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晩秋の飯豊登山~御沢野営場より山頂往復~

飯豊山( 東北)

パーティ: 1人 (あし0316 さん )

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行程・コース

天候

初日:快晴
2日目:晴れのち曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 18日自宅10:00…京葉道路武石IC…外環道…東北自動車道…磐越道・五百川SAで仮眠…磐梯山PAで再度仮眠…磐梯河東IC…121号線…459号線…川入…御沢野営場5:35
★夜間工事で会津若松ICから西会津まで時間通行止め時期にて手前でIC降車。
★御沢野営場は駐車スペース広い。男女兼用のトイレが一つ利用可能。(水洗、ペーパーあり)
★下山後はいいでの湯 大人500円。食堂兼用で入浴客以外にランチ目当ての客も出入り。山都町の新そば絶品。ネット環境はNG

この登山記録の行程

御沢野営場5:50★WC休憩…飯豊山登山口6:02…下十五里6:41~53★休憩…中十五里7:09…上十五里7:30~7:47★WC+休憩…笹平8:15…横峯8:28…水場8:51★若干給水…地蔵山分岐9:07…地蔵山9:13…地蔵山分岐9:18…剣ヶ峰テラス9:35~10:02★大休憩(お湯作り)…剣ヶ峰10:23…三国岳(三国小屋)10:44…七ヶ森手前★休憩…種蒔12:02…切合小屋12:25★WC休憩…草履塚13:04…姥権現13:19…一ノ王子13:53…水場14:31…一ノ王子14:41…本山小屋14:44★WC休憩…飯豊山15:04…本山小屋15:19(泊)

本山小屋5:45…一ノ王子…姥権現6:28…草履塚6:43…切合小屋7:00~7:11★WC休憩…種蒔7:30…三国小屋8:22~8:35★大休憩…剣ヶ峰8:49…地蔵山分岐9:17…水場…横峯9:39…笹平9:50…上十五里10:13…中十五里10:24…下十五里10:35…飯豊山登山口10:58…御沢野営場11:07

コース

総距離
約21.8km
累積標高差
上り約2,318m
下り約2,319m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

「遠い朝日、深い飯豊」とはよく言ったものだ。予備日1日、2泊3日で飯豊山、大日山の計画。結果は…。天候と装備トラブルでベタな飯豊山往復で下山。各避難小屋も小屋閉め。まもなく雪で閉ざされる時期は好事家ばかりで、すれ違う人も少ない。たった1週間違うだけで紅葉のベストシーズンは過ぎた。登山道に積もる枯葉の堆積で知る、冬の到来。
 御沢野営場から。シーズンオフでがら空き。車は数台のみ。早朝、車避けチェーンを超え林道を進めば飯豊登山口に石像。川入集落が飯豊参りの宿として賑わった時代の名残だろう。歩き易く整備された、長坂の急登には、下十五里、中十五里、上十五里、笹平と平坦な場所で先人に倣い、2度休憩。秋でもたっぷり汗を絞られ、盛夏は如何ばかり。末端尾根に取りつくのも辛い反面、ブナ林に囲まれ、無心に歩を進める。途中、水場でのどを潤す。程なく地蔵山分岐。好奇心旺盛な私、地蔵山まで登るが平坦な場所に倒れかかった標識。熊に削られたか、肝心の文字がない。泥濘の道を用心して下り、いざ剣ヶ峰。「!」マークの連続する岩稜帯。ここまで来ると展望が開ける。対面の尾根は弥平四郎ルート。眼前の紅葉は一層深く渋い色で山を彩る。11月を差す、恋染紅葉という色だろうか?
 岩場を下ってくる人々は飯豊、大日と縦走して、本山小屋、切合小屋に2泊したそうだ。女性に「明後日の午後から天気悪くなるのよね」と言われる。そう、懸念材料。10月中旬、一夜の降雪は船形山で経験済。秋の天気は侮れない。満タンポットを携え、剣ヶ峰を超える。降雨は滑落しそう。慎重に3点支持で上り詰めると三国小屋。漸く本峰への稜線歩きスタートとは、飯豊は本当に深い。
 今日はココへリについて。友人3人と剱岳別山尾根敗退時にココへリ会員のOが可笑しなことをいう。「遭難した時、私達はヘリで救助されるけど彼らは置いてきぼりだね。」ちょっと待て。規約を読んでないのか?会員証はヘリ搭乗券ではないし、WEBで手続きを踏まないと適用されないんだけど。彼らも保険には加入していて、携帯電話の電波が届けば救助隊は出動する。こんな勘違い救援者が少なくないのでは?登山ビギナーの啓蒙教育はまだまだ普及途中だ。
 三国小屋でトイレは使用不可。切合小屋、本山小屋は冬用が一つ。本山小屋は紙持参。疲れたけれど充実感一杯のソロ登山者と挨拶をする。七森手前は梯子を超えて。種蒔山までアップダウンと巻き道迂回。「種蒔」の看板だけで山頂へ行ける様子はない。難所を超え急坂を下降していくと切合小屋が見え、下りきった場所に大日杉と切合分岐の看板。切合小屋はシーズン中、食事提供の有難い避難小屋。ちょっと先のテン場スペースは風の通り道みたいだ。ペグをしっかり張らないと、飛ばされる立地だ。今日は本山小屋で宿泊。草履塚までの急登はきついが、水の調べを聞きながら本山小屋を目指す。
 草履塚の山頂を超え、山の裏へ回るとコルに赤い目印。急な九十九折れを下りきるとそれは姥権現と呼ばれる神様の衣だった。それを超えると御秘所で、また岩峰をよじ登る。山の頂には石積が見える。なんて過酷。この深山に辿りついてまだ頂を目指すのか‥。それでもえっちらおっちら足を進めれば、一ノ王子の広場。ザックを下ろし、水場へ向かう。水場まで、雪渓を下ってトラバースして更に下っていく。ちょろちょろと流れる岩清水。翌日も縦走する気でたっぷり補給。ヒヤヒヤしながら下った道を登り返し。秋になっても雪が残っているとは、さすが豪雪地帯。漸く本山小屋が近くに見えた~。いいペース。
 ここから稜線越しで御西小屋までは約2時間。だけど止めておこう。今宵の宿は本山小屋だ。2階には、先客がシュラフを広げたまま。空身で大日岳まで登頂しているのか。午後になり風が冷たく感じる山頂まで往復。深い山・飯豊山で夕空を眺める。大日岳は近づいた分、殊更大きく、遠い山だな、と思う。可能であればあの頂に立ちたい、と願いながら小屋へ戻ると、ソロの女性到着。「避難小屋初めてですが、よろしく。急いで山頂行ってきます」と出かけていく。女性で、良かった。シュラフの主が男性だったら1階で寝泊まりする予定だった。避難小屋に戻ると宿泊費準備。「あれ?」宿泊費が2500円に増額されていた。掴んだネット情報が古いままだったか‥。やってしまった。
 記帳後、諦めて3枚投入後、ポーチの隅にトイレチップ用100円玉5枚発見。薄暗い空に変わり、女性が戻ってきた。3年で百名山をあらかた制覇しているとか。コロナ禍を契機に100名山制覇に着手する人は多い‥。前回の山行でも話題に出た。私は10年選手で半分も届かない。物凄い熱量で目標を達成していく人々の話は面白く、敬服する。(そろそろお湯を沸かして夕飯作り)あら?ガスの火が点かない。午前中までは活用したのに突然不調。小屋を火事にはできない。フリーズドライ米はポットのお湯で賄った。この先の縦走で火器が使えないのは死活問題。微弱な電波で翌日の天気予報を確認すると、午後からは風速7メートルの風で弱雨とある。降雪の備はしたが、秋雨で今日超えてきた岩稜帯はハードルが上がるので、この時点で「下山」決定。
 ヘッデンが欲しくなる時間、外の小屋のトイレへ行くと小屋の前に男性が立つ。1階のドアは開放中。何故か、梯子を伝って冬季出入り口から入っていく。どうやら、シュラフの主らしいが、行動がちょっと怖い。我々女性は個々で食事を終え、寝床に入る。ダウン上下で、シュラフは暑い。小屋を叩く風の音に時折目が覚めても、ぐっすり睡眠で朝5時前に起床。女性の言葉に甘えて、お湯を作って貰う。手持ちの水を切らした女性に水のお裾分け。本当に大助かり。光が小屋に差し込む頃、荷物をまとめて掃き掃除。女性に挨拶をと思ったが、小屋の外に出かけたか‥。小屋の外で裏の展望台で朝の景色を楽しむ女性に挨拶。朝焼けの峰々は素敵。お礼を言って出発。フリースに上着、手袋をしていた早朝もやがて朝日が昇れば、汗ばむ。雲海に漂う山は小島のよう。対面する綺麗な三角錐の大朝日岳と小朝日岳はすぐわかる。
 復路の登山道は朝日に照らされた稜線が素敵で何度も足を止める。あんなに辛かった登山も下りはラクチン。御秘所という絶壁を超え、あっという間に草履塚の登り道へ着いた。チリン、と熊よけ鈴が聞こえる。あのシュラフの男性だが、私に追いつく人は皆無の一人旅となった。いいペースで切合小屋。トイレ休憩と行動食で充電し、種蒔山の難所に備える。
 三国小屋で充電し、剣ヶ峰の岩稜帯を下降。雨で足が滑ったらアウトだ、縦走リタイヤはいい判断だろう。登山の最終目標は自宅に帰る事。2度目の地蔵山分岐。湧き水でのどを潤し、長坂をまだかまだかと下っていくうちに登山口到着。太ももは筋肉疲労。林道を600メートル歩けば駐車場。もう大丈夫と熊よけ鈴を外すと、闊歩するサルのご一行。熊よけ鈴を鳴らすと音で人間の存在に気づき森へ入ってくれた。物分かりのいいサルたちで良かった。熊よけ鈴は大事。
 予定通り11時を過ぎて下山。いいでの湯へ直行し、筋肉のこわばりの効能通り、疲労回復。午後は会津若松で鶴ヶ城付近を散策。会津料理の人気店「割烹・田季野」で下山飯。店を出た直後に、天気予報どおり麓は激しい雨。下山はいい判断だった。いつか来れるかな?花の宝庫、夏の飯豊に。遠い朝日連峰と、深い飯豊。兄弟に例えられる二つの山。大朝日の小屋番さんは、飯豊を意識していたっけ。言い得ているなとニヤリと得心する。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア フリース ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下
レインウェア 登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス
ヘッドランプ 予備電池 タオル 帽子 グローブ 着替え
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 登山計画書(控え) ナイフ
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー
携帯トイレ 非常食 行動食 テーピングテープ チェーンスパイク トレッキングポール
GPS機器 燃料 ライター カップ クッカー カトラリー
ローソク・ランタン
【その他】 ・ココへリ、GPS(ジオグラフィカ)
・行動食(みかん2個、一口羊羹、煎餅、汁粉、飴、カルパス、塩分チャージ、キャラメル、地方銘菓など)
・食事(フリーズドライ米、無印良品カレー、ジャガイモ加工品、紙パックワイン)
・予備食(海鮮チジミ粉、ビーフン、カップ麺、パウチステーキ肉、ウイスキー)
・芍薬甘草湯1本、アミノバイタルは2日で3本内服。
★55Lザックで15~16キロ前後。水は途中で補給(縦走予定で1.5L→本山小屋手前水場で倍量追加)
※縦走は予備の火器でポケットストーブを持参すべきだった。

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登った山

飯豊山

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2,105m

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