行程・コース
この登山記録の行程
矢島口(03:10)・・・七ツ釜避難小屋(04:40)・・・氷ノ薬師(05:30)・・・七高山(07:05)・・・頂上参篭所(御室小屋)(07:35)・・・新山(08:00)・・・頂上参篭所(御室小屋)(08:20)・・・七五三掛(09:40)・・・御田ヶ原分岐(10:05)・・・御浜(10:25)・・・河原宿(10:55)・・・登山口(12:05)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
鳥海山の印象:
遠方から眺めて良し、登って良し、東北一の名山と名高いのにも納得。特筆すべきは、景観の多様さ。秀麗な山容、広々とした湿原、豊かな雪渓と雪解け水、頂上付近から一変する荒々しい地形、新山への岩登り、外輪山、鳥海湖、花々が咲き誇る花畑、日本海へ向かう下り。登山スタイルと天候・状況に合わせて、如何様にもルートを選べる、懐の広さ。
登山道はとてもよく整備されていて、危険個所はない。登山道の多くに石畳や木道が敷設されているが、自然とうまく調和しており、全くいやらしくない。昔から信仰の対象として、多くの人に愛されてきた山なのだと分かる。
登山道ですれ違った若者が、今回で5回目と言い、尽きぬ魅力のことを語ってくれたが、確かに、何度でも訪れたくなる山だ。
アクセス:
東京から登山口まで交通機関+タクシーで片道7時間。秋田、羽後本荘、矢島と鉄道を乗り継ぐ。
1日目は、秡川ヒュッテまで移動のみ。2日目は吹浦口まで8時間行程。
秋田駅:
乗換で時間があった。駅ビルにはレストランが多数入っており、選り取り見取りだが、丁度お昼時でどの店も行列待ちだった。仕方なく、駅そばに入る。お店の人にお勧めを聞くと、アジフライ蕎麦とのこと。大振りのアジフライの載った冷やし蕎麦は、ボリュームもあり美味であった。
羽後本荘駅:
JR線なのにSUICAが使えないのに驚く。由利高原鉄道への乗り換えで、空き時間が1時間。
外は灼熱。クーラーの効いた待合室があったので、一休み。長崎から来られた旅行者が一名。しばし談笑。市街に出て、コンビニで食糧調達。冷凍ペットボトルが大変ありがたい。
そこから駅に戻る際、素敵な喫茶店「薫」を発見。こだわりの空間でこだわりの一杯を頂く。甘露甘露。
矢島駅:駅カフェで、明日に備えて腹ごしらえ。カレーとティーソーダ(桃フレーバー)を頂く。観光案内所でタクシーを呼んで頂いた。20分ほどでタクシーが到着し、秡川駐車場へ。運転手さんと世間話をしつつ、窓の外を眺めていると、水田の横を小熊が闊歩していた。最近、県内でよくニュースになっているという。秋田県すごいな。
秡川ヒュッテ:
至れり尽くせりの素晴らしい宿泊施設だった。
照明(21時消灯)、豊富な水、清潔な水洗トイレと洗面所、ガスコンロ付の調理場、シャワー、電気洗濯機(乾燥機付き)、談話室、部屋も六畳間ぐらいで障子で区切られている。もはや山小屋ではない。宿泊費もえらく安い。
しばし展望台、竜が原湿原、秡川神社を散歩。展望台からは遠く日本海が望める。遠く男鹿半島に山があるのは驚いた。
収容人数は多くないので、泊まれない場合は、キャンプ場に泊まれるよう、テント装備にしていたが、人は多くなかった。
談話室で夕食を採りながら登山者2人と山の話題で話し込む。話が弾みすぎて、時間は20時を回っていた。シャワーを浴びてさっぱりしたら、眠りにつく。
明日の出立は早いが、それまでよく眠れた。
雪渓:
翌日は2:20起床。朝食は、インスタントラーメン+ゆで卵。
矢島口からの登山ルートは遅くまで雪渓が残る、とは聞いていた。が、今年は猛暑なので雪渓も少な目では、と完全に侮っており、アイゼンを持って行かなかった。後悔した。
秡川神社から雪渓を登る。
ここから、氷の薬師まで、雪渓の登りが続く。体感なので当てにならないが、登山道の3割以上が雪に覆われていたような気がする。
ここの雪渓の登りは傾斜が緩いので、アイゼンかストックか、どちらかがあれば問題なかった。
どちらもないので、ペースは落ちるし、足に余計な疲れが残ってしまった。
(筆者は、ストックを持たないことを信条としている。が、雪の斜面は別だ。特に下り。)
七高山:
最後の雪渓を超えると、200mほど登山道を登る。
登りきると、七高山の手前で新山が姿を現した。しばし強い風が吹き抜けて体が凍える。下界は30度Cを超える暑さなのに、何とも贅沢なことだ。
外輪山と新山が複雑な地形を織り成しており、至る所で景観に目を奪われる。ここから登山者がぐっと増える。
新山:
外輪山から御室小屋方面に降りる。
分岐点にザックをデポし、身軽な状態で新山山頂へ。頂上付近は岩登りを楽しめる。
そこから御室小屋に降り、休憩。昨日買っておいた、ブリトーとパイナップルを食べる。
千蛇谷・七五三掛:
外輪山からの斜面に雪渓が多く残り、開放感のある素晴らしい景観。その中を徐々に高度を下げていく。
登山者がとても多い。狭い登山道ではすれ違いも容易でなく、向かいの登山者を優先するため待ち時間が多く発生し、自分のペースでは進めない。足を止めて景観を楽しみましょう。
扇子森:
扇子森の辺りから山頂付近を振り返った景観が美しいが、山頂付近は雲が掛かっており見渡せず。残念。
扇子森を超えると、鳥海湖が見下ろせるようになる。一面の花畑が見事。命の営みを強く感じる。
御浜小屋:
多くの登山者で賑わっていた。鳥海湖と周辺の山々が美しい。時間があれば、鳥海湖に降りたかったところ。
ここからの下りは、主に象潟口と吹浦口がある。登山道ですれ違った若者のお勧めは、象潟口だった。
・日本海に向かって下っていく景観の素晴らしさ。
・鉾立山荘周辺は施設が充実。旨いものにありつける。
・利用者が多く、登山道の状態が良い。
ただ、今回は、太平山荘の風呂を目当てに、吹浦口を下ることにした。
藪は払われていて、登山道の状況は良好だった。容赦なく太陽が照り付け、風が止まると暑さも厳しい中を黙々と下っていく。
一つ気になったのは、はじめは石畳、後半はコンクリートが敷かれていたこと。特にコンクリートは、行程の最後に持ってくると、疲れた脚には応える。木陰では苔も生えているので、雨天では滑りやすそうだった。
太平山荘:
12:15頃に太平山荘に着いた。それから程なく、鳥海ブルーライナーのバス(12:30発)がやって来た。
太平山荘は、この日は水不足で、食堂も風呂も営業しておらず残念至極。鳥海ブルーライナー16:10発を予約してあったが、それまで手持無沙汰。しかも携帯の電波が入らない(後述)ので、電話も掛けられない。
バスの運転手さんに相談したところ、予約を繰り上げて(16:10→12:30)もらえた。
携帯の電波が入らない(au)、と思っていたら、原因はiOSのバグの可能性が高い。携帯の電子マネーで決済しようとしたら、太平山荘のスタッフの方は、「晴れの日は繋がりにくいのよ、ここ。」とのことだった。
その後、バスが山を下り始めても電波を拾えない。ウトウトしているうちにバスは象潟駅付近に来ていたが、それでも電波が入らない。流石に変だと気付いて、iPhoneを再起動したらようやく電波を拾えた。
iOSには「何度か機内モードにした後に、機内モードを解除しても電波が拾えない。」という現象があるよう。筆者は、何度か同じ目に遭っているが、学習しないと。
象潟駅:
バスを降りると、容赦ない日差しの中、気も狂わんばかりの陽射しと暑さだった。
日帰り入浴を求めて、たつみ寛洋ホテルへと向かったが、あいにくと当日は貸し切りで一般客は受け付けていないとのこと。
仕方なく、さんねむ温泉に向かった。一風呂浴びて、汗を流すと、生き返った心地。しかし、そこから象潟駅に戻る間にまた汗をかいてしまった。
象潟から秋田経由で東京へ。乗換は20分弱だったが、行きで秋田駅を散策していたこともあり、短時間で土産物と弁当を調達できた。20:30頃東京着。
唯一の心残り:東京からのアクセスは片道6時間以上。移動だけで半日以上潰れる。もう一山登りたいところ。2泊3日で月山→鳥海山とはしごできることに、秡川ヒュッテで寝転がっている時に気づいて、少し悔しい思いをした。
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羽後本荘で乗換1時間。
うだるような暑さの中、コンビニで食料を調達しに町中へ出た。駅に戻る途中、素敵な喫茶店「薫」を発見。最高の一杯と、優雅な一時を過ごせた。
羽後本荘駅から由利高原鉄道へ乗り換え。かわいらしい車両で矢島へ。
由利高原鉄道の車窓から。鳥海山を眺めながらゆったりとした時間を過ごす。
矢島駅からタクシーで秡川駐車場まで。
矢島駅の観光案内所でタクシーを呼んでもらったら、20分ぐらいで来てくれた。鳥海観光さんありがとうございます。
その間、明日に備えて駅カフェで食い溜め。カレーライスと桃のティーソーダを頂きました。
秡川ヒュッテに到着。学生さんのパーティーで賑わっていた。
秡川ヒュッテから展望台へ向かう途中。振り返ると鳥海山は雲に覆われていた。
展望台から日本海を見渡す。遠く男鹿半島に山があるのは初めて知った。
山頂方面には分厚い雲が掛かっていた。
雪渓の雪解け水が垢離の池に注いでいる。明日はここから登山開始。
秡川ヒュッテから竜が原湿原に足を延ばす。
秡川ヒュッテ、入り口わきの歓談スペース。
垢離の池の奥から雪渓を登り始める。
陽が昇る。今日は終日快晴のよう。
若々しいゼンマイ。
水場。冷たい水で火照った体を冷やす。
最後の雪渓を登り切った、と思いきや・・・。
今度こそ最後の雪渓。
雪渓を抜けて、七高山まであと一頑張り。
登ってきた道を振り返る。
七高山にたどり着くと、景観が一変した。吹き抜ける強風に身体が凍える。下界は灼熱の中にあって、なんと贅沢なことか。
左手に七高山の頂。その奥の外輪山は、雲に遮られて見通せず。
新山山頂への岩登り。
新山頂上、狭いところに人がひしめいていた。
新山から日本海側の広大な広がりが美しい。
遮る壁がなければなお美しかろう。と思い、岩を伝い壁へと向かった。
頂にたどり着く頃には、辺りは雲に包まれていて、景観は得られなかった。
千蛇谷を下る。残雪が緑に映える。
雪渓の先を登り返す。登りは特に道が狭く、向かいの登山客とすれ違うのに難儀する。
鳥海湖、周囲には花々が咲き誇っている。
河原宿にて一休み。
雪渓を渡って象潟口と行き来できる。
太平山荘を見下ろして。
吹浦口の登山口から10分ほど下り太平山荘へ。そこから、鳥海ブルーライナーで象潟駅へ。
象潟駅付近から。雲が晴れて、初めて全貌を拝むことができた。
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | Tシャツ | ロングパンツ | ショートパンツ | 靴下 |
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| コンパス | ノート・筆記用具 | ナイフ | 修理用具 | ツエルト | 健康保険証 |
| ホイッスル | 医療品 | 虫除け | ロールペーパー | 携帯トイレ | 非常食 |
| 行動食 | テーピングテープ | GPS機器 | テント | シュラフ | シュラフカバー |
| テントマット | スリーピングマット | ストーブ | 燃料 | ライター | カップ |
| クッカー | カトラリー |




