行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビには「鶏足寺」をセット。少し分かりづらいが、鶏足寺駐車場の下に位置する。
未舗装で10台程度。トイレ無し。登山届けのポスト有。GPS座標(35.508917, 136.252806)。スマホのGoogleMapに入力するとカーナビ案内が可能。
この登山記録の行程
駐車場(07:10)・・・山の神(07:22)・・・居張瀧(イバリ滝)(07:26)・・・春日谷(07:31)・・・登山口<六地蔵経由コース>(07:44)・・・六地蔵(08:13)・・・鶏足寺跡(08:50)・・・己高山(09:05)(休憩~09:32)・・・飯福寺登山口(10:27)・・・亀山茶畑(10:32)・・・駐車場(10:40)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
己高山(こだかみやま)。標高922m。
滋賀県北部にある山で、湖北における仏教文化の中心と称された山。山中や山麓には、古い寺院跡が残されていて、歴史のロマンに満ちた登山が楽しめる。
平安期に栄えた己高山七ヶ寺の総本坊の跡である鶏足寺跡をはじめ、六地蔵、牛止めの岩など、往時の面影を偲ばせている。山麓は戦国大名の石田三成ゆかりの里とされていて、三成に関する歴史散策を楽しめる。
(山と渓谷オンラインより)
知り合いの方がSNSにUPした動画を見て「己高山」という山を知り、興味が湧いてやって来た。秋のもみじで有名な「鶏足寺」のすぐ近くに位置している山だ。
最初、良く分からずにお寺の駐車場に停めてしまったが、さすがに観光シーズンはまずいと、よくよく周辺を探したら50m程離れたところに登山者専用の駐車場らしきスペースを見つけた。
登山ポストがあったので、念のため提出してから歩き出す。
暫くは林道を使って山へと踏み入っていく。
山の入口に朽ち果てた小さな鳥居があった。
「山の神」と書かれていたので、今日の安全登山を祈願して一礼をした。
7時27分、「居張瀧(イバリ滝)」へ到着。
滝と言うが、むき出しの黒い岩肌にボタボタとしみ出した水がたれ落ちているだけ。「数量が増えると滝になるのか」とも思ったが、とてもそうは見えない。でも、むしろ滝よりも趣があり、きっと夏には冷もとれて丁度良い休憩ポイントになるのかもしれない。
そこから少し進むと「春日谷」と書かれた看板があった。
広いスペースがあり、「ここも登山者の駐車スペースなのだろうか」とそんなことを考えず、ガシガシとそのまま真っすぐ林道を進んでいく。
森に入りどんどん進んでいくが一向に登山口らしきものが見つからない。
嫌な予感がしたので地図を取り出し確認してみると、案の定、コースから大きく外れていた。
「どこで分岐を見落としたのだろう?」と戻りながら注意深く登山道を探すと、先程の駐車スペースと思われる奥に左側へと分かれる道を見つけた。
分岐のところに大きな看板が倒れていて、「左、登山入口」と薄っすらと書かれていた。「こんな大事な看板を倒れたまま放置しておくなよ」と少しイラっとして悪態をついてしまった。
小さな橋が架かった沢を渡り、数100m進むと「六地蔵経由」と「仏供谷登山コース」と書かれた分岐点に来た。
「どっちのコースが正解なんだろう?」と一瞬悩んだが、とりあえず右に折れて六地蔵経由のコースを選択することにした。「悩んだ時には険しそうな道を行く!」だ。 笑
斜面にとりつき「ハァハァ」と息を切らせながら尾根伝いに高度を上げていく。
朝日が射しこみ、黄に色づいた葉がキラキラと輝いて見えた。ヒンヤリとした空気が心地よかった。
絶え間なく続く斜面を登り、8時14分に登り口の看板にあった「六地蔵」へ到着した。
朝日に浮かび上がるように小さなお地蔵さんが6尊。森の中に佇むように可愛く鎮座していた。
山に登っていると時々見かけるが、六地蔵とは仏教の六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天)の苦しみから人を救済するための6種類の地蔵菩薩を指す。立ち止まって「こんにちは」と声を掛けてみた。「おはよう」と返事が返ってきそうな優しそうな顔をしていた。
そこから少し進むと、大きな鉄塔の脇に出た。前方に頂と思われるピークが見えると俄然、テンションがあがった。
7合目に入ると、黄色にもみじの真っ赤な色が混じるようになってきた。青空とのコントラストがとても鮮やかで綺麗だった。
急だった斜度も次第に緩やかになり、広場のような場所に出た。
「鶏足寺跡」と書かれた看板が設置されている。
大昔には、ここに鶏足寺が建っていたということか。こんな山奥では普段の生活もさぞ大変だったことだろう。
ふと見ると、「てっぺんの景色を見たら笑顔になるよ」と子供が書いたと思われる可愛らしい看板が目に入った。微笑ましい。見る人に元気をくれる、そんな看板だった。
「では、そのてっぺんを目指そうではないか!」とつい応えたくなってしまった。
ラストスパートで最後の登りを一気に歩き、9時6分、頂へ到着。
先ほどの看板から、360度の絶景をイメージしていたが、実際にはだだっ広い雑木林で、樹々に遮られて眺望はあまりなかった。
その代わり、落ち葉の絨毯が広がっていて、とても静かで落ち着いた場所だった。
せっかくなので、お湯を沸かして軽く食事を取ることにした。
熱いスープを飲みながらおにぎりを頬張ると、身体が温まりポカポカしてきた。
ふと、樹々の間から遠くに大きな山が見えた。
滋賀県で二番目に高い山「金糞岳」だろう。方角的に昨日登った冠山もその後ろに隠れているはずだ。
少し長居をしてしまったので、バーナーをザックに仕舞い、登ってくる時に反対側に見えた尾根を使って下山を開始する。
こちらのコースは歩く人が少ないのか、落ち葉がフカフカと層のように積もっていた。
カサカサと踏みしめながら軽快に降っていくと、今日3つ目の鉄塔脇に出た。
見晴らしがよく遠くに琵琶湖が見えた。霞んでいたが対岸にはいつも登っている比良山系も良く見ることができた。まさか琵琶湖の眺望が楽しめるとは思ってもいなかったので、嬉しい得点だった。
10時27分、飯福寺登山口に到着し、林道を降っていくと、急に開けて庭園のような場所に出た。
入り口に「紅葉協力金」と看板があったが、困ったことに財布を持ち合わせていない。
「登山者につきお許しを!」と心の中で呟きながらそのまま進ませてもらう。
いつの間にか周囲は、紅葉を愛でに来た観光客でいっぱいで、その間を縫うように歩く登山スタイルの自分は、かなり浮いていて気恥ずかしかった。
庭園の奥に小さな丘の茶畑があった。「亀山茶畑」と言うらしい。
「こんなところでお茶?」
自分も初めて知ったが、「こだかみ茶」という地元では知られた古くからのお茶らしい。こう言う偶然の出会いや発見があるのが、里山の楽しいところだ。
さすが知り合いのお勧めだけあって、隠れた名峰。紅葉も堪能出来て実に楽しい山だった。































