手になじみ小気味よく雪をとらえる、ベーシックの進化形/ブラックダイヤモンド「レイブンプロ」
『山と溪谷』の巻頭記事「YAMAKEI HEADLINE PICK UP GEAR」では、毎号、旬な登山装備を紹介している。
2020年12月号で紹介した、ブラックダイヤモンドから発売の「レイブンプロ」は、雪山入門から本格的な雪稜、初歩のバリエーションルートも視野に入れる意欲的な登山者にすすめたい雪山登山用ピッケル。その理由とは?
文=川原真由美
写真=山田 薫

ピッケルを選ぶときのポイントは? 形状や長さだけでなく、よく吟味しておきたいのが握りやすさ。シェルグローブでも女性の小さな手でも扱いやすく、即座に使い手の意思を伝えられるものがいい。
ブラックダイヤモンドのレイブンシリーズはベーシックな雪山登山用ピッケルをそろえたロングセラー。ヘッドの付け根をキュッと絞った握りやすいデザインで好評を博してきたが、この冬、新機能を加え、大幅にリニューアルされた。
雪山入門から本格的な雪稜、初歩のバリエーションルートも視野に入れる意欲的な登山者にすすめたいのが、シリーズの中核となる「レイブンプロ」。シャフトが曲がったベントシャフトになったことで、傾斜のあるルートでも的確な角度で雪面をとらえ、高い安定感をもたらす。また、断面を台形にして、シャフトの握りやすさをアップ。ヘッドを振り、ピックを打ち込む動作も小気味よくきまる。ピック、スパイク(石突き)の先端はより鋭いものに変更され、総じて登攀性を高めた仕上がりに。
歩行時はもちろん、滑落停止や耐風姿勢といった瞬時のアクションを求められる場面で、体の一部のように扱えることは非常に重要。フィット感のよいピッケルを手に、雪上技術を磨いていきたい。

ヘッドの付け根が細いので、しっかり握れる。
長時間の行動でも疲れにくく、安定性をキープできる
長時間の行動でも疲れにくく、安定性をキープできる
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YAMAKEI HEADLINE「今月のギア」
雑誌『山と溪谷』の巻頭記事「YAMAKEI HEADLINE」の連動企画です。