大山 | 大山プロガイド協会

梅雨時期の大山登山の楽しみは、日本海側豪雪地帯特有のブナの特徴を観察すること。太平洋側のそれとは大きく異なります。

6合目のコウゾリナ (2010.07.25 大山レークホテル )
6合目のコウゾリナ (2010.07.25 大山レークホテル )
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天気・気温

07/06(火)
鳥取市の天気予報
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日本気象協会提供 2024年5月7日 18:00発表
松江市の天気予報
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曇のち晴
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11℃
明後日
27℃
10℃
日本気象協会提供 2024年5月7日 18:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

梅雨の時期は登山を敬遠しがちになりますが、この時期の楽しみ方をご紹介したいと思います。
大山のブナ林は、日本にあるぶなの種類の中でも「シロブナ」といって、日本海側の豪雪地帯に分布しているブナで、ほぼ南限に位置しています。太平洋側のブナ(イヌブナ)との大きな違いは、葉っぱの大きさです。雪が多い為に、1年間の日射量が太平洋側より少なく、短い期間で光合成をして栄養を蓄えられるように、葉っぱが大きくなっています。5月になると、ブナの林床の雪解けが進み、と同時にブナが芽吹き、あっという間に葉っぱが大きくなるので、日陰になってしまいます。つまりブナ林においては、日照不足のために林床の木が大きくなれないんです。(代表的な木として、エゾユズリハ、クロモジなどがあります)
3合目付近まで登り、休憩する時に、ゆっくり周りを見渡してみてください。10m以上の大きなブナか、せいぜい2m程度の低木しかなくて、中間が何もありません。かなり向こうまで見通せることにお気づきでしょうか?これが大山のブナ林の特徴なんです。
したがって雨が降っても、ブナ林の中は明るくて、開放的なイメージがあります。このブナ林の様子を見ながら、雨の日の登山をされるとまた楽しみが増えると思います。

お花の状況は、大山寺付近で ホタルブクロ ホタルブクロ が咲き始め、エゾアジサイもいよいよこれからが本番となります。5合目付近ではシモツケが咲き始めました。

登山道の状況

登山道で危険な箇所は、現在のところ目立ったところはありません。ただし6合目を過ぎて8合目の間では、崩壊防止のための蛇カゴの針金が飛び出している場所が何ヶ所かあります。登りでは気がつきませんが、下りで足がひっかかる恐れがありますので、前のめりに転んでしまわないよう、充分注意してください。

また登山道の標高1000mの標識を過ぎたあたりに、何やら器械が設置してあります。これは環境省が設置したもので、登山者数のカウンターだそうです。7/1から稼動し始めて秋口ぐらいまで設置。冬の間は撤去しますが、無雪期の3年間を予定していて、今まで概算でしかわからなかった年間の登山者数が、ある程度把握できるようになりました。もう1ヵ所、新行者コースの元谷に出る所に設置されています。途中経過の数字については、何らかの形で不定期ではありますが、公表される予定だそうです。実際の登山者数、いったいどのくらいなのか、楽しみですね。

登山装備

登山の基本は「寒いぐらいの服装でのスタート」です。また雨に降られそうなときは、雨具を着ることを前提に薄着でスタートしましょう。
最近よく見かけるのは、暑いのにベストを着て、ポケットにいっぱい詰め込んで汗まみれで歩いている人。基本的に休憩の時に使うものであれば、すべてザックの中に入れて、もっと身軽で歩いてください。
持参する水分量は、最低でも500mlのペットボトルで2本、余裕があれば3本はあったほうが無難です。これも天候により大きく左右されますので目安とお考えください。

注意点

毎年この時期になると、お願いすることなのですが、大山という場所は希少植物の宝庫です。したがって珍しい花、貴重な花などについては、あえてここでは紹介していません。
もし登山中に見かけても、採取はもちろん、画像にとる際も場所の特定ができないようにするなど、各個人のブログなどで公開しないようにお願いいたします。最近盗掘を狙っている方は、昔のように歩き回ってさがすということはせず、まずネットである程度の場所の特定をしてから、狙って入るという手口だそうだからです。
みなさんひとりひとりの努力で、大山の貴重な動植物がこれ以上乱獲されることのないよう、ご協力ください。

お知らせ

この他、登山道のお花の状態、他のコースなどで詳しいことを聞きたい方は、「大山レークホテル」(TEL0859-52-3333)まで、お気軽にお問合せください。
また当ホテルでは、パッキングから楽な歩き方まで、基本からすべて指導しながら大山に登る登山教室も随時開催しています。当ホテルの温泉に入って、正しい登山を勉強してみませんか?詳しくはお電話にてお問合せください。

昨年の今頃の様子は?

今年は登山道の雪は早く融けてしまい、もう歩くのに支障はありません。2週間ほど早めに推移しています2023.05.02

だんだん蒸し暑さを感じる季節になってきました。そろそろ虫除けスプレーが必要な季節です2023.05.15

米子市内でも30℃を越える夏日となりましたが、大山は気持ちの良い風が吹いていました2023.05.23

中国地方は梅雨入り。蒸し暑くなる季節、大山では薄着での行動とこまめな水分補給を2023.05.30

大山プロガイド協会周辺の過去の様子

  • 草鳴社ケルン付近からの眺め
  • 6合目避難小屋の様子
  • イワカガミが咲き始めました
  • 標高1500m下付近の残雪
  • 山頂緊急避難小屋付近の状況
  • 3合目手前付近から積雪があります
  • 山頂台地の残雪
  • フキノトウがようやく顔を出してきました
  • 6合目避難小屋の様子
  • ポールの片付けを行う
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 少しガスが出ると、大山では、こうなります

大山プロガイド協会

現地連絡先:
090-7999-2931
電話番号:
0859-75-2300
連絡先住所:
〒689-4424 鳥取県日野郡江府町御机字鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山 内

地図で見る
http://chugoku-guide.wix.com/chugoku-guide

施設の詳細を見る

関連する山

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大山 標高 1,729m

 山陰地方のほぼ中央にそびえ立つ大山(だいせん)は、天平五年(733)に完成したといわれる『出雲風土記』に、火神岳(ほのがみのたけ)の名で登場する。我が国で最も由緒のある山の1つである。  中国地方の最高峰。大山隠岐国立公園の中心にあり、歴史、民俗、自然科学の面でも傑出したものが多く、名実ともに中国山地の王者である。四季を通じて探訪者が絶えないが、日本海に面した独立峰であり、気象条件、地質地形条件が厳しく、特に冬季は「寒気の吹き出し」の影響を、日本で最初に受けるので、標高に似合わず遭難事故が多い。中国地方の他の山々とは全く異質の山であることを銘記されたい。  一方、自然保護運動の先覚地でもある。全国のゴミ持ち帰り運動の発祥の地であり、数々の乱開発を追放した実績を持っている。現在は一木一石運動(登山者の手によって山頂に石を返す行動)が根気よく続けられている。  山体を形成する角閃石安山岩は軟らかくもろい。激しい浸食作用により、登山道の転変が多く、頂上と通称される弥山(みせん)への道は夏道ルートと行者谷ルート以外は閉鎖されて久しい。両ルートは6合目避難小屋の下で合流し、特別天然記念物ダイセンキャラボク純林を縫って頂上碑に達する。東側に三等三角点が、西に頂上小屋と、やや下って石室(いしむろ)と心字(しんじ)池などがある。いずれも往復5時間程度だ。  最高点の剣ヶ峰へは大神山(おおがみやま)神社から元谷(もとだに)小屋、ユートピア避難小屋を経る一般ルート(往復5時間)の他に大休(おおやすみ)峠からと、地獄谷振子(ふりこ)沢からのルートがあるが、一般向ではない。  元谷をベースに、大屏風(おおびようぶ)岩、小屏風(こびようぶ)岩、烏帽子(えぼし)岩、別山などの岩場がある。岩はもろく、登攀には高度の技術が要求される。南面の南壁はすべてガレ壁で、登降は勧められない。支峰の甲(かぶと)ガ山(せん)、船上山(せんじようざん)にはよい岩場があり、地元のクライマーに愛されている。  大山の名をより高めているのは、史跡の豊富さと荒らされていない生物相とにある。  『出雲風土記』には、大山を杭(くい)にし、弓ガ浜を綱にして島根半島を引いてきたと記され、大化改新(645)前後には修験者の大道場でもあった。以来、興亡栄枯を繰り返し、その遺構が全域に残されている。現存する大山寺と大神山神社の門前町が大山寺(だいせんじ)の集落。今は宿泊施設や飲食店、温浴施設などが参道沿いに並んでいる。 平成30年には、大山情報館が大山ナショナルパークセンターとしてリニューアルしたほか、観光案内所や県立大山自然歴史館も再整備され、大山周辺の情報提供の他、シャワールーム、ロッカー、Wi-Fiなど多くの新しい機能が利用できるようになり、大山登山が一層、便利になった。 冬は西日本最大の広さを誇るスキー場が賑わい、スキーやスノーボード、スノーシューなど、ウィンタースポーツのメッカとなている。

鳥取県 岡山県 / 中国山地中部

蒜山 標高 1,202m

岡山県の最北端に位置する蒜山山群は、中国の名峰・大山連峰の東に連なり、鳥取県倉吉市と、岡山県真庭市との境界をなしている。 蒜山は95万年から50万年前に噴出したトロイデ火山である。岡山県側からの山容は穏やかで、広大な扇状地となり、古くは巨大な淡水湖を擁していたという。蒜山高原からは昭和34年(1969)、ステゴドン(東洋象)の臼歯の化石が発見された。またオオサンショウウオやムカシトンボ、ギフチョウなどの珍しい動物や昆虫のほか、ヒルゼンスゲやリュウキンカ、またイヨフウロ、ツクシゼリなどの貴重な動植物の宝庫となっている。  山名の「ひる」は「蛭の住むような広い湿地」を意味し、「ぜん」は大山(だいせん)の「せん」を真似、より威厳を持たせるため濁って読ませたという説もある。また蒜山には、巨人が住んでいたという伝説もあり、中蒜山と下蒜山の間のコルを「ふんぐり乢(たわ)」と呼ぶのは、この巨人が自分のフングリ(睾丸)を引っ掛けたから、ともいう。  蒜山へは、上蒜山の西麓の百合原牧場の柵を越えて山腹に取り付く。途中、皆ガ山の肩越しに大山が見える。8合目の槍(やり)ガ峰は上蒜(かみひる)一の展望台だ。上蒜山まで約3時間。中蒜山、下蒜山まではさらに約3時間。三山縦走は約8時間。

鳥取県 / 中国山地中部

矢筈ヶ山 標高 1,359m

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ユーザーの登山記録から