猿投山をぐるぐる巡る

猿投山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

曇り時々雨

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「猿投神社」をセット。登山者向け無料駐車場は神社周辺に3つある。今回は、奥にある第2駐車場を利用。トイレあり(トイレットペーパーは無かった)。第1と第2は7時台でほぼ満車。

この登山記録の行程

駐車場(07:16)・・・トロミル水車(07:27)・・・お倉岩・御門杉(07:35)・・・<林道猿投1号>・・・七滝トイレ(08:17)・・・菊石(08:20)・・・千鳥滝(08:28)・・・白霧滝(08:30)・・・血洗いの滝(08:44)・・・<林道>・・・西の宮鳥居(08:59)・・・大岩展望台(09:09)・・・自然歩道・林道出会いで折り返し()・・・東屋・・・東の宮鳥居(09:56)・・・観光展望台(10:05)・・・東の宮鳥居・・・東の宮(10:36)・・・カエル岩(10:46)・・・猿投山(10:54)(昼食)・・・団九郎の岩屋・・・血洗いの滝・・・菊石・・・広沢神社(12:42)・・・猿投神社(13:10)・・・駐車場(13:20)

コース

総距離
約17.8km
累積標高差
上り約1,347m
下り約1,346m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

「2つの花探し」を目的に、どうしても行きたいと思っていた愛知県の山があった。
東京と言えば高尾山、大阪と言えば金剛山、と言うように地元それぞれに愛される代表的な山があるが、愛知と言えば必ず最初に名前が出ると言っても過言ではない「猿投山」。
「さなげやま」と地方の人にはなかなか読めない珍しい名前の山だ。諸説あるらしいが、景行天皇が伊勢行幸の際に愛していた猿がいたずらをしたため、海に「えーぃ」と投げ捨てたとか。その後、その猿が猿投山にたどり着き住み着いたことから、猿投山と名付けられたという逸話が残っている。まるで日本昔話のようなストーリーで、アニメタッチのおどけた猿が「ぴゅーっ」と海に飛んでいく様が頭に浮かぶ(笑)。
猿投山は、豊田市と瀬戸市の境に位置し、標高629mの小さな里山。黒雲母花崗岩が多く分布し、花崗岩が風化した「さば土」は陶土として瀬戸焼とその文化の発展を支えたと言われている。今回のミッションは、その猿投山で2つの花を探す。
7時に猿投神社に到着。
3つある駐車場のうち、第1と第2駐車場は既に満車状態だったが、諦めて第3駐車場へ向かおうとした時、幸い1台だけスペースが開いていたので、第2駐車場に停めることが出来た。7時で満車とは、さすが人気の山だけのことはある。
見上げると鉛色の空が広がっていた。天気予報では雨マークがついていたので、いつ雨が降ってもおかしくは無かった。
舗装された林道を歩き、まずはウオーミングアップ。
暫く進むと、大きな水車が見えてきた。赤色をした珍しい水車で「トロミル水車」という。
冒頭に書いたさば土を「トロミル」と呼ばれるドラム缶のようなものに入れ、水の力で回転させて、陶磁器の原料である石粉をつくっていたらしい。確かに穀物を挽いていた水車よりも造りが一回り大きいように思えた。
「御門杉」のところから林道を外れ、登山道を登って行く。
ようやく登山モードに入ったと思いきや、再び林道をクロスする。登山道はそのまま真っすぐ「大岩展望台」へと延びていたが、分岐点にあったマップによると林道を左に進むと、目的である一つ目の花に辿り着くという。登頂した後、下りに立ち寄るつもりでいたが、いち早く見たくなり急きょコースを外れて林道を進むことにした。
林道は思ったよりも長く、「登山というより今日は散歩メインだな」と苦笑した。
東屋風のトイレが見えてくるとそれが目印になり、右へ折れて沢沿いに遊歩道を進んでいく。
ほどなくして「球状花崗岩」と書かれた看板が見えてきた。これが目指していた一つ目の花となる。ただし、花と言っても本物ではなく、「菊石」と呼ばれる花崗岩のこと。正式には「球状花崗岩」と言い、黒雲母花崗岩の中に白色の菊状紋様が見えることから「菊石」と呼ばれている。フェンス越しに沢をのぞき込むと、確かに水に揺れるように不思議な模様をした岩が見えた。菊石は、石英・長石・黒雲母が放射状に並び形成されたとても珍しい花崗岩であることから、天然記念物にも指定されている。
以前、「ブラタモリ」の中で、あの独特の口調でタモリさんが熱弁をふるいながら解説をしていたのが忘れられず、いつか見に来たいと思っていたが念願がかない大満足だった。
菊石を過ぎると、暫く滝ゾーンに入る。「千鳥滝」や「白霧滝」等を巡りながら最後の「血洗いの滝」まで進む。
血洗いの滝とはなにやら物騒な名前がついているが、これにも伝説があり、猿投神社の祭伸である大確命が、山で毒蛇に噛まれてこの滝で傷口の血を洗い流したことから由来しているという。しかし、残念ながらその後、回復叶わず大確命はその毒が原因で亡くなってしまったらしい。
ちなみに、岡山と鳥取の県境にも同じ名前の滝がある。こちらは、出雲の国でヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトに関する伝説で、スサノオノミコトが血にそまった剣を滝で洗い、滝水で身を清めたとうものだ。神話に関わる話が実際に日本各地に残っていると思うと、ロマンいっぱいでなんだかワクワクしてくる。
血洗いの滝からそのまま山頂へ向かうこともできたが、一旦、元のコースに戻りたかったので、林道を使って元のコース上にある「大岩展望台」へ向かうことにした。小雨がぱらついてきたが、レインウエアを着るほどではなかったので、そのまま歩いていく。
大岩展望台は、思っていた以上に見晴らしが良かった。
岩の上に立つと、遠くは伊勢湾や恵那山等が見えるとのことだったが、今日はあいにく霞んでいた。その代わり、眼下には豊田市の街並みがよく見渡せた。TOYOTA関連の工場だろうか。あちこちに大きな煙突のある工場も見えた。
元のコースに復帰したため、本来であればそのまま山頂を目指せばよいが、菊石を見るためにコースを変更したため、歩いていない空白区間ができてしまったので、分岐したところまで一旦降り、軌跡を繋げてからピストンで大岩展望台まで登り返してみた。無駄な動作だが、猿投山を隈なく歩きたかったので、途中で「あれ?さっきもすれ違いましたよね」と何人かに声も掛けられ、自己満足ながら楽しかった。すれ違った方で印象的だったのが、一人の年配の女性。この方がとても愛らしいTシャツを着ていたので、思わず「素敵なTシャツですね」と話しかけたら満面の笑みでお話をしてくれた。猿投山の文字の下に、可愛いカモシカとおサルさんが描かれているもので、なんでも地元の学生がデザインしたTシャツらしい。一瞬、欲しいと思ったほど素敵なTシャツだった。また、その年配の方もTシャツ以上に素晴らしく、83歳と聞いてびっくりしてしまったが、とてもお元気でハツラツとされていた。自分もそのように年を重ねたいものだ。

寄り道ついでに、「東の宮鳥居」の手前で「観光展望台」まで足を延ばしてみた。マップにあったので期待して行ってみたが、見晴らしは良かったものの景色としては大岩展望台と大差なく、正直こちらは余計な遠回りだと思った。まぁ、これも愛嬌。
散々、遠回りしてしまったが、「東の宮」から「カエル岩」を抜けてついに猿投山の山頂へ到着。SNS等でもよく見かけるおサルさんの人形が出迎えてくれた。
近くのベンチに腰を掛けて、昼食にご当地焼きそばパンを頂いた。
いつもよりゆっくり山頂での時間を過ごした後、下山モードに入りながら目的の二つ目の花を探す。場所は把握していたので、見つけるにはそれほど時間は要さなかった。
その花は、薄暗い森の中でボーっと浮かび上がるように咲いていた。
それも地面ではなく見上げた先の樹の幹から生えている。
あり得ない場所に真っ白な花とピンクの花が対になるように咲いていた。
セッコクと呼ばれるツタ系の植物で、とても珍しい花だ。
ツタが絡み合い、最終的には樹を枯らしてしまうということから、宿主にしてみれば全くもって迷惑な花だが、本人(セッコク)達は悪びれることなく凛と咲き誇っていた。実に美しい花だった。
天気は今一つだったが、念願の二つの花にも出会うことが出来、長年温めてきたミッションも無事コンプリートすることができた。
最後に、おまけとして、広沢神社と猿投神社に立ち寄ってから駐車場へ戻った。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • ピンクと白のセッコク 猿とカモシカのTシャツ コンビが光る山ですね

  • おおっ、なんか上手いことまとめた感が。^_^

登った山

猿投山

猿投山

629m

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