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雨に誘われて姥ヶ岳へ

姥ヶ岳( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

雨(時折、大粒の雨)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 大野市から国道157号線を、岐阜県境の温見(ぬくみ)峠方面へ。
キャンパーの間では有名な「麻那姫湖青少年旅行村」のキャンプ場を越えてさらに進む。橋の袂に「平家平」という看板があるので見落とさないように。その橋を左折して進むこと約5,6km。終点に第一駐車場と第二駐車場がある。トイレはない。駐車場までは、概ね舗装道路。ただし、狭いので通行には注意。

この登山記録の行程

第一駐車場(10:06)・・・登山口(10:08)・・・オーレン畑・・・サンカヨウ群生地・・・ミズバショウ群生地(10:58)・・・姥ヶ岳(11:35)(昼食~11:56)・・・ミズバショウ群生地(12:24)・・・サンカヨウ群生地・・・大トチノキ木分岐(12:51)・・・大トチノキ木(13:03)・・・第一駐車場(13:30)

コース

総距離
約10.3km
累積標高差
上り約861m
下り約863m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

急きょ代休取得となった朝、窓を開けると少し激しめの雨が降っていた。
前にも書いたが、登山は完全に晴れじゃないと出かけないという後輩にいつも言うセリフ。雨にしか見れない風景もある。雨音と自分の吐く息しか聞こえない空間。雨が止んだ瞬間、差し込んでくる木漏れ日の美しさ。雨降りの登山も悪くない。

実はここ最近、ずーっと雨が降るのを待っていた。
降りやまぬ雨に「よしよし」とうなずきながら身支度をして車を走らせる。
目的は、福井県と岐阜県の県境にある姥ヶ岳。

姥ヶ岳と言えば、眺望のない山頂でハエがぐるぐる回る中での昼食タイムや毛虫軍団にやられ体中腫れあがった最悪の想い出しかないが、今日はどうしてもここしかないとやってきた。

そんな今日のミッションは4つ。
①雨に濡れたブナ林を独り占め。
②週末にミズバショウを見に取立にいくという先輩の代わりに状況確認
③大トチノキに再会。
④本命ミッション、雨に濡れたサンカヨウのガラス細工のような可憐な花を写真におさめる。。。

駐車場に車を停めて歩き出す。トチノキの看板を横目に山道に入る。まずは山頂を目指そう。
一歩、足を踏み入れただけで、ここの森の美しさには毎回、感動する。程よい間隔で樹々が並んでいるせいか、オウレンの葉や野草で地面が緑の絨毯のように広がっている。
雨に濡れて、緑の鮮やかさが一層増している。
オウレン畑を過ぎるとサンカヨウの群生地が現れる。というか、姥ヶ岳ではあちこちでサンカヨウを確認することが出来る。自分の知っている中で、これほどサンカヨウが群生しているところはない。ただ、予想していた通り、時期的には既に遅く、多くの花は既に終了し、小さな実に変わっていた。あの愛らしい白い花は見当たらず、本命ミッションがいきなり赤信号となった。
さらに進むと、綺麗に整ったブナ林が見えてくる。空を埋め尽くす緑の葉っぱ。地面も先ほどと同じく緑のじゅうたんで埋め尽くされている。
県内でもお勧めのブナ林はいくつかあるが、やはりここのブナ林は別格だ。ただ、残念なのはメジャーすぎて、いつも人であふれていること。ただ、今日は狙い通り、誰もない。①のミッションとして、ブナ林の中央で緑の空間を独占しながら雨音を楽しむ。
ひんやりした空気が心地よい。

十分にエネルギーを吸収してから歩き出す。ミズバショウの群生地はもうさほど遠くない。
この週末に、ミズバショウを見に取立に行くという先輩に、「もう時期が遅いのでは?」と言ったのに、聞かないため、ミッション②として場所は違えども姥ヶ岳でミズバショウの状況を確認しに来た。果たして。。。。できることなら自分もミズバショウの花の写真を収めたかったが、やはり緑の葉っぱがあるだけで花はどこにも確認できなかった。残念なというか予想通りの結果。とりあえずミッション②終了。

ここからは少し登山らしくなる。ぬかるんだ山道を慎重に登っていく。午後から止むような天気予報だったと思うが、逆に雨音が大きくなる。
山頂は、真っ白にガスった状態だった。どのみち眺望がない場所なので、ハエがいない分ましと、カップ麺を食べる。冷え切った身体に温かい食べ物は有りがたい。

来た道を一気に降る。
登ってくるときも降る時も、目を皿のようにして、サンカヨウの花を探してきた。
時時、奇跡的に残っていた花があったが、どれも散りかけか、まだ蕾状かで、これといった花に出会えない。諦めかけたところ、斜面に日のあたりが違うのか、そこだけ花がついているサンカヨウの群生を見つけた。
サンカヨウは4月から6月とも聞くが、実際には5月の上旬が一番見頃かなと個人的には思おう。開花するまで数年もかかり、しかも、開花すると5日~7日ほどで散ってしまう儚く神秘的な花。だが、もっと神秘的なのは今回のミッションの通り、サンカヨウは雨に濡れると白い花びらがガラス細工のように透けて透明になる。透明の花弁の中に黄色の花弁が鮮やかに映る。その姿は神秘的で可憐。実は、毎年このシーズン、初めての山に行くときにはいつサンカヨウに出会ってもいいように、ザックの中に霧吹きを持ち歩いていたというと内緒の話。笑。
でも、今日は正真正銘、自然の中で雨に濡れて透明に輝く奇跡の花に出会えた。大満足。

最後に大トチノキと再会のため、林道を急ぐ。
広場に到着すると、すでに風格のある姿が目に飛び込んで切る。遠近感がおかしくなるくらいの大木だ。近寄ると更にとてつもなく大きいことが分かる。
少し濡れた大木にハグをして再会を祝う。

4つのミッション完了。
雨に濡れた山を堪能した一日でした。 :)

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • Yamakaeru さん、こんにちは。
    サンカヨウの花というのをはじめて知りました。とても美しいものですね。

    自分は雨が降るとわかっていて登る境地には程遠いし、むしろ雨を避けてきた登山者ですが、雨の時にしか出会えない景色、経験があるというのは全くおっしゃる通りだと思います。

  • すてんばさん。共感して頂いて、また、サンカヨウの事、知って頂いて嬉しいです。雨降りには警戒心も和らぐのか動物と出会う確率も増えます。この日も猿と鹿2頭に出会いました。自然との触れ合いが増える雨の良さです。もっとも快晴の登山に越したことはありませんが。(^-^)

  • すてぱんさん、お名前を打ち間違えました。失礼しました。また、いつでもお越しください。

  • 傘下陽って当て字を考えました。ホント美しいですね。

登った山

姥ヶ岳

姥ヶ岳

1,453m

よく似たコース

姥ヶ岳 福井県

山姥が住んでいたという伝承の残る山

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
4時間30分
難易度
コース定数
18
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