富士山登山者、コロナ禍前の6割まで回復も、疲労遭難者が増加

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山梨県富士吉田市は9月1日、山梨県側の富士山吉田口登山道の登山者が、7月1日の開山から8月末までの2ヶ月間で、9万6649人だったと発表した。

2019年以来3年ぶりに、行動制限がない夏山シーズンとなった富士山。今年の9万6649人という数字は、前年の5万4939人から1.76倍まで増えている一方で、コロナ禍前の19年と比較すると6割程度にとどまった。

市は、7月中旬以降のコロナウイルス感染の拡大やお盆期間中の悪天候が登山者数の伸び悩みにつながったと分析。吉田口へとアクセスする富士スバルラインの営業時間の短縮や山小屋の収容人数の制限も影響していると推測した。

富士吉田口登山道、七合目付近

また、今年は夏山シーズン中の遭難事故が目立った。

山梨県警察本部によると、山梨県側では、開山から8月末時点で3件の遭難事故が発生。静岡県警察本部によると、静岡県側では、同期間で47件の遭難が発生し、48人が救助された。静岡県側で発生した47件という数は、感染拡大前の2019年の同期間とほぼ同水準となっている。

静岡県側の遭難者の原因別では、疲労で動けなくなった人が21人、高山病や熱中症などの病気が12人、転倒や滑落による負傷者が8人など。

県警察本部地域課は「疲労で動けなくなって救助要請を出す登山者少なくない」とし、体力不足のまま訪れる人や、弾丸登山のような体への負担の大きい計画を立てる人に注意を呼びかけている。

2022年の富士山は9月10日で夏山シーズンを終了する。

 

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