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雨でも構わないどうしても登りたかった金時山

金時山、長尾山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「公時神社」をセット。公時(金時)神社(きんときじんじゃ)駐車場を利用する。10台、無料だが、争奪戦が激しく、停めることができない場合は、入口の金時ゴルフ練習所前に有料の駐車場がある。なお、公時(金時)神社駐車場には、エヴァンゲリオン仕様のトイレがあって有名。登山靴の洗い場もあって素敵だ。
緯度経度(35.278111 139.002586)。GooglMapに張り付ければカーナビ可能。

この登山記録の行程

公時神社駐車場(12:04)・・・公時神社(金時神社登山口)(12:15)・・・手毬石(12:21)・・・金時宿り石(12:29)・・・金時山(13:04)(休憩~13:24)・・・長尾山(13:56)・・・乙女峠(14:08)・・・乙女峠バス停(14:34)・・・公時神社駐車場(14:45)

コース

総距離
約6.6km
累積標高差
上り約924m
下り約922m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

天城山から下山して濡れた装備を車に詰め込みながら腕時計を確認すると、まだ10時前だった。温泉に浸かってから市内観光でもしようかと考えていたが、「今なら間に合う」と車に飛び乗り、伊豆スカイラインと高速を乗り継いで約70km離れた「金時山」を目指した。
金時山は富士山の絶景が楽しめる人気の山で、昔からどうしても登りたいと思っていて、今回の登山計画に天気の回復を待って明日登る予定にしていた。富士山の眺望を優先するなら今日登っても全く意味がないが、実は金時山にはもう一つの目的があった。いやむしろ、それがメインと言っても過言ではなかったので、間に合うなら「雨でもいいじゃないか」と決断した次第だった。
12:00過ぎに「公時神社駐車場」へ到着。
超絶人気の駐車場だが、「大粒の雨が降っているし、午後にもなれば大丈夫だろう」とたかをくくっていたが、ほぼ満車状態。幸い、軽自動車用スペースが1台分ギリギリ空いていた。おそるべし金時山。人気の高さがうかがえる。
天城山で濡れた登山服をもう一度着こみ出発の準備をする。不快このうえなかったが、激しく雨が降っているので、どのみち直ぐに濡れるだろうと、この辺は大雑把な性格が山屋には向いている。
出発前にトイレに立ち寄る。
実はこのトイレも金時山に来た目的の一つ。
ただのトイレではなく「エヴァンゲリオン仕様」のトイレ。
知らない人は「何を言っているのか?」と思うかもしれないが、建物やドアの一つひとつにエヴァンゲリオンの世界観が描かれていて、眺めるだけで実に楽しい。ちなみに駐車場の白線の枠もデザインが工夫されていた。
金時山との関係は知らないが、エヴァンゲリオンが属する「特務機関NERV(ネルフ)本部」は、東京が海に沈んだのち「第3新東京市」として箱根に首都を移したその地下に設置さているという設定から、どうも箱根付近がエヴァンゲリオンの聖地になっているようだった。なかなか創造豊かな話だ。
さて、気持ちを登山モードに切り替えて、公時神社で参拝をしてから山へと入る。
混乱するが「公時」と書いて「きんとき」と呼ぶらしい。
登山道は神社の右手側にある。
大木が両脇に立ち並ぶ登山道を登っていく。頂へと続く参道なのだろう。
舗装された林道を横切ると、本格的な登山道へと変わっていく。
この程度の山であれば1時間を切って登れるだろうから、目的にも間に合うだろう(事前にネットで調べていなかったためにかく急いでいた)。いつもなら汗をかかないようにとゆっくり登るところであるが、今日は雨が降っているのとそもそも午前中の登山で既に汗まみれだし、気にすることないと。とギアをあげて加速して登って行った。
暫くすると、目の前に巨大な岩が出現した。
12:18、「金時宿り石」へ到着。
金太郎のモデルになった坂田公時が、母の山姥と一緒に患った目を治療するために近くの母子温泉で湯治をした際に、夜露をしのいでいたとされる場所だそうだ。
ゆうに直径10m以上もあり、見上げるほどの巨岩だった。しかし、洞窟があるわけではなく、ここで暮らしたと言うのは少し嘘くさいと想像した。
ちなみに、巨岩はまっ二つに分かれていて、ちょうど瑞牆山の「桃太郎岩」に大きさと言い、割れている様子がとても似ていた。ただ、「金時宿り石」は元々、一つの岩だったとか。昭和6年に突然、割れてしまったとの記録が残っている。経年劣化なのか神がかり的なものなのか、不思議な話だ。
そこからさらに加速して一気に山頂へ。雨が降っていたので、描写も何もなくひたすら登った。
13:04、山頂へ到着。
予想通り山頂は、真っ白の世界。どっちの方角に富士山があるのかさえ分からない状態だった。
しかし、繰り返すが、今日の目的は富士山ではない。
金時山の頂には2つの山小屋(茶屋)と有料トイレがあるが、目指すは、そのうちの一つの山小屋。山頂碑のそばにある「金時娘の茶屋」だ。通称「金時茶屋」。「金時娘」で有名らしいが、扉を開けると「世界の果てまでイッテQ!」に出てくる「天国ジジイ」のようなおじさん達がお店の切り盛りをしていた。(自分も人のことは言えないが 笑)
https://www.yamaonsen.com/entry/kintokiyama#google_vignette
ずぶ濡れだったので気が引けたが、「お疲れさん!」と元気な掛け声に後押しされて、「有難うございます!」と中へ入り、テーブルに座りメニューを眺める。
一つの料理に目が止まり、「あったー」と心躍らせながら「なめこ味噌汁」を頼んだ。
雨でも構わないと金時山に登って来た目的はこれ!「なめこ味噌汁」600円也。
富士山を見ることができず残念だったが、むしろ身体が冷え切った雨の中だからこそ、なめこ味噌汁が最高に美味しいに違いないと考えて急きょ予定を変更したのだった。
「29番」と書かれた手書きの札をもらい、出来上がるのをドキドキしながら待つ。
小屋の中を見渡してみると、趣のあるとても歴史ある内装だった。ロケで訪れた芸能人の写真が並んでいたのは、まぁ、金時山の登りやすさと人気の高さだと思うが、反対側の壁にはこれまで登って来た常連さん達の記録と思われる台帳のようなものがびっしり並んでいた。「金剛山にも似たようなものがあったなぁ」と思い返していたら、「29番さん」という掛け声にハッとして我に返った。
ワクワクしながら取りに行くと、小さいアルミのトレーに乗った、器いっぱいに注がれたなめこ味噌汁が出てきた。
「どうぞ」と手渡され、想像以上のビジュアルに感無量。
一味を1本貰い、テーブルに運んでまじまじと眺める。600円を「少し高いな」と思う人もいるかも知れないが、圧巻のボリュームで、これは600円以上出しても食べる価値があると思った。
「うどんが入っているのでは?」と見間違うほど太く長いえ(柄)が見事で、「なめこもこんなに太く大きく育つものなんだ」と妙に感心してしまった。
箸を手に取って「いただきます!」と口に運ぶと、ツルンとなめこ独特のぬめりと、味噌の深い味が口の中に広がる。ゴクリと飲み込むと、冷え切っていた身体の中がホクホクと温まる。忖度なしに「うまい!」。
最後の晩餐で何が食べたいと問われたら、今まで「鍋割山の鍋焼きうどん」と答えてきたが、今日、新たに晩餐メニューにこのなめこ味噌汁が加わった。まさに殿堂入りの美味しさだった。
最後の一口まで大事に飲み干して「ごちそうさま」と声に出して、トレイに器を置いた。
もう一杯頼みたいくらいだったが、程よい感じで止めておくのが良い。
記念に金時山の2025年缶バッチを購入(300円)してから下山する。
一刻も早く温泉に浸かりたかったので、来た道をピストンしてもよかったが、乙女峠という文字に惹かれて、遠回りしながら下山することにした。
こちらの登山道を使う人は基本少ないのか、荒れていて寂しい感じがした。
13:46、「長尾山」へ到着。
広い山頂だったが、特に眺望がある訳でもなかったのでそのまま通過する。
13:58、「乙女峠」へ到着。
乙女と言う華やかな文字に反して鬱蒼とした場所だった。実はここには悲しい伝説が残っているとのこと。
父親の病気を治そうと娘「とめ」が、峠の近くにある地蔵堂へ毎日「願掛け」に通った結果、百日目に父親の病気を治すことができたが、娘自信は力尽きて雪の降り積もる峠で亡くなってしまったと言う。想像するに切ない話だ。そんな話を思い出すと、乙女峠から見る景色も少し違って見えるような気がした。
少しだけ休憩してから、左に直角に折れて乙女峠を降っていく。
14:23、「乙女峠登山口」へ到着。
その後は車が行き交う車道を歩いてスタートの駐車場へ戻った。
すっかりずぶ濡れになってしまったので駐車場で身体を拭き、一日のご褒美に近くの日帰り温泉「富士八景の湯」で温かいお湯に浸かり一息ついた。休日料金で1,500円也と少々割高だった。やはり関東地区の温泉は高い。



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装備・携行品

みんなのコメント

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  • なめこと薄揚げのお味噌汁ですか?鍋焼きうどんに匹敵するとは。

  • うん、そう。とても美味しいので、最後の晩餐には鍋焼きうどんとなめこ味噌汁を並べたいですね。^_^

登った山

金時山

金時山

1,212m

乙女峠

乙女峠

1,005m

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