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行程・コース

天候

小雨後曇

登山口へのアクセス

バス
その他: 夜行バスで弘前へ行き、バスをスキー場入口で降りる。
弥生へ下山し、タクシーで弘前駅へ戻ってロッカーの荷物を回収して酸ヶ湯温泉までタクシーを奮発する

この登山記録の行程

百沢(195m、8:10)スキー場(320m、9:00)夏道(1,100m、11:15)鞍部(12:30)鳥海山(13:00)岩木山(13:45)大黒沢(1,450m、14:30)林道(285m、15:45)弥生(135m、16:20)

コース

総距離
約12.7km
累積標高差
上り約1,450m
下り約1,510m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 弘前行き夜行バス『ノクターン号』はゆったりしていて、なかなかのものだ。座席が3列で、背凭れを水平近くまで倒せるので体が楽でよく眠れる。

 親切な運転手が百沢スキー場入口でバスを停めてくれ、雨で濡れて鈍く光る舗装道路をゆっくりと登って行く。ひっそりとしたロッジの周りにはまだ雪の塊が所々に残っており、樹林は雪解け直後の新芽が出る前の静寂の時に包まれている。雲の流れによって強くなったり弱まったりする雨を避け、とあるロッジの庇を借りて身支度をする。
 ゲレンデの雪は大半が無くなっているが、融け残った部分を拾えばシールで登れそうだ。フキノトウが伸び始めたゲレンデでスキーを履き、歩き出す。暫く行くと、山菜採りが数人下って来る。岩木山は雲の中だが、雲が切れて時々薄日が射したりして、予報通り良くなる事を期待する。
 冷たい風の中、リフト終点で一本立て、林道を辿って高度を上げる。旧いスキーの跡が何本も残っており、百沢ルートを滑る人の多い事を思わせる。「先週の土曜日に岩木山スカイラインが八合目まで開通し、日曜日からリフトの運行を始めた」とラジオで聞いたが、早速頂上へ上がって百沢スキー場へ滑降した訳だ。沢の右岸側には雪庇が残っている部分もあり、出来るだけ樹林帯を登る。
 標高1,100m付近で沢に入って夏道と合し、2本目を立てる。沢の上部は雪庇状になって×印の竹垣で滑降禁止となっており、斜面の左上方へと目印が続いている。その竹も雪雲で上の方は見えず、ここでオーバーズボンを着用して冬支度になる。ヤッケの上衣を忘れてきたのに気付くが、薄い雨具の上衣を着て来たのは不幸中の幸いで、何とかなりそうだ。
 右手の斜面に逃げてジグザグに高度を上げる。雲底は次第に上がって、斜面上部の岩場が時折姿を見せる。「無立木の斜面と言う事は、雪崩の恐れもある」と、上方に神経を尖らせながら歩く。
 山頂の南斜面からカール状の浅い沢に入ると雪崩の恐怖からは解放されるが、雪がクラストして気を抜くと板がスリップする。勾配を緩く取って慎重に登ると傾斜が落ちて、間も無く鳥ノ海の鞍部に着く。
 視界は数十mで、風が流れて寒々としている。潅木の上にどっかりと腰を下ろして休憩する。人の声がするので探すと、稜線上に2人の姿が一瞬間浮かび上がる。暫くするとガリガリと音がして、百沢の方へ下降を始めているボーダーが見える。
 一息吐いた処で鳥海山へ登ると山頂から20mほど下った所にリフトが見えるが、今日は動いていない様だ。10m前後の風をまともに受けては、ちょっと無理だろう。デポに引き返して山頂を目指す。直ぐ上方に鳳鳴避難小屋が在り、岩の夏道を登って岩木山頂に立つ。久恋の山にしては感激が湧かないが、山頂の神社に手を合わせて無事登頂を報告し、休憩舎に入って食事を取り、筋肉を休めて滑降への期待を膨らます。
 30分待ってもガスは齎れず、方向に確信が持てる所までスキーを担いで下る事にする。80m下って岩峰の裾の急斜面を左へ大きくトラバースすると案内竹が現れてやや安心するが、スキーの跡はキックステップも利かない程に硬く凍っていてスリップする。
 標高1,460mまで下ると雲が薄くなり、弥生コースの下降点を確認することが出来、岩鬼山の2つの岩記号の間でスキーを履く。P1,457へ向かって滑り出し、慎重に方向を変えて高度を下げる。明日・明後日と楽しかるべき八甲田の山スキーを控えているから、怪我をしたら詰らない。
 源頭の広大な斜面に入ってもクラストは緩まず、「滑降に絶好な斜面なのに!」と惜しみつつ慎重に滑る。怖いものだから、体が後ろに引けて転倒し易く、なかなか思い切ってターン出来ない。とは言いつつも、斜面が狭まって沢筋に入ると雪は次第に軟くなって氷上滑落の恐怖は消える。が、後遺症は酷く、へっぴり腰が直らずに頻繁に転ぶ。
 危惧した雪の量だが沢筋の残雪は豊富で、標高300m付近まで沢沿いのロングランを堪能してすっかり好い気分になる。左岸へ渡り、樹林の雪を拾ってしぶとく滑り、一旦は板を脱いだものの林道へ出て再び板を履いて標高200mまで滑る。
 雪の消えた道の土手には採り頃のフキノトウが萌黄色の姿を現している。山裾に拡がる林檎園に入ると春の到来を受けて新芽が銀色に輝き、そこここで小枝を剪定して樹勢を整えており、バス停の位置を聞くと丁寧に教えてくれる。「随分あるよ」と言われたが、10分そこそこで着く。

 タクシーで弘前のバスターミナルへ向かい、テントや寝袋を回収して酸ヶ湯まで奮発する。
運転手は黒石の人で、岩魚の話を興味深く聞く。曰く、「昨年の最大は42cmだった」、「4年で尺物に成長する。早いのは3年で尺になる」、「自分の隠し沢を持っており、10cm前後のを放流して大きくなるのを楽しみにしている」云々。
 明るいうちに酸ヶ湯の駐車場に着き、奥に張ってあるテントの近くに2つ目のテントを張って薄暗くなる頃夕食を済ませる。睡眠不足と疲れと酒の酔いで出掛けるのが面倒臭くなり、「お湯は明日の楽しみにしよう」とシュラフに潜り込み、早々と眠りに就く。

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装備・携行品

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登った山

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